2011年6月20日月曜日
越後(魚沼)駒ヶ岳
あの時はー雪崩の危険期が過ぎて、新緑の登山季節に入った頃だった。
あけびの新芽も間もなく食膳に見られなくなる。
無為徒食の島村は自然と自身に対する真面目さも失いがちなので、
それを呼び戻すには山がいいと、よく一人で山歩きをするが、
その夜も国境の山々から7日ぶりで温泉場へ下りて来ると…
川端康成の小説「雪国」の一節ですが、一人の山歩きが
自身に対する真面目さを呼び戻す作用があるといっています。
仲間との山歩きもたしかに楽しい
でも一人の山歩きにもやはり捨てがたい魅力があります。
「雪国」の舞台は越後湯沢なので
この「国境」は上野国(群馬県)と越後国(新潟県)の上越国境です。
国境の山々とは三国山脈のことで、日本百名山だけでも
谷川岳を中心に、巻機山、平ケ岳といった山々でしょう。
巻機山には去年登ったので、ことしはもう一歩北へ足を伸ばして
越後(魚沼)駒ヶ岳(2,003m)に登りました。
新潟県の豪雪地帯に位置し
中ノ岳、八海山とともに、越後(魚沼)三山と呼ばれています。
上越線で北へ向かうと、右手に八海山が屏風のようにそびえ立ち
その背後に、越後駒ヶ岳と中の岳が見え隠れします。
わが事務所の酒飲みが「八海山って、山の名前だったんですか?」
などと、とぼけたことを言ってました(当たり前でしょう!)。
あまり無理はしたくなかったので、枝折峠~小倉山~越後駒ヶ岳
のコースを行きたかったのですが、峠までいまも冬期閉鎖中…。なので
駒ノ湯~小倉山~越後駒ヶ岳のコースを往復(日帰り)することに。
コースタイム12時間、標高差1600mという厳しさ!
夜明け前に駒の湯の登山口を出発
山際やうやう白くなりゆくなか、小倉尾根をやうやう登っていきます。
ブナ、ミズナラなどの高木のなかを登ると、ムラサキヤシオ、タムシバ
サラサドウダン、ホオ、タニウツギなどの花々が迎えてくれました。
小倉山を過ぎると、大きな残雪、雪渓がつぎつぎとあらわれ
シラネアオイ、カタクリ、アズマシャクナゲ、ショウジョウバカマ
イワウチワ、イワカガミ、ナエバキスミレなどの花々が
足もとを彩っていました。
最後の岩場を登って駒の小屋に着いたころまでは晴れていたのですが
小屋辺りからガスってきました。
管理人さんに聴くと
やはり今年は例年になく雪がおおいとか。
ガスのなか、雪渓をのぼり
山頂まで往復しました。
アイゼンまでは必要なく
ストックだけで足りました。
小屋に戻ってひと思案したものの 、天候が怪しいのと
時間がまだ9時だったので下山することに。
途中、ぽつぽつ降りはじめ
小倉山ふきんからは本格的な降りに。
梅雨前線の北側なら大丈夫だと思っていたのに
やはりこの辺りの天候は変わりやすい。
激雨のなか、なんとか気力を奮い起こして
下山しました。
下山後は、駒ノ湯山荘の秘湯で
ひと風呂。あ~極楽、極楽。
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