2022年9月22日木曜日

黒部の山賊

(ハクサンイチゲ)
 
 (水晶岳)

(夕景、金沢方面)
(水晶岳と雪渓)
(チングルマと間違えそうなチョウノスケソウ)
(槍ヶ岳)
(ワリモ岳)
(鷲羽岳)
(シコンタンソウ)
(薬師岳)
(黒部五郎岳)
(コバイケイソウ花畑ごしに鷲羽岳)
(鏡平で一瞬だけみえた槍の穂先)

 にっぽん百名山「野口五郎岳」では、インフルエンサーのちゅーたさんの案内。山の絶景だけでなく、案内人と野口五郎小屋の人々との家族的な交流も描かれていた。

コロナ禍による打撃は世界のすみずみまで及んだろうが、山小屋も例外ではない。というより最も深刻な打撃を受けた部類だろう。もともと辺鄙なところでの零細経営。夏の間だけ2か月程度の営業期間。もともと密な構造のところにソーシャル・ディスタンスを持ち込むから定員半分での営業。それでも従業員に感染者が出て10日間閉める小屋が続出・・・。

野口五郎小屋は、烏帽子小屋と水晶小屋の中間にあって、やや中途半端な立ち位置。3人兄弟の真ん中で、状況により兄姉でもなければ弟妹でもないみたいな不安定。もちろん天候急変時などや休憩には最適だけれど、晴れていれば通過してしまうみたいな。

考えさせられながら、録画をみるととともに、山仲間にも情報提供する。ついでに、番組表をながめていたら、BSNHKで「黒部の山賊」の再放送があるようだ。

水晶小屋の先には三俣山荘がある。北アルプスの最深部、黒部の源流ちかく。どこから登っても2日はかかる。昔は山賊がでたとの伝説が残る。そこの主人が書いた本をもとに、その子どもたちと家族の奮闘を描く。

まえに視聴したことがある。それなりに楽しんだ。今回は、夏の山行での交流を経たうえで、思い出を交えての視聴である。楽しみ。

2022年9月21日水曜日

野口五郎岳@にっぽん百名山

(FDA機窓から富士山) 

(コマクサ)
(ライチョウ母子)
(野口五郎岳にかかる虹)

 毎週月曜BS-NHKで「にっぽん百名山」をやっている。今週は野口五郎岳だった。野口は麓の野口村から見えるから。五郎(ゴロー)は岩がゴロゴロだから。あの歌手の野口五郎の名前の由来になった山だ。彼は岐阜県出身なのだそう。

野口五郎岳は、裏銀座ルートの中央に位置する。水晶岳、鷲羽岳の百名山を経て、槍ヶ岳に達する。

怪鳥会では3年ほどまえにも一度挑戦したことがある。そのときは、台風の直撃を受け、烏帽子岳に登っただけで撤退した。

今夏は3泊4日で再挑戦。信濃大町から高瀬ダムに入り、そこから日本三大急登の一つ、ブナ立尾根を登る。名前のとおり、ブナの原生林が美しい。

尾根を登ると、烏帽子小屋に泊まる。近くに烏帽子岳がある。文字どおり、烏帽子の形をしている。

烏帽子岳から三ツ岳を登る。花崗岩の砂礫地で、コマクサのお花畑が広がっている。高山植物の女王たちである。その後、ひどい雨の洗礼を受けた。

稜線に出ると、3時間ほどで野口五郎岳だ。山頂手前に小屋がある。あたたかい飲み物をいただき、生き返る。またライチョウの母子が歓迎してくれた。

山頂からしばらくで水晶小屋。振り返ると、虹がかかっていた。

なので、今回の放送をとても懐かしく感じた。テレビ放送になるだけあって、本日も晴天なりというロケ。われわれのときの天気と大違いだ。山も緑濃く、花崗岩の白がとても映えていた。

今年行ったばかりなのに、また行きたくなった。

2022年9月20日火曜日

台風14号一過

  

 (事務所裏から、半分青空)

 台風14号が九州を縦断。みなさまご無事だったでしょうか。被災されたかたにはお見舞い申し上げます。

台風接近にともない、伊勢湾台風、室戸台風「級」、いままでに経験したことのない強力な台風と繰り返し警告を受けた。瞬間最大風速70メートルなどと言われ、ビビった。

わが家は東向きに広い窓があり、風速40メートルも吹けば、おそらくもつまい。と思いつつ、窓ガラスに補修テープやガムテープを貼るなどして暴風に備えた。

結果、予想より陸上よりのコースを通ったとかで、勢力は急速に弱まり、福岡における被害は警告されたほどではなかった。

宗像にある実家の母も無事だった。その代わり、伊勢湾台風、室戸台風のときの苦労話を聞かされた。社宅の屋根が飛んだり、断水が1週間も続いて苦労したようだ。こちらは母の苦労も知らず、会社の大きな風呂に入れてはしゃいでいたようだ。

高台に住んでいる人・暴風被害を受けやすい人、低地に住んでいる人・水害を受けやすい人、戸建てに住んでいる人、マンション・集合住宅に住んでいる人、持ち家、借家など、それぞれの立場で台風の受けとめはちがうようだ。わが事務所のメンバーの安否確認でも、その影響が垣間見られた。

今回、小田和正コンサートは前日早々に中止が決まったが、矢沢永吉コンサートは18日夕に実行された。アーチストやファン層にあった分かりやすい結論である。

しかも矢沢コンサートは来られなかったファンには払い戻し、リスクについて自分で責任をとれる人だけ来てくださいという、これまた妥当なやり方。

しかし案の定、矢沢コンサート後は帰宅困難者が続出したようだ。タクシーがつかまらず、風雨のなか博多駅まで1時間歩くという。ロックだね~。

不要不急の外出を控えるよう気象庁が言っていたのだからやるべきでなかったという批判はあるだろう。しかし、マスコミからマイクを向けられた人が「すばらしいコンサートでした。自己責任ですから。」と名言を言っていた。

思い出すのは、浅間山に登ったときだ。活火山であるから、ときどき噴火のリスクがある。あるところまで行くとロープが張ってあり、そこから先は「自己責任で登ってください。」と掲示がしてあった。もちろん登った。

リスクがあるときに他人の人生に干渉してきて、やめろと声高々と言う人が増えた。ネットの匿名性の影響もあるだろう。しかし、自分の人生を自分で決める人たちに対して、外部からやめろと声高々に言うのはどうなのだろう。

2022年9月15日木曜日

入江明日香展


  「入江明日香展 時空の旅」に行った。福岡アジア美術館にて。あまり期待はせずに行ったところ、よかった。

版画。東洋の美と西洋の技術の融合。日本古来の美と現代アニメの融合。四季、書、干支、古来からのモチーフ、パリの街風景などが組み合わさり、楽しい。繊細な描画と色のとりあわせが美しい。

女性の年齢なので言えないが、お若い。芸術家といれば年長の時代を疾うに過ぎ、最近は子どもの世代の方々の活躍が目立つ。

一番気にいった作品は、入ってすぐのところにあったもの(作者には叱られるだろうが)。もとは「L′Alpha et I′Oméga」(仏語)というタイトルの屏風絵。アルファとオメガのうち、オメガのほう。それを動画風に再構成している。

県美の中島潔展のときにも思ったが、年輩の人がいちばんつまづくのはアニメとの融合だろう。すくなくともぼくらの世代まで、アニメは芸術とは呼べず、一段低い文化と受けとめられていたから。しかし「YOUはなにしに日本へ」を見ていて思うが、アニメは世界ブランドになっている。

いきなり入江明日香だとつまづきそうな人は、中島潔から入るとよいかもしれない。これからは古来の日本美術の延長線上にアニメと融合した作品がどんどん出てくるだろう。そういえば辻惟雄さんの『日本美術の歴史』にも、そのようなことが書いてあったと思う。

https://artne.jp/irieasuka/

2022年9月14日水曜日

ひさしぶりの沖縄出張

 




 月曜は那覇地裁で裁判。日曜から前のり。ここのところウエブでの裁判が多かったので、リアル出張はひさしぶり。たまたま沖縄知事選の投開票日だった。

おりあしく台風12号が沖縄地方、とくに宮古、石垣方面に接近中。心配したけれども、無事に行って帰ることがでた。宮古、石垣と沖縄本島はおなじ沖縄といえども、相当の距離があるのだろう。

台風接近中ゆえ、大気は不安定。多量の湿気を含んだ南風が吹き付け、ときおりスコールのような激しい雨。蒸し暑く、5分も歩けば汗がズボンまでぐっしょり。

地元料理ゆうなんぎぃ(海ブドウ、ちゃんぷる、ぐるくん、そーきそばなど)、国際通り、市場、やちむん通り、首里城などは定番。水族館、南部戦跡、斎場御嶽までは仕事がらみでは厳しいか。こんかいは断念。

沖縄の人々もコロナの打撃をつよく受けただろう。国際通りの人出は、若い人を中心に、7割くらいまで戻している感じ。

裁判所のなか、男性はかりゆしウェアで涼しげ。ドレスコードでOKなのだろう。こんどはあれにしよう。

事務所3階でウエブ会議は楽でよいが、やはりリアル出張で刺激を受けると違う。もうすこし条件のよいときにまた行きたいな。

2022年9月9日金曜日

部活先輩の偉業


 きのうにつづき、大学時代の部活つながりの話題。  

大学時代の部活のライングループにいれてもらっている。話題は近況報告や山合宿の話題がほとんど。そんななか先日流れていたのは、新聞記事の紹介。1年先輩の社会貢献に関するものだ。

昼は大学の先生をしながら、夜は自主夜間学級「よみかき教室」の先生を25年間も続けてきたという。そういえば、教育学部に所属されていた。部活時代から後輩にも優しい面倒みのよい人だった。

在日コリアンの生徒を中心にはじまり、いまでは10代から90代まで、国籍も年齢も様々だそう。いまの日本では読み書きができることが普通になっているけれども、そうでない人々も当然いる。その不便さといったらないだろう。役所で、病院で名前が書けない。子どもの学校からの便りも読めない。・・・

自分の面倒をみるのが精いっぱいなわれわれだ。ボランティアで、25年間もよく続けられたものだと思う。いまさらながら見習わなければ、と思う。

※記事の写真はクリックすれば大きくなります。

2022年9月8日木曜日

ジェニファー・ジョーンズからメールが来た!


  ジェニファー・ジョーンズからメールが来た!と言われてピンとくる人はすくなかろう。残念ながら。実際、事務所の秘書さんたちに言ってみたが、みなさんどうリアクションを返していいか戸惑っていたようだ。

RI会長とは、ロータリー・インターナショナルの会長のことだ。ロータリーはアメリカのシカゴで発祥したが、いまや全世界的な組織に成長している。その会長であり、女性会長は史上初である。

そのこと自体すごいことであるが、われわれにとってジェニファー・ジョーンズといえば、映画「慕情」の主演女優である。ジェニファーは東洋ぽさのあるチャーミングな女優さん、「慕情」は朝鮮戦争前の香港を舞台にした悲恋映画。

アメリカ人新聞記者(ウイリアム・ホールデン)と大陸から避難してきた中国人女医(ジェニファー・ジョーンズ)の二人が主役。かたや合理主義者。かたや医者で欧州人の血が半分流れながらも、半分は中国人の血が流れているため、伝統や古くからの言い伝えを信じている。

あるとき、デートで裏山に登ると、ウイリアムの肩に蝶がとまる。かれにとっては単なる自然現象にすぎないが、ジェニファーにとっては「幸せのしるしよ。」。大きく言えば、「文明の衝突」である。

ウイリアムは蝶を逃がしてしまう。時勢は朝鮮戦争へ。ウイリアムはその取材のため戦地へ。そして帰らぬ人となってしまう・・・。

大学生時代、部活で「みんなで歩こう50キロ」という催しがあった。わが大学だけでなく、西南、福大、福工大、福女、筑女など近隣の大学を巻き込んだ大きな行事だった。

たしか6、7人グループで歩いていたと思うが、一人のザックに蝶がとまった。すると、いつもは無粋なことしか言わないk先輩が「幸せのしるしよ。」と言った。それだけで、参加メンバーにはそれが「慕情」由来のセリフだと言うことが分かった。

当時はセンターシネマやテアトル西新など名画座が福岡市内にもあり、名画が繰り返し上映されていた。ヒマな大学生は好んで映画館で時間をすごしたものだった。しかし、ビデオやDVDの普及により、名画座は廃館に追い込まれてしまった。

いまや、われわれが共有していた映画文化は失われてしまった。かくて、せっかくジェニファー・ジョーンズから来たメールも、その価値を共有されぬままとなったのだった。

2022年8月9日火曜日

面長ですね

 

おはようございます。富永です。

暑い日が続きますね。コロナでマスクといえど、熱中症にはくれぐれもお気を付けください。


マスク着用に慣れてしまうと、口元がなんとなく油断しがち。

わたしなんか、どうせ見えないもんね、と、あくびをしてしまうこともしばしば。

でも、あくびして口を開けたところで相手と目が合うと、口元がマスクで見えないとはいえ、気まずいのですよね。

で、そのタイミングで口を閉じると、顔が動きますから、「あくびしてましたね」とバレてしまいます。

仕方ないから、しばらく口を開けたままにする富永でした。


秘技・「もともとこういう顔の形です」作戦。


逆に、相手があくびしてそうだけど、マスクで隠れていて「今、あくびした?してない?」のときに指摘するかどうかで悩んだ経験のある方、おられますか?

「あくびしたでしょ!」と言っても、マスクのせいで、あくびの現場を押さえていないから、シラを切られたらそこまでです。

意外と強い、「もともとこういう顔の形です」作戦。


対処法として、


①マスクの中心を指で突く

②相手の顎を下から小突く


という方法がありますが、いずれもタカ派の手段で、リスクがあります。


「さてはおぬし、『もともとこういう顔の形です』作戦継続中だな。」

と思われる場面に遭遇したら、


「面長ですね。」


と、はんなり指摘するにとどめるのが無難でしょう。


富永

2022年8月8日月曜日

無料法律相談会を開催します(9/27)

 

こんにちは。

無料法律相談会を、以下のとおり、開催します。


日時:9月27日(火)13時30分~16時40分

場所:筑紫野市生涯学習センター 学習室2

生涯学習センターの概要 - 筑紫野市ホームページ (city.chikushino.fukuoka.jp)


事前予約は不要ですが、予約をいただければ確実です。

問合せ先:092-555-7338

①13:30~14:00

②14:10~14:40

③14:50~15:20

④15:30~16:00

⑤16:10~16:40


今回の担当弁護士は、山野和也弁護士です。

弁護士山野和也-筑紫野、太宰府、大野城、春日の弁護士 ちくし法律事務所 (chikushi-lo.jp)


法律事務所にはなかなか行きにくいという方も、この機会にぜひお越しください。


富永

2022年8月1日月曜日

無料相談会を開催しました

 



7月30日(土)に、筑紫野市生涯学習センターにて、無料相談会を開催しました。


14時から17時までの5枠のみでしたが、5組6名の方にご来場いただきました。

暑い中ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。


次回日程は未定ですが、9月頃の予定です。

詳細が決まれば改めてお知らせいたします。


富永




2022年7月28日木曜日

大雪山縦走(5)


 



 ようやく白雲岳避難小屋に着いた。管理人がいる。利用料2000円と登山道整備協力金1000円を支払う。

管理人は女性だ。地元の関係者で、1週間ごとに交代するらしい。うらやましいような、そうでないような。

1週間も常駐して自然を満喫できるのは、うらやましい。しかし小屋には風呂はなく、トイレも臭い。その他不便もはんぱない。

小屋は大盛況だ。昨年は3,4パーティーだったが、ことしはぎっしり満室だ。梅雨がはやくに明けたせいだろうか。

2階の片隅を利用することにした。アクリル板でしきりをしているが、感染防止効果がどの程度あるのだろうか。

小屋前から南をのぞむと、高天原ごしに、忠別岳、化雲岳、トムラウシ山、十勝岳まですっきり見えた。ただ南から湿った空気が入り込み、その後は曇りとなった。

小屋周りは人間が攪乱したせいか、まわりとは違った高山植物が咲いている。小屋前には黄花のシオガマが、小屋裏にはアズマギクが咲いている。

暮れていく壮大な景色を嘆賞していたら、父娘で来ていた娘さんが歓声をあげた。指さすほうを見ると、テントサイトとのむこうの雪渓のうえをキタキツネが横切っていた。口には鳥をくわえているようだ(一番下の写真をクリックして拡大表示してくだされ。)。

これだけの人々がわいわい騒いでいるなか、キツネは何万年も続けてきたであろう営みをきょうも黙々とつづけている。

2022年7月27日水曜日

大雪山縦走(4)

 






 間宮岳からお鉢を反時計まわりに南へ行く。途中で振り返ると、なだらかな間宮岳に雪渓がゼブラ模様についていて美しい。

お鉢のうえは乾燥したザレ場で、大きな植物は生育していない。そうした環境でも、黄花のスミレがしたたかに生きている。ときには群落を形成している。

お鉢を北海岳まで行き、右折し、しばらく南下すると正面が白雲岳である。大小の岩がゴロゴロしている。ナキウサギのかっこうの住処だ。ときおり、キュッと鳴き声がする。

白雲岳の東側を巻くと、まもなく小高い丘のうえに白雲岳避難小屋が見えてくる。背後にはトムラウシ山の絶景が輝いている。大雪の広大さを実感するショットだ。

避難小屋の手前は白雲岳からの雪渓が雪解けした池塘になっている。そこにはエゾのリュウキンカの花畑になっている。

エゾノリュウキンカの実物を見たことがない人も、六花亭の紙袋に描かれたこの花を見たことはあるのではないでしょうか。https://jp.mercari.com/item/m40672603904

そしてそうしたおいしい雪解け水や花畑の植物をめあてにエゾシカたちがやってくる。この2頭は兄弟のようだ。さてなぜでしょう?

2022年7月26日火曜日

大雪山縦走(3)

 



 旭岳は2291メートル、大雪山の主峰、北海道の最高峰である。山頂からは360度一望できる。北東に比布岳が見える。ひとむかしまえ、○○○エレキバンとしてCMをにぎわした、あの○○○である。

きょうの登山者のうち8割くらいの人はここ山頂まで。いわゆるピストンで、姿見へ戻っていく。これに対し、縦走するばあい、ここから東に向かう。東の端は黒岳、その中間に御鉢平が大きな口を開けている。

旭岳の裏側の下りはザレていて、イワウメが群生している。花はウメに似ている。こう見えて草ではなく、木である。生育環境が厳しいため、地にへばりついている。

しばらく行くと、大きな雪渓が残っている。この季節、雪は柔らかいのでアイゼンは必要なく、つぼ足で下れる。それでもやはり恐い。すると、横を女性がスタスタと下っていった。北海道の人だろうか、雪渓歩きに慣れている。

旭岳をくだると、こんどは間宮岳の登りにとりかかる。このあたりになると、ぐんと人が減り、ほとんど人に会わない。しばらく行くとようやく間宮岳だ。眼前に雄大な景観が広がる。

間宮岳は独立峰ではなく、大きなカルデラ(お鉢)の一部である。その中央が御鉢平。むかしの噴火口跡である。NHKのにっぽん百名山では、この御鉢のなかにヒグマがいた。

カルデラ(お鉢)のいちばん向こうが黒岳。層雲峡からロープウェイとリフトを乗り継ぎ、その後しばらく登ると、その山頂だ。事務所旅行でも登ったことがある。

黒岳から左に、桂月岳、凌雲岳、北鎮岳。きょうはそちらではなく、反時計まわりに右・南へ行く。目指すは北海岳。黒岳を0時とすれば、2時の方角である。

2022年7月25日月曜日

大雪山縦走(2)




 ロープウェイを降りると姿見。そこは森林限界をこえ、針葉樹も生育できない。生育できるのは背の低いハイマツやウラジロナナカマド。さらに場所によっては気象条件が厳しく、ハイマツでさえ生育できない。そのような場所こそ、高山植物の楽園である。

日本アルプスだと標高2500メートル以上にならないと、森林限界にならない。しかし北海道のばあい、緯度が高く自然条件が厳しいので、2000メートルを超えると森林限界となる。

エゾのツガザクラ、チングルマ、イソツツジなどのお花畑が広がっている。高山植物をみるだけなら、山に登らなくても、姿見を散策するだけで嘆賞することができる。 

姿見の池から旭岳の登りにとりかかる。左手・北側は地獄谷。亜硫酸ガスがシュウシュウ吹き出している。

登るにつれ、右手・南側にトムラウシ山方面の展望が開ける。左手に忠別岳、中央右よりにトムラウシ山。遠い山、王冠の山である。大雪山の広大さを実感できる風景だ。

あとすこしで山頂だ。山頂付近に金庫の形をした金庫岩がある。ガスっているときによい目印になりそうだが、偽せ金庫岩というのもあって、ややこしい。

金庫岩から地獄谷を俯瞰する。姿見が遠く、ところどころガスがかかっている。よくぞここまで登れたものだ。ふう。

2022年7月22日金曜日

大雪山縦走(1)


  ひさびさの投稿。連休は山へ行っていたので、たまった仕事に追われていた。すみませぬ。

ことしはすでに2つの夏山に登った。ひとつは大雪山の縦走。まずはこちらから。

梅雨明け前の7月上旬に計画した。この時期、本州に梅雨前線がかかっているということは、北海道には前線がかかっていないということ。人も少なく、うまくすれば高山植物が咲き誇っている。

ところが今年は梅雨明けが早く、と思ったら梅雨の戻りとか言われたりして、どのような天気、あるいは山の様子か予想がつけづらかった。

北海道へも3か月前から飛行機を予約すると、片道1万5000円くらいで行けたりする。なので、計画は3か月前からしているので、いまさら変更はきかない。

旭川空港からバスで旭岳温泉に前乗り。旭川空港のバス停で、東京からきた6人グループと一緒になる。訊けば同じコースを予定している。大雪山の縦走路には営業小屋がなく、避難小屋だけ。ここで6人もの登山予定者と会うとなると、相当な混雑が予想される。梅雨明けが早かったせいだろうか。

旭岳温泉は、湯元・湧駒荘をネットで予約していた。湯元というだけあって、泉源が5つもある老舗。旅のつかれを溶かすことができた。料理も老舗ホテルに似合わず斬新。

翌朝、6時30分始発のロープウェイへ向かう。なんともう50人くらいが列をなしている。定員は多いはずだが、コロナのため半数に制限されている。1回目の運行には乗り遅れた。40分の臨時便で姿見へ向かう。

旭岳中腹に姿見駅はある。よく晴れている。トムラウシ山までよく見える。足ごしらえをして登り始める。一歩きで姿見の池。まだ半分くらい雪に覆われている。地獄谷からはモクモクと噴煙があがっている。亜硫酸ガスだ。さていよいよ冒険のはじまりである。

2022年7月19日火曜日

早起きする方法

 

おはようございます。久しぶりにブログ投稿します。富永です。

最近、なんやかんや忙しくしていて、投稿をサボっていたのです。


3連休も、当番弁護士の当番日などがあり、なんやかんや出勤していたのです。

なかなか家事(家事事件ではなくて)をする時間がなくて、やむなく出勤時に日用品を買って事務所に行きました。


ところが、なんやかんや仕事をしていたら、すっかり持って帰るのを忘れて、事務所の机の上に放置して帰ってしまったのです。


ま、まずい。通常は法律事務所に置いていないものが不自然に置きっぱなし。

連休明けに事務所に出勤する他の弁護士や事務局に先に発見されたときの言い訳を考える必要があります。


まず、歯ブラシ。これは「昼に使います。」で、まあいけるでしょう。

次に、トイレクイックル。なかなか難敵ですが、「事務所の備品、買い足しときました。」で乗り切りましょう。事務所に寄付することになりますが・・・。


よし、なんとかなりそう。あ、そういえば、


バスマジックリン。


・・・これは「お、お中元です。」でいけるか。いや、無理。


言い訳の想定に行き詰まったので、早起きして朝1番に回収したのでした。


富永

2022年7月13日水曜日

妻が口をきいてくれません


  前回の事務所会議の際、ワークショップを行った。「事実をどう見るか。」というテーマで迫田班が報告を行い、それについてチームにわかれてディスカッションを行った。

本年度新機軸の一つ。事務所会議を活性化し、事務所内の風通しをよくしたいが、どうしてもマンネリ化しがち。そこでやってみることにしたのが、この方法。

タネ本は野原広子さんによる『妻が口をきいてくれません』(集英社刊)。手塚治虫文化賞・短編賞を受賞している。

まずは夫の側から。ある日、妻が口をきいてくれなくなり、あれこれ模索するも打開せず。場面切り替わり、妻の側から。口をきかなくなるまでの長い導線の紹介。

裁判をやっていると、一つの事実が二つにも三つにも化ける。事実を偽っていることもあるけれども、同じ事実が観方によって違うということも多い。夫婦でも、実はまったく違う世界を生きているということはある。

チーム分けでは、年配者グループに入れられた。若い人たちとわれわれではそれぞれ「常識」が違うので、議論がかみあうよう配慮したとのこと。

その結果、女性4人に男性1人という多勢に無勢じょうたい。なにを言っても、あーそうですよね、だからですよと言われているような気がする。

夫婦間での話題のあと、事務所内での弁護士と事務局のコミュニケーションの話題に進展するかと思いきや、突然の終了。迫田弁護士いわく、そこは「余韻と省略」(MY弁護士の言葉)なのだそう。なるほど。

2022年7月12日火曜日

パニックの話


 きのうのつづき。『E.M.フォスター短篇集』の2つ目の作品「パニックの話」。これも異なる価値観をもつ者同士が接触することで引き起こされる出来事について描いたもの。舞台はアマルフィ海岸にある美しい町と山中。当時のイタリア、アマルフィはとてもエキゾチック。

 むかし(2009年)織田裕二主演で『アマルフィ 女神の報酬』という映画があった。イタリアを長靴にたとえれば、アマルフィはくるぶしの前あたりにある。カプリ島にある青の洞窟とともに当時の観光名所だった。

子どもとイタリア旅行に行った際、アマルフィや青の洞窟へ行かないことについて意見が分かれた。ローマからアマルフィやカプリ島を訪れるとなると1週間ぐらいの日程のうち2日間もとられてしまう。日本で言えば、京都観光をしないで天の橋立観光をするようなものだ。そう言ったが、なかなか聞いてもらえなかった。これもまた異なる価値観をもつ者同士が接触することで引き起こされる出来事だった。

日本では古来神道に舶来の仏教をうまくブレンドしてきた(導入期と明治の廃仏毀釈期を除く。)。欧米のことはよく分からないけれども、古い信仰のうえに、キリスト教が上から制圧したため、ときどき古い神々が怒って噴出している印象がある。

この作品で怒って噴出する神はパーン。ギリシア神話に登場する神で、牧神である。ドビュッシーに「牧神の午後への前奏曲」という作品があるけれども、あれである。

ドビュッシーのおだやかな曲想とは異なり、本作のパーンは恐怖のイメージである。日本でいえば、人間に悪さをする地霊神などの感じ。

パニックという言葉の語源はパーンにあるらしい。古代ギリシア人は、家畜の群れが突然騒ぎだし集団で逃げ出すのは、牧神パーンの影響によると考えた。知らなかった。

本作は欧米の現代的価値観のなかでダメだしをくらっていたユースタス少年が、突如パーンに捕らわれ、・・・する話。不思議な読後感。

2022年7月11日月曜日

E.M.フォスター短篇集


  とある事情で手元に本がなかったので、空港の本屋を冷やかした。いちおう紀伊国屋書店。例によってカレントなラインナップだったが、一冊だけ例外を主張していた。『E.M.フォスター短篇集』(井上義夫編訳・ちくま文庫)である。

ウィキによると、フォスターは1879~1970年のイギリスの小説家。主な作品は『ハワーズ・エンド』、『インドへの道』、短編『The Road From Colonus』など。異なる価値観をもつ者同士が接触することで引き起こされる出来事について描いた作品が多い。本の帯にもだいたいそのようなことが書いてあった。

『インドへの道』(1984年)はデビット・リーンの監督映画で観たことがある。なにをかくそう彼の大ファンである。好きな映画ランキングをおこなえば、『ドクトル・ジバゴ』、『アラビアのロレンス』が上位を独占すること間違いない。

そういわれてみれば、デビット・リーンのこれら作品も「異なる価値観をもつ者同士が接触することで引き起こされる出来事について描いた作品」だ。彼が『インドへの道』を映画化したのは肯ける。しかし当時はあまり感心しなかった。40年の時を経て、いまなら違う鑑賞ができるかもしれない。

いま短篇集の冒頭2作品を読み終えたところ。『コロヌスからの道』、『パニックの話』。やはりどちらも「異なる価値観をもつ者同士が接触することで引き起こされる出来事について描いた作品」。

『コロヌスからの道』はイギリス人父娘がギリシア旅行へ行った際の出来事と後日譚を描いたもの。コロヌスと聞いてピンと来る人はすごい。ソフォクレス作『コロヌスのオィディプス』でいう、あのコロヌスだ。

『おくのほそ道』を読んでいると、『平家物語』、『源氏物語』や王朝和歌の知識が当然の前提となっている。欧米文学の場合、ギリシア・ローマの古典がそれにあたる。『コロヌスからの道』も、『コロヌスのオィディプス』が当然の下敷きになっている。

主人公のルーカス氏はオィディプスであるし、娘のエセルはアンティゴネである。運命に翻弄されたオィディプスは予言に従って復習の神エウメニデスの聖林に導かれ、そこを自らの墓所として望んだ。そしてこれを阻もうとする息子たちの画策にもかかわらず、オィディプスはコロヌスの地中深く飲み込まれていく(以上、ほぼウィキより)。

フォスターは、読者がそのような予想をすることを当然の前提としつつ、これを上手に裏切り、読者をアッと言わせる仕掛けになっている。うまいなぁ。

ジョイスの神話的手法とおなじだ。小さな偶然・日常的事件を大きな神話的世界に再編成していく。

いまネットフリックスで「Manifesto」を観ている。ネットフリックスのオリジナル作品はなべてそうだが、未知との遭遇・そのコンフリクトを描き、謎を追求・種明かしをしていくプロットが多い。その先駆者はフォスターといってもいいかもしれない。