2011年1月31日月曜日

 Because it is there.


    
 「遙かなる未踏峰」(Paths of Glory)
 ジェフリー・アーチャーの最新作

 アーチャーとしては異例の山岳小説
 登山家ジョージ・リー・マロリーの生涯を描いたものです。

 マロリーは1886年6月18日~1924年6月8日?
 イギリスの登山家。

 「なぜ、あなたはエベレストを目指すのか」
 「そこに山があるから(Because it is there.)」
 まことに明快。

 「なぜ、あなたは弁護をやるのか」
 「そこに事件があるから(Because it is there.)」
 一度いってみたい。

 1920年代、イギリスは国の威信をかけ
 エベレスト(チョモランマ)初登頂をめざし、登山隊を派遣。

 「アムンゼンとスコット」(本多勝一)が
 南極点初到達を競ってイギリス人スコットが敗れたのが1912年。

 「八甲田山死の彷徨」(新田次郎)は
 日露戦争直前の1902年。

 「そんな装備で大丈夫か?」
 そう訊かれたのか、アムンゼンはこんな言葉を残しています。

 「完全な準備のあるところに常に勝利がある。
 ひとはこれを幸運という。
 不充分な準備しかないところに必ず失敗がある。
 これが不運と呼ばれるものである」

 冒険か無謀か?
 人類の挑戦あるところ、必ず道は分かれていたようです。

 マロリーは3度エベレストに挑戦し
 3度目の遠征中、頂上付近で行方不明に(1924年)。

 マロリーが世界初の登頂を果たしたか否かは謎
 いまだに論議を呼び、アーチャーもこの謎解きに参加しています。

 マロリーの最期は死後75年にわたって謎につつまれていたところ
 さいきんになって遺体が発見されています(1999年)。

 真相に至る道(Paths of the truth)はさまざまでしょうが
 アーチャーが決め手としたのは、マロリーの遺品。

 というか、そこにあった妻への愛
 「そこに愛があるから(Because it is there.)」。

 さて、みなさまはどう推理します?
 

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