2022年9月22日木曜日

黒部の山賊

(ハクサンイチゲ)
 
 (水晶岳)

(夕景、金沢方面)
(水晶岳と雪渓)
(チングルマと間違えそうなチョウノスケソウ)
(槍ヶ岳)
(ワリモ岳)
(鷲羽岳)
(シコンタンソウ)
(薬師岳)
(黒部五郎岳)
(コバイケイソウ花畑ごしに鷲羽岳)
(鏡平で一瞬だけみえた槍の穂先)

 にっぽん百名山「野口五郎岳」では、インフルエンサーのちゅーたさんの案内。山の絶景だけでなく、案内人と野口五郎小屋の人々との家族的な交流も描かれていた。

コロナ禍による打撃は世界のすみずみまで及んだろうが、山小屋も例外ではない。というより最も深刻な打撃を受けた部類だろう。もともと辺鄙なところでの零細経営。夏の間だけ2か月程度の営業期間。もともと密な構造のところにソーシャル・ディスタンスを持ち込むから定員半分での営業。それでも従業員に感染者が出て10日間閉める小屋が続出・・・。

野口五郎小屋は、烏帽子小屋と水晶小屋の中間にあって、やや中途半端な立ち位置。3人兄弟の真ん中で、状況により兄姉でもなければ弟妹でもないみたいな不安定。もちろん天候急変時などや休憩には最適だけれど、晴れていれば通過してしまうみたいな。

考えさせられながら、録画をみるととともに、山仲間にも情報提供する。ついでに、番組表をながめていたら、BSNHKで「黒部の山賊」の再放送があるようだ。

水晶小屋の先には三俣山荘がある。北アルプスの最深部、黒部の源流ちかく。どこから登っても2日はかかる。昔は山賊がでたとの伝説が残る。そこの主人が書いた本をもとに、その子どもたちと家族の奮闘を描く。

まえに視聴したことがある。それなりに楽しんだ。今回は、夏の山行での交流を経たうえで、思い出を交えての視聴である。楽しみ。

2022年9月21日水曜日

野口五郎岳@にっぽん百名山

(FDA機窓から富士山) 

(コマクサ)
(ライチョウ母子)
(野口五郎岳にかかる虹)

 毎週月曜BS-NHKで「にっぽん百名山」をやっている。今週は野口五郎岳だった。野口は麓の野口村から見えるから。五郎(ゴロー)は岩がゴロゴロだから。あの歌手の野口五郎の名前の由来になった山だ。彼は岐阜県出身なのだそう。

野口五郎岳は、裏銀座ルートの中央に位置する。水晶岳、鷲羽岳の百名山を経て、槍ヶ岳に達する。

怪鳥会では3年ほどまえにも一度挑戦したことがある。そのときは、台風の直撃を受け、烏帽子岳に登っただけで撤退した。

今夏は3泊4日で再挑戦。信濃大町から高瀬ダムに入り、そこから日本三大急登の一つ、ブナ立尾根を登る。名前のとおり、ブナの原生林が美しい。

尾根を登ると、烏帽子小屋に泊まる。近くに烏帽子岳がある。文字どおり、烏帽子の形をしている。

烏帽子岳から三ツ岳を登る。花崗岩の砂礫地で、コマクサのお花畑が広がっている。高山植物の女王たちである。その後、ひどい雨の洗礼を受けた。

稜線に出ると、3時間ほどで野口五郎岳だ。山頂手前に小屋がある。あたたかい飲み物をいただき、生き返る。またライチョウの母子が歓迎してくれた。

山頂からしばらくで水晶小屋。振り返ると、虹がかかっていた。

なので、今回の放送をとても懐かしく感じた。テレビ放送になるだけあって、本日も晴天なりというロケ。われわれのときの天気と大違いだ。山も緑濃く、花崗岩の白がとても映えていた。

今年行ったばかりなのに、また行きたくなった。

2022年9月20日火曜日

台風14号一過

  

 (事務所裏から、半分青空)

 台風14号が九州を縦断。みなさまご無事だったでしょうか。被災されたかたにはお見舞い申し上げます。

台風接近にともない、伊勢湾台風、室戸台風「級」、いままでに経験したことのない強力な台風と繰り返し警告を受けた。瞬間最大風速70メートルなどと言われ、ビビった。

わが家は東向きに広い窓があり、風速40メートルも吹けば、おそらくもつまい。と思いつつ、窓ガラスに補修テープやガムテープを貼るなどして暴風に備えた。

結果、予想より陸上よりのコースを通ったとかで、勢力は急速に弱まり、福岡における被害は警告されたほどではなかった。

宗像にある実家の母も無事だった。その代わり、伊勢湾台風、室戸台風のときの苦労話を聞かされた。社宅の屋根が飛んだり、断水が1週間も続いて苦労したようだ。こちらは母の苦労も知らず、会社の大きな風呂に入れてはしゃいでいたようだ。

高台に住んでいる人・暴風被害を受けやすい人、低地に住んでいる人・水害を受けやすい人、戸建てに住んでいる人、マンション・集合住宅に住んでいる人、持ち家、借家など、それぞれの立場で台風の受けとめはちがうようだ。わが事務所のメンバーの安否確認でも、その影響が垣間見られた。

今回、小田和正コンサートは前日早々に中止が決まったが、矢沢永吉コンサートは18日夕に実行された。アーチストやファン層にあった分かりやすい結論である。

しかも矢沢コンサートは来られなかったファンには払い戻し、リスクについて自分で責任をとれる人だけ来てくださいという、これまた妥当なやり方。

しかし案の定、矢沢コンサート後は帰宅困難者が続出したようだ。タクシーがつかまらず、風雨のなか博多駅まで1時間歩くという。ロックだね~。

不要不急の外出を控えるよう気象庁が言っていたのだからやるべきでなかったという批判はあるだろう。しかし、マスコミからマイクを向けられた人が「すばらしいコンサートでした。自己責任ですから。」と名言を言っていた。

思い出すのは、浅間山に登ったときだ。活火山であるから、ときどき噴火のリスクがある。あるところまで行くとロープが張ってあり、そこから先は「自己責任で登ってください。」と掲示がしてあった。もちろん登った。

リスクがあるときに他人の人生に干渉してきて、やめろと声高々と言う人が増えた。ネットの匿名性の影響もあるだろう。しかし、自分の人生を自分で決める人たちに対して、外部からやめろと声高々に言うのはどうなのだろう。

2022年9月15日木曜日

入江明日香展


  「入江明日香展 時空の旅」に行った。福岡アジア美術館にて。あまり期待はせずに行ったところ、よかった。

版画。東洋の美と西洋の技術の融合。日本古来の美と現代アニメの融合。四季、書、干支、古来からのモチーフ、パリの街風景などが組み合わさり、楽しい。繊細な描画と色のとりあわせが美しい。

女性の年齢なので言えないが、お若い。芸術家といれば年長の時代を疾うに過ぎ、最近は子どもの世代の方々の活躍が目立つ。

一番気にいった作品は、入ってすぐのところにあったもの(作者には叱られるだろうが)。もとは「L′Alpha et I′Oméga」(仏語)というタイトルの屏風絵。アルファとオメガのうち、オメガのほう。それを動画風に再構成している。

県美の中島潔展のときにも思ったが、年輩の人がいちばんつまづくのはアニメとの融合だろう。すくなくともぼくらの世代まで、アニメは芸術とは呼べず、一段低い文化と受けとめられていたから。しかし「YOUはなにしに日本へ」を見ていて思うが、アニメは世界ブランドになっている。

いきなり入江明日香だとつまづきそうな人は、中島潔から入るとよいかもしれない。これからは古来の日本美術の延長線上にアニメと融合した作品がどんどん出てくるだろう。そういえば辻惟雄さんの『日本美術の歴史』にも、そのようなことが書いてあったと思う。

https://artne.jp/irieasuka/

2022年9月14日水曜日

ひさしぶりの沖縄出張

 




 月曜は那覇地裁で裁判。日曜から前のり。ここのところウエブでの裁判が多かったので、リアル出張はひさしぶり。たまたま沖縄知事選の投開票日だった。

おりあしく台風12号が沖縄地方、とくに宮古、石垣方面に接近中。心配したけれども、無事に行って帰ることがでた。宮古、石垣と沖縄本島はおなじ沖縄といえども、相当の距離があるのだろう。

台風接近中ゆえ、大気は不安定。多量の湿気を含んだ南風が吹き付け、ときおりスコールのような激しい雨。蒸し暑く、5分も歩けば汗がズボンまでぐっしょり。

地元料理ゆうなんぎぃ(海ブドウ、ちゃんぷる、ぐるくん、そーきそばなど)、国際通り、市場、やちむん通り、首里城などは定番。水族館、南部戦跡、斎場御嶽までは仕事がらみでは厳しいか。こんかいは断念。

沖縄の人々もコロナの打撃をつよく受けただろう。国際通りの人出は、若い人を中心に、7割くらいまで戻している感じ。

裁判所のなか、男性はかりゆしウェアで涼しげ。ドレスコードでOKなのだろう。こんどはあれにしよう。

事務所3階でウエブ会議は楽でよいが、やはりリアル出張で刺激を受けると違う。もうすこし条件のよいときにまた行きたいな。

2022年9月9日金曜日

部活先輩の偉業


 きのうにつづき、大学時代の部活つながりの話題。  

大学時代の部活のライングループにいれてもらっている。話題は近況報告や山合宿の話題がほとんど。そんななか先日流れていたのは、新聞記事の紹介。1年先輩の社会貢献に関するものだ。

昼は大学の先生をしながら、夜は自主夜間学級「よみかき教室」の先生を25年間も続けてきたという。そういえば、教育学部に所属されていた。部活時代から後輩にも優しい面倒みのよい人だった。

在日コリアンの生徒を中心にはじまり、いまでは10代から90代まで、国籍も年齢も様々だそう。いまの日本では読み書きができることが普通になっているけれども、そうでない人々も当然いる。その不便さといったらないだろう。役所で、病院で名前が書けない。子どもの学校からの便りも読めない。・・・

自分の面倒をみるのが精いっぱいなわれわれだ。ボランティアで、25年間もよく続けられたものだと思う。いまさらながら見習わなければ、と思う。

※記事の写真はクリックすれば大きくなります。

2022年9月8日木曜日

ジェニファー・ジョーンズからメールが来た!


  ジェニファー・ジョーンズからメールが来た!と言われてピンとくる人はすくなかろう。残念ながら。実際、事務所の秘書さんたちに言ってみたが、みなさんどうリアクションを返していいか戸惑っていたようだ。

RI会長とは、ロータリー・インターナショナルの会長のことだ。ロータリーはアメリカのシカゴで発祥したが、いまや全世界的な組織に成長している。その会長であり、女性会長は史上初である。

そのこと自体すごいことであるが、われわれにとってジェニファー・ジョーンズといえば、映画「慕情」の主演女優である。ジェニファーは東洋ぽさのあるチャーミングな女優さん、「慕情」は朝鮮戦争前の香港を舞台にした悲恋映画。

アメリカ人新聞記者(ウイリアム・ホールデン)と大陸から避難してきた中国人女医(ジェニファー・ジョーンズ)の二人が主役。かたや合理主義者。かたや医者で欧州人の血が半分流れながらも、半分は中国人の血が流れているため、伝統や古くからの言い伝えを信じている。

あるとき、デートで裏山に登ると、ウイリアムの肩に蝶がとまる。かれにとっては単なる自然現象にすぎないが、ジェニファーにとっては「幸せのしるしよ。」。大きく言えば、「文明の衝突」である。

ウイリアムは蝶を逃がしてしまう。時勢は朝鮮戦争へ。ウイリアムはその取材のため戦地へ。そして帰らぬ人となってしまう・・・。

大学生時代、部活で「みんなで歩こう50キロ」という催しがあった。わが大学だけでなく、西南、福大、福工大、福女、筑女など近隣の大学を巻き込んだ大きな行事だった。

たしか6、7人グループで歩いていたと思うが、一人のザックに蝶がとまった。すると、いつもは無粋なことしか言わないk先輩が「幸せのしるしよ。」と言った。それだけで、参加メンバーにはそれが「慕情」由来のセリフだと言うことが分かった。

当時はセンターシネマやテアトル西新など名画座が福岡市内にもあり、名画が繰り返し上映されていた。ヒマな大学生は好んで映画館で時間をすごしたものだった。しかし、ビデオやDVDの普及により、名画座は廃館に追い込まれてしまった。

いまや、われわれが共有していた映画文化は失われてしまった。かくて、せっかくジェニファー・ジョーンズから来たメールも、その価値を共有されぬままとなったのだった。