2012年7月31日火曜日

オオシラビソby.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 オオシラビソ(大白檜曽)
 マツ,モミの仲間の常緑針葉樹。

 日本の特産種,別名アオモリトドマツ。
 九州では見ることができません。
 
 火打山も十二曲りを登ると
 ブナやミズナラの落葉樹がなくなり

 稜線沿いに
 オオシラビソがあらわれます。

 一般に白山より東の中部山岳地帯では
 1,500mを超えた亜高山帯で生育しています。

 そこらへんになると
 落葉広葉樹では雪と寒さに耐えられないのでしょう。

 葉をみたときに
 枝がみえるのがシラビソ,そうでないのがオオシラビソ。

 写真をみると
 枝がみえないので,オオシラビソです。

 モミやツガなどともよく似ているので
 最初はなかなか区別が難しい。

 日本海側の山々ではオオシラビソのほうが元気。
 多雪につよいのでしょう。

 独特の芳香があり
 これに出会うことが山歩きの楽しみのひとつです。

 松ぼっくりのような実を樹の先端付近につけ
 高い樹になると撮影がむずかしい。

 さらに登っていき森林限界付近になると
 オオシラビソも背をまるめ低木のよう。

 さらに行くと
 高山帯となりオオシラビソは見られなくなります。

 ちょっと寂しいけれど,それは一時的。
 帰りにくだっていくと,また出むかえてくれます。

                ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月30日月曜日

キヌガサソウby.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 キヌガサソウ(衣笠草)
 ユリの仲間の多年草。

 火打山へ向かう
 高谷池の手前に群生していました。

 だいたい雪解けあとの湿地でよくみかけ
 日本固有種だそう。

 大きな葉を笠状に広げており
 それを衣笠にたとえたもの。

 その衣笠の真ん中に
 真っ白い大きな花を凛と咲かせて印象的。

 あちこちで
 歓声があがります。

 学名は,Paris japonica
 日本のパリ?

 じゃなくて,Paris=ツクバネソウ属で
 日本(固有)のつくばね草という意味。

 Paris(パリス)は、
パリスの審判のパリスらしい。

 ある結婚式に,すべての神が招かれたはずが
 不和の女神エリスだけが招かれませんでした。

 ※安全地帯の歌に『碧いひとみのエリス』というのがあったけど
 なんか関係あるのでしょうか?

 エリスは怒って「最も美しい女神にあたえる」と
 黄金の林檎を宴席に投げ入れました。

 さすが!

 この林檎をめぐってヘーラー・アプロディーテー・アテーナー
 の3美神が「わたしが最も美しいわよ!」とこれを争いました。

 困ったゼウスは,この紛争を解決するため
 羊飼いをしていたパリスに誰が最も美しいかを判定させました。

 女神たちは,それぞれの専門分野の贈り物をして
 パリスを買収しにかかりましたた。

 アテーナーは,戦いにおける勝利
 ヘーラーは,アジア君主の座。

 アプロディーテーは,最も美しい女。
 あなたならどれを選びます?

 パリスは,最も美しい女を選びました。
 でも,なんとそれは人妻(スパルタ王の妻ヘレネー)!

 しかも、パリスがトロイア王の息子だったことから
 トロイア戦争の原因となったのでした。

 ほんとうでしょうか?
 ほんとうだとしたら,トロイアにとっては迷惑な話。
 
 シュリーマンが発掘した結果
 トロイア戦争が実話に基づくことは証明されていますが…。

                    ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月26日木曜日

ハクサンコザクラby.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 ハクサンコザクラ(白山小桜)
 サクラソウの仲間の高山植物。

 東京駅から長野新幹線「あさま」で
 長野へ。

 長野から信越本線に乗り換え
 妙高高原駅まで。

 麓の温泉につかって
 翌朝,登山口のある笹ヶ峰へ。

 黒沢出合から十二曲りを登って
 稜線をいくと高谷池に出ます。

 そこからしばらくいくと天狗の庭
 雷鳥広場,雷鳥平をへて火打山(2462m)。

 この季節まだまだ
 残雪がたくさん。

 この豊富な残雪が
 高谷池や天狗の庭に湿原をつくっています。

 湿原のまわりはもう
 ためいきが出るようなお花畑が延々とつづきます。

 いろいろな花が群生していますが
 なかでもハクサンコザクラが可愛い。

 火打山だけどハクサン(白山)なのは
 最初に白山で知られたから。

 九重山に咲いていても
 ミヤマ・キリシマ(霧島)と呼ぶがごとし。

 高山植物の命名者さんは,はじめに白山に登ったようで
 ハクサンが付く名前の高山植物はたくさんあります。

 ハクサンフウロ、ハクサンチドリ
 ハクサンシャクナゲ、ハクサンイチゲなど。

 地元の人たちもハクサンコザクラには愛着があるらしく
 咲いていたか?と何度か尋ねられました。

 花言葉は,セレナーデ,物思い。
 ♪甘い口づけ,遠い思い出~。

2012年7月25日水曜日

『王狼たちの戦旗』by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 花の名前を知ると,道を歩いていても
 知り合いが増えたような気がする。

 やあ,ムラサキゴテンちゃん
 今年もかわいく咲いたね。

 やあ,ヘクソカズラさん
 めげないでガンバレよ…みたいな。

 きのうのは
 そういう話でした。

 きょうの話はそれと
 似ているような,ちがうような。

 ジョージ・R・R・マーティンの『王狼たちの戦旗』
 〔改訂版〕〔上・下〕(ハヤカワ文庫)。

 下巻だけで762頁あります。
 上下巻で,1500頁以上ですね。

 例の『氷と炎の歌』シリーズ
 『七王国の玉座』のつづきで,第2弾。

 7王国をめぐる,
 手に汗握る攻防記。
 
 扉に紹介されている「主要登場人物」だけでも
 176人!(数えまちがったかも?)

 登場人物だけでなく,7つの国,多くの城,多くの地名
 多くの武具名,多くの防具名等々…。

 無数の名前が出てきます。
 人物が登場するたびに扉を開き,誰だったっけ?

 でも「神は細部に宿りたもう」
 それら細部から,たしかな実在性が構築されていきます。

 過剰とも思える名前の氾濫に酔いそう。
 とくに,われわれの年代にはきつい。

 事情を複雑にしているのは
 この本の翻訳事情。
 
 〔改訂版〕とあるように
 もともとの訳があります。

 それが2訳あり
 訳語を統一する必要から現在,改訂作業中。

 そのため,全シリーズをいちどには通読できず
 改訂版がでるごとに読みすすみちう。

 『七王国の玉座』を読了してから
 『王狼たちの戦旗』がでるまで2~3か月のインターバル。

 この間,せっかく覚えた登場人物たちの名前が
 記憶のなかからどっかへ行ってしまい行方不明に。

 彼ら/彼女らを捜して追っかけていき
 ふたたび知りあいになるのもたいへん。

 ということで
 知りあいも多すぎると,うれしいけどたいへん。

 というのが
 きょうの話でした。

               ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月24日火曜日

ムラサキゴテンby.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 ムラサキゴテン(紫御殿)
 ツユクサの仲間

 メキシコ原産の園芸植物
 別名パープルハート、セトクレアセア。

 …なんて書くと,すなおなかたは
 よ~知っとうねぇと関心してくれます(恐縮です)。

 でも実はよく知らないんです。
 法律のことはともかく生物のことは門外漢。

 でもこのブログを書き続けるために
 調べながら書いています。

 まったく知らなかったり,すこしは知っていたり
 うろ覚えだったり。

 なので,あまりこのブログでえた知識を
 他人にひけらかさないほうが安全です。

 間違いがあるかもしれませんから。
 そんな無責任な!?

 はい。そのとおり。
 批判は厳粛にうけとめたいと思います。

 正確な知識をお求めのかたは
 他人に話すまえに事典で確認してください。

 じゃ,そんなのやめて法律のことだけ書けばいいけれど
 これはこれで勉強になります。

 ふだん道を歩いていて
 この花なんだったっけ?と思うこと多々ありますよね。

 ぼくはこのブログを利用させてもらって
 そのつづきを探索しているつもりです。

 ブログをやっていなければ
 その場の疑問はその場かぎり。

 でもブログをやっていると
 疑問のまま書くわけにはいかず調べなければなりません。

 それで,忘れていた花の名前を思い出したり
 知らなかった花の名前をあらたに覚えたり。

 おかげさまで,最近なんか
 世界がより親密になったような気がします。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月23日月曜日

ヘクソカズラby.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 事務所の裏のフェンスにまきつき
 花をつけたヘクソカズラ(屁糞葛)。

 名前の由来は
 葉や茎が臭いので。

 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)という名前もどうか
 と思うけれど、これはひどい命名。

 ヘクソカズラの依頼があれば
 命名者や植物図鑑を相手どって名誉毀損で訴えるところ。

 そういえば,むかしアマミノクロウサギ訴訟というのは
 ありました。

 アマミノクロウサギが島の環境権を侵害されたとして
 訴えたもの。

 このときは,アマミノクロウサギこと島の住民Aさんということで
 訴訟は有効になったはず。

 ヘクソカズラのばあい,その命名によって
 権利を害される人間がいるわけではないので,裁判は起こせません。

 心優しい人はいることはいて
 ヤイトバナ(灸花),サオトメソウ(早乙女草)の別名もあります。

 前者は花の形から
 後者は花の咲く時期から。

 花言葉は,人嫌い,誤解を解きたい
 気持ちはよくわかります。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月20日金曜日

ハス by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 信州・善光寺に咲いていた
 ハス(蓮)の花。

 左手前に,花が落ちたものが
 2つ見えています。

 花を支える部分で
 花托とか花床と呼ばれています。

 表面にたくさん穴があいていますね。
 なにかに似ていませんか?

 そう,蜂の巣にそっくりですね。なので
 ハスはもとは,ハチ・スから来ているそうです。
 
 ハスの根はレンコン(蓮根)として
 食べられるのはご承知のとおり。

 レンコンの穴は
 この花托の穴とつながっているのでしょうか?

 ハスの花=蓮華(れんげ)で
 仏教でよく聞きますね。

 法華経の南無・妙法蓮華経とか
 奈良の大仏さんが座る蓮華座だとか。

 ハスは,泥の中から生じながら
 清浄な美しい花を咲かせます。

 それが仏の智慧や慈悲の象徴とされたわけです。
 夏の季語で,花言葉は雄弁。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳  

2012年7月13日金曜日

訃報



 わが事務所の弁護士
 落合真吾くんが昨日永眠しました。

 1981年生まれの31歳
 7月7日に結婚,5日目のことでした。

 ご通夜とご葬儀のご連絡を差し上げます。
 喪主は,妻・落合宏子さんです。

 通夜は13日(金)19:00~
 葬儀は14日(土)12:00~13:00

 場所:シティホール飯倉
    福岡市早良区飯倉2丁目1-4
    TEL092-847-4949
    FAX092-847-4944です。

2012年7月6日金曜日

ボタンクサギ by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 ボタンクサギ(牡丹臭木)
 きのうのムラサキシキブとおなじクマツヅラの仲間。

 もちろんクサギ(臭木)の仲間なので
 葉は臭いわけですが,花はいい匂いです。

 事務所の裏山の縁に咲いていました。
 アジサイかと思ってちかづくと,ちがっていました。

 また場所がらから自生かと思いきや
 中国南部~インド北部が原産地。なので別名,ヒマラヤクサギ。

 また花の色から別名
 ベニバナクサギ(紅花臭木)。

 クサギと呼ぶのは
 ちょっと可愛そうなぐらい可愛い。

 花言葉は,清楚、はじらい、運命、治療
 なんか小説になりそうなとりあわせ。

         ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月5日木曜日

ムラサキシキブ(コムラサキ) by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 ムラサキシキブ(紫式部)
 クマツヅラの仲間で落葉低木。

 日本各地の林などに自生
 秋には紫色の美しい実を付けます。

 一昨年だったか
 奈良の薬師寺でたくさん実を付けていました。

 名前はもちろんあの平安時代の女性作家に由来するけれども
 もとはムラサキシキミだったらしい。

 シキミとは,重き実
 =実がたくさんなるという意味なので。

 葉の先端だけ鋸歯があり,花序が腋より上から生えているので
 写真はコムラサキのよう。

 コムラサキのほうが、小さく実の数が多くて美しいので
 ムラサキシキブと称されることが,じつはおおいんですね。

 レッドブックに搭載され,絶滅が心配されています。
 花言葉は,愛され上手,上品,聡明。

 紫式部が上品,聡明だったことは間違いないでしょうが
 愛され上手だったかはどうでしょう?

              ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月4日水曜日

ネジバナ by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 ネジバナ(捩花)
 これでもランの仲間の多年草。

 ま,花がねじれてますから
 みたまんまの命名ですね。

 学名Spiranthes(スピランセス)も
 ギリシャ語のspeira=螺旋+anthos=花。

 右巻きも左巻きもあり
 人間のつむじのよう。

 なかには,ねじれない個体や
 途中でねじれ方が変わるものもあるとか。

 いまの時期,団地のプロムナード沿いに
 いっぱい咲いています。

 別名,モジズリ(綟摺)。
 こちらの名は,百人一首の源融の和歌にちなみます。

   みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに
        乱れそめにし われならなくに

                   河原左大臣

 しのぶもぢづり(忍捩摺)は,乱れ模様の摺り衣のこと
 花のねじれて連なるさまがこの模様に似ていることから。

 花言葉は,思慕
 花が茎にらせん状に密着しているさまからきたものでしょうか。

           ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月3日火曜日

キカラスウリ by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 キカラスウリ?
 木から数理?

 いえいえ黄・烏瓜
 ウリの仲間で、つる性の多年草。

 通勤途上の町工場の縁に
 いまの時期咲いています。

 日没後に開花し,翌朝日の出前には萎みます。
 早起きしないと,出会えません。

 まったく不思議な花です。
 花の先が糸状にくねくねしています。

 なぜか?
 夜行性の蛾(スズメガ)をひきよせるためらしい。

 なぜか?
 受粉をガに媒介してもらうためです。

 なぜ,スズメガか?
 花の筒が非常に長いため,長い口吻が必要らしい。

 なんという自然の不思議。
 スズメガをひきよせ受粉するために,妖しい花を咲かせるとは…。

 ところで,『都市と都市』(ハヤカワ文庫)が
 非常におもしろかったので
 
 おなじチャイナ・ミエヴィルの小説『ペルディート・
 ストリート・ステーション(上・下)』(同)を読みました。

 すると…なんと!う~ん。ネタバレになるので書けませんが
 読めばわかります。

 なお,名にし負わず,カラスの好物というわけでもないらしい。
 不思議…。

                ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年7月2日月曜日

ネムノキ by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 休明けの月曜はなんだか眠い
 ということでネムノキ(合歓木)。

 ネムノキは,眠むの木
 夜になると葉が閉じることから。

 夜に葉が閉じることから
 夫婦の夜の営みを連想させたよう。

 漢字名の「合歓木」は、中国において
 夫婦円満の象徴とされていたことから。

 梅雨の季節,きれいな花を咲かせています。
 (淡紅色の長く美しい部分はおしべ。)

 その美しい姿や葉の性質からでしょう
 花言葉は,歓喜,胸のときめき。

 一見,南国の花のようですが,古くから日本にも自生。
 その証拠に『万葉集』から。

  昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木の花
   君のみ見めや 戯奴さへに見よ

             紀 女郎

 戯奴(わけ)というのは
 目下の人を呼びかける言葉。

 年上の人妻・紀女郎が若き大伴家持に贈った歌
 元祖金妻ものでしょう。

 大伴家持が万葉集の編纂にかかわったとすれば
 懐かしくおもって採ったのか,自慢しながら採ったのか?

 すこしくだって
 『おくの細道』から。

  象潟や 雨に西施が ねぶの花

                   芭蕉

 象潟(きさかた)は秋田県の地名
 鳥海山の山体崩壊によってできた景勝地。

 西施(せいし)は古代中国の美女の一人
 芭蕉の時代にも,秋田の女性は美人が多かったのでしょうか?

  ※すみません。誤字のご指摘をいただきました(訂正済み)。
  ご指摘ありがとうございます。

  これも鳥海山に未登が原因と考え
  ぜひ近いところで登りたいと決意をあらたにしました(笑)。

         ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳