2011年5月12日木曜日

  『謎解きはディナーのあとで』



 (ヒカゲツツジ@尾鈴山。光を求める植物でありながら
 なぜか、名前のとおり日陰を好む。そして黄色の花を咲かせる。)

 『謎解きはディナーのあとで』(東川篤哉・著 小学館)読みました。
 今年の本屋大賞です。

 個人的には2位の『ふがいない僕は空を見た』(窪美澄・著 新潮社)
 のほうが好ましく思いますが、全国の書店員さんが撰んだ結果ですから。

 本屋大賞の過去の受賞作は下記のとおりで
 その結果に照らし、おおむね信をおいています。

 2004年『博士の愛した数式』(小川洋子・著 新潮社)

 2005年『夜のピクニック』(恩田陸・著 新潮社)
  
 2006年『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
 (リリー・フランキー著 扶桑社)

 2007年『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子・著 講談社)

 2008年『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎・著 新潮社)

 2009年『告白』(湊かなえ・著 双葉社)

 2010年『天地明察』(冲方丁・著 角川書店)

 もちろん、「ノルウェイの森」に出てくる永沢さんのように、死後30年
 を経ていない作家の本は手にとらないという読書法もあるでしょう。

 しかし、ここに並んだ作品たちを読まないという人生は
 いかがなものかと思います。

 ことに私は「夜ピク」の大ファンなので
 その点だけでも、永沢さんにしたがうわけにはいきません。

 さて『謎解きはディナーのあとで』ですが
 レギュラーは3人。

 ①国立署の若きエリート・風祭警部
  風祭モータース創業家の御曹司でもある。

 ②若き美人刑事・宝生麗子
  実は、大財閥として名を馳せる宝生グループ総帥の娘。
 
 ③その執事兼運転手・影山

 このうち謎を解くのは誰でしょう?
 正解は、意外にも③の影山。

 彼は執事にもとめられる実直な性格ではなく
 不愉快きわまりない男(ただし、他の2人も同類)。

 しかしながら、犯罪捜査向きの頭脳を持ち、警察が持てあます難事件を
 話を聞いただけでアッサリ解決してしまう。

 こういう事態を「朝飯前」というけれども
 なぜか、謎解きは「ディナーのあとで」。

 そして決めゼリフは
 「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」

 「殺人事件に執事が登場するのは
 英国の探偵小説のひとつのステレオタイプである。」

 と。「グレート・ギャツビー」(中央公論新社)の訳注に
 村上春樹さんが書いています。

 けれども、貴族の国・英国はともかく、われわれ日本の
 庶民にとっては、執事など見たこともない存在でした。

 しかし『メイちゃんの執事』などの影響もあり
 若い人にも違和感がなくなりましたね。  

 彼らが遭遇し、解決していく難事件は
 つぎの6つ。

 1 殺人現場では靴をお脱ぎください
 2 殺しのワインはいかがでしょう
 3 綺麗な薔薇には殺意がございます
 4 花嫁は密室の中でございます
 5 二股にはお気をつけください
 6 死者からの伝言をどうぞ

 中盤以降になると
 あーまたまた風祭と宝生が前座でドタバタやるな~

 そろそろ、影山が出てきて、宝生に嫌みをいいつつ
 解決するぞーと、こちらも待ち受ける感じ。

 それはもう水戸黄門とおなじ
 おさまるところにおさまるという快感。

 日本人はこの一件落着という感じが
 ほんとうに好きなんですねぇ。
 

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