2022年12月8日木曜日

大宰府政庁跡・四王寺山お鉢めぐり(2)

 




 小石垣城門跡から鮎帰の滝へ向かう。モミジ、カエデやホオ、カツラなどの樹林を抜け、橋をわたると左手に見慣れぬ大きな樹が黄葉している。メタセコイアだ。関西人の頭のなかでは、「めちゃ、セコイや。(とても、みみっちいや)」と変換されてしまう。

メタセコイアは化石として発見され、その後、中国で生きていることが発見された。戦後、日本各地に植樹され、ここのも植樹によるものだ。

ヒノキの仲間なのに落葉樹。日本の落葉針葉樹はカラマツ(落葉松)だけだが、これもその仲間である。黄葉して落葉する。葉を日に透かし見ると、美しい。

林ではまたジョウビタキのメスに出会った。頭の模様が尉(銀髪)なヒタキなのでジョウビタキ。ヒタキは鳴き声が火焚の音に似ているから。冬に北方からやってくる渡り鳥。目の周りが黒くないのでメスだ。後ろ姿なのがつれない。

お鉢には三十三の石仏が点在している。その日によって撮影させていただく石仏は変わる。この日は三十番の千手観音さまにモデルをお願いした。ただの石だけれども、祈りの心があれば仏になる。木漏れ日による輝きが仏さまの意図するところのように感じられる。

帰りはお鉢の南東にある増長天跡の手前から岩屋城跡、高橋紹運墓を経由して大宰府市民の森に下山する。市民の森からは、武藤資頼、資能の墓を経て観世音寺の北西に出る。

観世音寺から太宰府市役所方面を目指すと、畑が広がっている。左手に観世音寺の宝蔵とメタセコイアがみえる。あぜ道が四王寺山へ向かい、おばあちゃんが歩いていた。のどかでほっとする風景だ。

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