2011年1月26日水曜日

 反省の仕方



 田辺三菱子会社製の注射薬につき、品質試験の一部懈怠
 朝日新聞が一面トップで報じていました。

 田辺三菱は薬害肝炎の被告企業
 「受け入れざるをえない重大な状況と認識」しているとか。

 新聞報道だけで事実を断定することはできませんが
 田辺三菱がこのようなことをやりかねないことは
 薬害肝炎の被害者にとっては心配されたことでした。

 田辺三菱は、薬害肝炎のまえには薬害エイズの原因企業であり
 薬害肝炎のあとにはやはり子会社が治験データをねつ造して
 つい昨年4月、25日間の業務停止処分を受けています。

 薬害肝炎原告団・弁護団は
 被害実態と加害原因の調査・検証をおこない
 そのうえに立って再発防止策を講ずるよう要求しています
 が、田辺三菱はまったく応じようとしません。

 刑事の自白事件で重要なのは情状弁護です。

 情状弁護で重要なのは
 被告人の反省が真実であることと
 再犯防止策が実効性があることです。

 裁判官の前で、被告人たちは100人が100人とも
 反省している、もう2度としませんと言います。

 しかしこれでは足りません。

 何が原因で犯罪をやってしまったのか?
 その反省にたって日ごろの行動のうち何を変えたのか
 変えようとしているのか?が重要です。

 酒気帯び運転のばあい、酒をやめると口先でいうだけでなく
 自助グループに入るなど具体的な行動の変化が求められます。

 これが真の反省と実効性ある再発防止策であると評価されれば
 実刑が回避され、執行猶予付きの判決が選択されるわけです。  

 こういう観点からすれば
 田辺三菱の態度は、反省をしているとは到底評価できません。

 1万人以上もの被害者を出した薬害肝炎事件についてさえ
 加害原因の検証をしようとしないのですから
 今回報道されたようなことをおこしかねないことが心配されたわけです。

 われわれの生命・健康に直結する医薬品を供給する
 製薬企業が不十分な反省のまま事業をつづけるのはとても心配です。

 いまからでも遅くないので
 田辺三菱は、薬害肝炎についてきちんと調査・検証をするべきでしょう。

 (3周年の記事の翌日にこのような記事を書かなければならないのは
 まったくもって不本意…)
 

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