2011年6月22日水曜日

 タチアオイ



 きのうのシラネアオイの名前の由来となった
 タチアオイ(立葵)。

 シラネアオイの記事を書きながら、どこかに咲いていないかな?
 と思っていたら、なんと、ちくし事務所のお隣の庭に咲いていました。

 言霊でしょうか?シンクロニシティ(共時性)でしょうか?
 幸せの青い鳥ならぬ、赤い花は意外と身近なところに。

 葵といえば、ふつうこの立葵のこと
 アオイ科の多年草。

 名前は、葉が太陽の方に向かうところから
 仰日=あうひ→アオイ。

 ヒマワリ(向日葵)が花が太陽の方に向かうことから
 命名されているのと同じですね。

 イラク北部のシャニダールの洞窟のなかで、5万年前の
 ネアンデルタール人の埋葬骨といっしょに花粉が見つかりました。

 5万年前の人類の兄弟がはやくも花で亡くなった人を悼み
 宗教心を持っていた逸話として知られています。

 その花粉のなかに、タチアオイの仲間が含まれていました。
 人類と、おつきあいがもっとも古い花の一つなのでしょう。

 学名は、Althaea rosea
 バラのような(rosea)アルテア属(Althaea)

 Althaea(アルテア)は、ギリシャ語のalthaino(治療)が語源。
 薬効があります。

 日本にも、古くから薬用として渡来
 平安時代ころは「唐葵」と呼ばれていました。

 花言葉は、大きな志、大望、野心
 気高く威厳に満ちた美、高貴。

 これら花言葉は、葵の立派な立ち姿からして
 肯けます。

 紫式部もこの花のイメージを援用しています。
 「葵」は「源氏物語」の巻名のひとつになっています(第9帖)。

 そこに登場する光源氏の最初の正妻は
 後世、「葵の上」と呼ばれています。
 

   くやしくぞ つみをかしける あふひ草
    
              袖のゆるせる かざしならぬに
  
                            柏木

 この「あふひ草」は、光源氏の二番目の正妻=「女三宮」のこと。
 柏木は、光源氏の恋のライバルである「頭中将」の嫡男

 父のライバルの妻にたいして無理に「つみをかし」たのですから
 柏木が死ぬほどビビるのも当然です(罪と摘みは掛)。

 実際、柏木は恐怖のあまり死んでしまうのですが
 和歌など披露しながらビビるところが王朝人の典雅なところ。

 いまなら、すぐに弁護士に相談すべきでしょうね。
 

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