2022年9月15日木曜日

入江明日香展


  「入江明日香展 時空の旅」に行った。福岡アジア美術館にて。あまり期待はせずに行ったところ、よかった。

版画。東洋の美と西洋の技術の融合。日本古来の美と現代アニメの融合。四季、書、干支、古来からのモチーフ、パリの街風景などが組み合わさり、楽しい。繊細な描画と色のとりあわせが美しい。

女性の年齢なので言えないが、お若い。芸術家といれば年長の時代を疾うに過ぎ、最近は子どもの世代の方々の活躍が目立つ。

一番気にいった作品は、入ってすぐのところにあったもの(作者には叱られるだろうが)。もとは「L′Alpha et I′Oméga」(仏語)というタイトルの屏風絵。アルファとオメガのうち、オメガのほう。それを動画風に再構成している。

県美の中島潔展のときにも思ったが、年輩の人がいちばんつまづくのはアニメとの融合だろう。すくなくともぼくらの世代まで、アニメは芸術とは呼べず、一段低い文化と受けとめられていたから。しかし「YOUはなにしに日本へ」を見ていて思うが、アニメは世界ブランドになっている。

いきなり入江明日香だとつまづきそうな人は、中島潔から入るとよいかもしれない。これからは古来の日本美術の延長線上にアニメと融合した作品がどんどん出てくるだろう。そういえば辻惟雄さんの『日本美術の歴史』にも、そのようなことが書いてあったと思う。

https://artne.jp/irieasuka/

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