2012年1月31日火曜日

宝満山の名は? by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 (山頂の岩。「宝満山上宮碑」)

 さてきょうは婚活話からやや脱線して
 宝満山の名前の由来に関する一考察。 

 玉依姫(タマヨリヒメ)が鎮座する山であれば
 玉依山となりそうですが、そうではありません。

 玉依と御笠はほぼ同じ意味なので
 御笠山でいいようですが、いまはそう呼ばれていません。

 祖母山は豊玉姫が鎮座するところ
 豊玉姫は神武天皇の祖母にあたるので祖母山。

 豊玉姫と玉依姫は姉妹ですから
 大叔母山でもよさそうですが、違います。

 玉依姫は豊玉姫の子を養育し神武天皇を産んだとされるので
 母山でもよさそうですが、それも違います。

 じゃ、なぜ宝満山なのか?
 それは玉依姫が別名、宝満大菩薩だから。

 日本人にはもともと神を信じていたところ
 6世紀に仏教が伝来。

 その後神仏は融和し
 10世紀初めころには神仏習合。

 グローバル宗教(といってもアジア限定でしょうが)である仏教の
 日本語バージョンが神道であると理解されるように。

 日本では玉依姫と名乗る神も、仏教の本地インドでは
 宝満大菩薩であるとの理解だったんですね。

 太宰府市が建てた中宮跡の説明板によると
 「この山の本地仏十一面観音」とあります。

 こうして1000年くらいは神仏の仲がよかったのですが
 明治維新ののち仲違いして神仏分離、廃仏毀釈に。

 宝満山の7~8合目にあった中宮も
 廃仏毀釈の憂き目に。

 十一面観音をまつっていた大講堂はとりこわされ
 中宮跡は茅野になりました。

 かくて神仏分離、廃仏毀釈により
 玉依姫≠宝満大菩薩となったはず。

 でもそこは日本人の宗教的おおらかさでしょうか
 宝満山の名は残ったんですねぇ。

 ま、先に挙げたどの候補よりも宝満山。
 なんとなくリッチな気持ちになれますよね。

                   ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月30日月曜日

タマヨリヒメの宝満山 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 (馬蹄石)

 巨岩・奇岩があちこちに屹立し、大地のパワーから
 神の依り代であった霊山・宝満山。

 その婚活パワーをさらに高めたのが
 タマヨリヒメ(玉依姫)。

 ここにはもと地主の神さま「大田明神」さんがおられたようですが
 よりハイヤーなパワーに場所を譲られたもよう。

 天武天皇の時代、法相宗の心蓮上人という人がいて
 宝満山中で修行していました。この人が宝満山の開山。

 白鳳2(651)年2月10日辰の刻
 山や谷が鳴り震動しました。

 心蓮証人が写真の場所までくると
 天の華が飛んで芳香がします。

 すると貴婦人があらわれ「わたくしは玉依姫。
 民をまもり、国を安らかにするために、ながらくここにいます。」

 そういうや、たちまち金剛神に変身して
 手に錫杖、10神をしたがえ、9頭の龍馬にのって飛び行きました。

 そのとき龍馬の蹄の跡が残りました。
 それがこの写真の馬蹄石。山頂のほんの手前にあります。

 かくてこの石の上には馬の蹄のような窪みがあるとされます
 が、すこしわかりにくい。

 また石には「玉姫降神すれば則ち山谷鳴て震動す。
 心連座に登れば則ち天華飛んで繽紛たり 仙崖」と書いてあります。

 仙崖さんは博多・聖福寺の住職。聖福寺は栄西がひらいた禅寺ですから
 神仏習合時代のこととはいえ、宗派を超えてまことにおおらか。

 心蓮上人はこの事件を報告
 天皇の宣下によって山頂に社殿を建立しました。

 こうして宝満山と竈戸神社には
 玉依姫がおわします。

 玉=霊・魂ですから
 玉依姫は霊・魂が依る姫。

 宝満山=御笠山は自然物である山が神の依り代でしたが
 人である巫女さんが依り代になったわけです。

 アニミズムの時代から
 シャーマニズムの時代へ。

 古来、女性は太陽である!
 豊穣や多産のシンボルと考えられてきました。

 そういうパワーが神の姿としてイメージされたのが
 玉依姫なのだとか。なるほど。

 玉依姫としてよく知られているのが
 山幸彦・海幸彦の話に登場する海神の娘。

 この神話からは
 子孫繁栄のパワーを強く感じることができます。

 このようなベースからさらに
 霊・魂=心。すなわち「心が寄り添う神さま」に。

 こうして
 縁むすびのパワーを発揮されるわけです。

              ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月27日金曜日

霊山・宝満山 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 (宝満山頂に屹立する巨岩・礼拝岩。合掌しているよう)

 宝満山が婚活パワースポットなわけは
 多層的。

 いまは竈戸神社という神社神道なわけですが
 そのベースには多くの信仰が。

 もっとも基層にあるのが
 霊山としての信仰でしょう。

 宝満山はほぼ全山
 花崗岩のかたまり。花崗岩だらけ。

 おおくの奇岩、巨石や岩窟、絶壁があり
 おのずと自然にたいする畏敬の気持ちがわいてきます(自然崇拝)。

 宝満山の古名、別名は御笠山。
 御笠川とか御笠地区という場合の御笠ですね。

 御は敬語、笠は神の依代(よりしろ)の意味。
 上代から神も降臨したくなる山(神奈備)なわけです。

 パワースポットは
 大地の力(気)がみなぎる場所(荒俣宏)。

 巨岩が屹立する山頂にたつと、大地の力がみなぎり
 つられて自分たちの気力もパワーアップするのが感じられます。

 みなさんの婚活力も
 きっとパワーアップすることでしょう。

                  ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月26日木曜日

竈戸神社・上宮 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 再会の木や愛敬の岩は宝満山の山頂のほうにもあるんやね~
 と思った人がいたら、その逆。

 山頂付近にあった再会の木や愛敬の岩を
 いわば勧請したものが麓の竈門神社にある木と岩です。

 そもそも竈門神社も、麓にあるのは下宮で
 山頂に上宮があります。

 これまで竈門神社(下宮)にはなんども参っているのに
 いまだに彼氏・彼女ができん!という人もいるでしょう。

 そういう人は一度、宝満山にのぼって
 上宮にお願いしてみてください。

 徒然草に「仁和寺にある法師」というのがありますが
 アレみたいなものです。

  仁和寺に、ある法師、年寄るまで、石清水を拝まざりければ
  心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、徒歩より詣でけり。

  極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
  さて、かたへの人にあひて

  「年ごろ思ひつること、果し侍りぬ。
  聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。

  そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど
  神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。

  すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。

 仁和寺のお坊さんが石清水八幡宮をはじめてひとり詣でにでかけた際に
 麓の極楽寺などを拝んだだけで、山上にある本体を見損ねたという残念な話。

 中学生のときに暗記したものです。
 え、「徒然草」知らない?

 大丈夫。いまNHK・eテレの「100分 de 名著」
 シリーズでやってます。ご覧ください。

 え、上宮にもしょっちゅうお願いしているけれども
 彼氏・彼女ができない?

 そのワケは
 こうです。

 じつは竈戸神社は三位一体ならぬ
 三社一体の神社なのです。

 7合目から8合目にむかう途中(芭蕉句碑のちょっと上)に
 中宮跡があります。

 そのむかし竈戸神社は
 この中宮と、上宮、下宮の3つで三社一体。

 中宮は明治時代・廃仏毀釈の嵐のなか破壊され
 いまはもう残っていません。夏草や坊さんたちが夢の跡…。

 というわけで、下宮にくわえて上宮に参っても
 彼氏・彼女ができないということがあるのかも。

 宝満山の婚活スポットとしてのパワーも
 完璧ではないんですねぇ…。残念!

                 ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月25日水曜日

恋占いの岩 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 マメというと、エンドウマメなどをおもいうかべるので
 「ジャックと豆の木」の話はどうなんだろうと思っていました。

 でもサイカチの木もマメ科なのであれば、高木なので豆の木を登り
 雲の上にある巨人の城にたどりつくこともできるのでしょうね。

 もっとも植物の分類も、時代の趨勢か葉や花の形状による分類から
 DNAの系統的な分類に移行しつつあり、別ものとされているよう。

 ま、「ジャックと豆の木」は19世紀に編まれた民話集のなかの
 1童話なので、旧分類で理解していいのでしょうが。

 さてきょうの婚活パワースポットは「愛敬の岩」
 再会の木からさらに女道を100メートルほどくだります。

 すると、中宮跡へ行く道と大石にくだる道の分岐につくので
 大石側にまがってすぐ右側にあります。

 ひとむかしまえは「男は度胸、女は愛嬌」などと言ってましたが
 さいきんはとんと聞きません。

 なでしこジャパンやジャニーズらの活躍により
 実態にあわなくなってきているのか。

 はるな愛やマツコ・デラックスらの活躍により
 分類がむずかしくなってきているのか。

 うかつに話題にするとセクハラといわれるせいなのか
 ま、それらがすべて原因になって死語になっているのでしょう。
  
 あ、この岩は愛嬌ではなく愛敬の岩です。
 江戸時代の儒学者・中江藤樹が人の倫で大事とした愛敬です。

 愛敬の岩は、恋占いの岩。
 竈戸神社による説明板にはこうあります。

  恋占いをしてみませんか。目をとじて歩き
  無事に向うの愛敬の岩にたどりつくと恋がかないます。

  一度でできれば
  早く願いがかないます。

  人にアドバイスしてもらった人は
  人の助けを借りなければ、願いもかなわない…。

 説明板から岩まで私の歩幅で9歩ありました。
 目をとじてやってみると、無事たどりつくことができました!

 宝満山頂までのぼる元気がないとお嘆きのあなたも
 やはり心配いりません。

 サイズは小ぶりですが
 麓の竈戸神社・拝殿の右隣にもあります

 こちらはハードルをさげてあり
 私の歩幅で7歩しかありません。

 聴いた話ですが、あるカップルが挑戦
 彼女は彼氏の誘導がありながらたどりつけなかったとか…。

 こんな簡単な課題をふたりでクリアできないとは
 その後のカップルのゆくすえが心配です。

 またまたいま京都観光中というあなたも
 心配いりません。
 
 京都にも地主神社に恋占いの石があります。
 清水寺、舞台の奥を左側に登ったところ。

 くだらん!などといってないで
 チャレンジしてみてください。

 その遊び心、軽快なフットワークが
 恋をひきよせるのかも。

  ♪遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん
   遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。

                        梁塵秘抄

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月24日火曜日

再会の木 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 庭にクリの木を植えると
 極楽に行けるよ。

 なぜなら、栗は西に木と書くので
 西方・極楽浄土に通じるから。

 あはは…。
 こんなことをいうと、若い人にまた親父ギャグと笑われそう。

 でもきのう紹介したように
 松尾芭蕉の「おくの細道」に書いてあるといえばどうでしょう?

 芭蕉の権威で、若い人たちも「ははあ~」といってくれるでしょうか?
 それとも「芭蕉ってだれ?」。

 とまれ芭蕉が訪ねた須賀川の宿ちかくに
 大きな栗の木陰をたのみて世をいとう僧がいました。

 そこへ芭蕉が訪ねていき、橡ひろふ太山もかくやと覚えたわけです。
 (♪大きな栗の木の下で、あなたとわたし~)

 また奈良時代の僧・行基(近鉄奈良駅前にいる人)も一生
 杖や柱に栗の木を用いられたとか。

 すでに奈良時代から
 そう信じられていたもよう。

 いまの時期、ナンテンが庭に赤い実をつけてますね。ナンテンも
 「難(ナン)を転(テン)ずる」ことから、縁起の良い木とされます。

 さらに福寿草とセットにすれば
 「災い転じて福となす」とか。ことかえ(言替え)ですね。

 単なるシャレではなく
 言葉には魂が宿っているからです(言霊、言魂)。

 声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与え
 良い言葉を発すると良い事が、不吉な言葉を発すると凶事が起こる。

 なぜか?
 これまた「言」と「事」がおなじものだから。

 結婚式での忌み言葉も言霊の思想に基づきます。
 「終わり」とか「割れる」とかいっちゃダメというアレです。

 日本は言魂の力によって幸せがもたらされる国
 「言霊の幸はふ国」なわけです。

 最近ではこのような呪術的な理解は
 さすがにうすれつつあります。

 でも人が言葉にしばられる生きものであることに変わりはなく
 よい言葉をたくさん発する人が幸せになるというのは経験的事実でしょう。

 メンタルトレーニングやコーチング、その他心理学・教育学的にも
 言葉を発することの重要性が指摘されているようです。

 そこで「再会の木」。
 宝満山から三郡山へむかう途中右におりると座主跡・キャンプ場に出ます。

 山頂にむかって左手・細い道をくだると、いわゆる女道。
 20メートルほどくだると右側にあります。 

 サイカチ(皁莢)の木です。
 ジャケツイバラ科あるいはマメ科の落葉高木。

 落葉樹ですから
 いまの時期は葉を落としています。

 この木に向かって好きな人と再会できるように祈れば
 願いがかなうと伝えられているとか。

 “えんむすび”の木であると
 竈門神社の説明が書いてあります。

 これもやはりサイカチがサイカイ(再会)と
 ナマったものでしょう。

 でも信じて言葉を発すれば
 必ず効果を発することでしょう。まさしく愛の言霊。

 ♪大きなサイカチの木の下で
 あなたとわたし…。

 再会できそうでできなかった「君の名は」
 真知子と春樹にもだれか教えてあげてください。

 宝満山頂までのぼる元気がないとお嘆きのあなたも
 心配いりません。

 サイズは小ぶりですが
 麓の竈戸神社・拝殿の右隣にもあります。

 またまたいま東京転勤中というあなたも
 心配いりません。

 日比谷公園にもあります。
 日弁連前の信号をわたり、50メートル東に入ったあたり。

 どなたさまも
 おためしあれ。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月23日月曜日

宝満山は婚活パワースポットだった! by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 きのう「運命の人」やってましたね。
 政治家グループもなかなかでした。

 いちばん似ていたのが田中角栄さん。
 でも「よっしゃ、よっしゃ」感がやや足りないかも。

 そのつぎは福田赳夫さんでしょうか。
 大平正芳さんは「あー、うー」感が足りません。

 佐藤栄作首相はちょっとかっこよすぎでしょう。
 「華麗なる一族」からの伝統?キャスティングなのでしょうか。

 社会党の横路孝弘さんは若いころ、あんな感じだったのでしょうか。
 楢崎弥之助さんはカットされていましたね。

 それはさておき「宝満山は婚活パワースポットだった!」
 いよいよです。

 宝満山もさいきんは山ガールがいっぱい。
 山ガールのメッカ(=宗教上の拠点)です。

 これも宝満山が婚活パワースポットだからでしょう。
 (ほんまかいな?)

 きのうも本ブログ用の写真を撮りに登ったところ
 山ガールがいっぱいでした(ずっと雨だったのに)。

 さてどこから話をはじめるか迷いますが
 あたらしいところで(といっても近世)芭蕉句碑などいかが?

 宝満山に芭蕉句碑などあったっけ?と思われるかたもいるでしょう。
 うっかりすると見逃してしまいます。

 胸突き八丁とはよくいったもので
 宝満登山も8合目あたりがいちばんきつい。

 このあたり下ばかりみて
 息をきらして登ってしまいがち。

 でも百段がんぎを登りきり、七合目・西院谷九坊の跡地を過ぎたら
 100マートルほど登った右手にあります。

 こんど注意して
 登ってみてください。

 中宮跡まで行ったしまったら
 登りすぎ。

 句碑にはこうあります。

   世の人の 見付ぬ花や 軒の栗
  (よのひとの みつけぬはなや のきのくり)

 なぜ七~八合目のこんなところに句碑をおいたのか知りませんが
 まさに世の人の見つけにくいクリならぬ句碑。

 この句は芭蕉の「おくの細道」から採られています。
 いまの福島県、須賀川の段。

  この宿の傍に、大きなる栗の木陰をたのみて、世をいとふ僧あり。
  橡ひろふ太山もかくやと閒に覚られて、ものに書きつけ侍る。其詞

   栗といふ文字は西の木と書いて、西方浄土に便ありと
   行基菩薩の一生、杖にも柱にもこの木を用い給ふとかや。

 栗の花は地味で目立たず、世人も目をとめて見ることもないが
 そんな栗の花のような人こそいいんじゃないでしょうか。

 地味で見た目はちょっとだけど
 秋にはおいしい栗がたくさん食べられますよ。

 そういえば先日、福岡中小企業家同友会の新春講演会での話。
 中小企業経営にとっては「闘かわない経営」がお奨め。

 競合他社と闘かわないためには
 ポジショニングが大事だそう。

 修行や神頼みにいくまえに、まずは見方を変えてみましょうよ
 そうすれば、運命の人が見つかるかもよ(芭蕉)。

             ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月20日金曜日

「運命の人」(4) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 「宝満山は婚活スポットだった!」はシャレだったのですが
 はやく読みたいとの声が…。

 そちらの「運命の人との出会い方」みたいな話は来週に
 まわすとして、今週末はこちらの「運命」の話で完結。

 「運命の人」とか「沖縄返還密約」とかいっても40年前の話で
 過去のこととか考えていたら、間違い。

 日米の密約だから、これを闇に葬るには
 米国も黙っている必要があるんですねぇ。

 ところが2002年になって
 この関係の米国側の文書が公開されます。いわく。

 「日本政府が400万ドルという数字と日米間の密約が
 公にならないように神経をとがらせていて

 メディアの追求に対して米国側に
 同一歩調をとるように要求してきている」

 このような動かぬ証拠をつきつけられると
 水戸黄門であれば、「はは~っ。」というところでしょう。

 ところが、日本政府の対応は「事実関係として密約はない」とか
 「密約は一切ない」。

 西山さんは「密約の存在を知りながら違法に起訴された」として
 国家賠償請求訴訟を提起。

 裁判所は「損害賠償請求の20年の除斥期間を過ぎ、権利がない」
 とし訴えを棄却、密約の存在には全く触れなかった。

 西山さんを支持するジャーナリスト有志が外交文書の情報公開を
 外務省と財務省に求めたが、やはり「不存在」との回答。

 ようやく民主党政権となり、調査委員会が2010年3月
 全てについて密約及び密約に類するものが存在していた事を認めた。

 どうです?これらの対応。
 現在も40年前もちっとも変わりません。

 国民にほんとうのことを知らせない、追求されてもウソをつく政府。
 それを見て見ぬふりをする司法。機能しない情報公開制度…。

 このような対応が現在の沖縄の基地問題などにも
 しっかりと通底しているわけです。

 信頼関係は人間関係の基本
 信頼できない人とはおつきあいできませんよね。

              ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月19日木曜日

「運命の人」(3) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 そろそろ「宝満山は婚活パワースポットだった!」
 みたいな軽い話題に転じたいのですが、「運命」の話をもうすこし。

 実は原作者の山崎豊子さんも毎日新聞に在籍し
 あの井上靖が上司でした。

 『あすなろ物語』、『しろばんば』、『風林火山』、『真田軍記』
 『敦煌』、『天平の甍』などを書いた小説家です。

 大森南朋さん演じる読日新聞(読売新聞)の記者・山部一雄の
 モデルはあの渡邉恒雄さん。

 といわれてもピンとこないかもしれませんが
 巨人の会長としてなにかと物議をかもしているナベツネさんです。

 政治家から金をちらつかされて、受け取りを断るのが弓成で
 もっとよこせというのが山部なんだそうです。なるほど。

 それぞれ毎朝と読日を代表する記者で
 社風というかスタイルというかまで表現されているのでしょうか。

 理念に忠実で、政治の暗部と正面衝突する弓成のスタイルが
 政治の陰謀や圧力に潰されていくのは残念。

 でも山部は弓成とよきライバルで
 後に、報道の自由を守るために弁護側の証人に。

 ここら辺はやはり器の大きさを感じさせます。
 われわれにはできない振る舞いではないでしょうか。

 与野党の政治家はもちろん、政治評論家・三宅久之さん
 元警察庁長官・後藤田正晴さん、タレントの大屋政子さんも原作には登場。

 われわれの立場でよりなじみのある名前はやはり法律家グループで
 検察官、裁判官らはいずれも名のある人たちがモデルになっています。

 ひとりだけ挙げるとすれば
 柳葉敏郎さんが演ずることになる弓成の弁護人・大野木正。

 「表現の自由を守るために闘う第一人者で
 弓成の弁護を通じて報道の自由を勝ち取ろうと支援する。

 知性と人情を兼ね備えた人物で
 夫婦の危機に陥る弓成と由里子を温かく支える」らしい。

 モデルは大野正男さん。
 弁護士から最高裁判事へ。

 私が関与した南九州税理士会違法政治献金事件における
 最高裁判事のひとりでした。

 最高裁弁論のときは「うん、うん。」と
 首肯しながら聴いてくださいました。

 南九州税理士会違法政治献金事件は、税理士会が会員から
 特別会費を強制徴収して政治献金したのは違憲だと訴えた事件。

 最高裁は税理士会のような強制加入団体において政治献金を
 することは会員の思想・良心の自由を侵害すると判断しました。

 ただし、われわれは大野さんが最高裁内でどちらの立場で
 論陣をはるのか図りかねていました。

 というのも、当時、団体の政治献金については
 二つの最高裁判決がありました。

 八幡製鉄事件と国労広島地本事件。
 前者は政治献金OK、後者はダメという結論でした。

 会社は政治献金してもいい、でも労働組合はダメ
 いかにも最高裁らしい判断ですね。

 それはともかく
 大野さんは、国労事件の際の代理人弁護士でした。

 つまり、労働組合は政治献金できるはずだ
 と論陣をはられたわけです。

 ですから、ひょっとすると税理士会も政治献金できるはずだ
 というご意見ではないかと心配したわけです。

 ですが、先の最高裁弁論の際のご対応を拝見して
 これは大丈夫と判断したわけです。

 このような運命の人たちの
 生き様が本ドラマのみどころでしょう。
 
 できればそれが
 光射す方へ向かっていればいいのですが。

               ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月18日水曜日

「運命の人」(2) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 きょうは早朝から西鉄電車が人身事故のため止まり
 ブログを書く時間があまりありません。

 時間がないときはプライオリティをつけ
 大事なことから処理する必要があります。

 でもブログを書くうえで
 大事なことってなんでしょう?

 大事なことを話していたのに、小さなことだけど気になるネタで
 話がズレてしまった経験がありますよね。

 またマスコミの報道をみていて、大事なことが議論されるべきなのに
 スキャンダルばかり報道されていると感じることもありますよね。

 西山事件はそんな経過をたどります。
 小さなスキャンダルに目を奪われ、大きなものを失ってしまう…。

 このとき、大きな問題としては
 つぎの2つの問題があったと思います。

 ひとつは、沖縄返還協定の裏に密約があったのかどうか?
 政府がないと説明した密約はほんとうになかったのか?

 もうひとつは、ジャーナリズムが政府のウソを追求する自由
 ひいては国民の知る権利が保障されるのかどうか?

 知る権利は、憲法21条が保障する表現の自由に含まれる
 重要な人権です。

 でも論争点はそこからズラされ、西山記者が情報を入手した方法が
 倫理的かどうかというスキャンダルにすり替えられてしまいます。

 一般の会社で株主に内緒で400万ドルないし3000万ドルもの
 裏金を相手方に支払えば背任、横領が成立する疑いがあります。

 また社長が株主に対し、そんな金を支払っていませんと
 株主総会でウソの説明をすれば、それもやはり大問題でしょう。

 一般の会社・社長・株主だろうと、国・政府・国民だろうと
 このことに違いはありません。

 政府がこのようなウソをついているときに
 そのウソをあばくのがジャーナリズムの役目でしょう。

 ジャーナリズムがこの役目を果たすことにより
 われわれの主権者・有権者としての知る権利も満足が得られます。

 これこそが大きな問題で
 大きな問題は大きな問題としてきちんと議論すべきだったでしょう。

 ところが取材の方法が倫理的でない!ダブル不倫だ!とかいわれると
 まんまとそれにひっかかっちゃうんですねぇ。

 「そんな下ネタ、いま関係ないでしょ!(別に議論しましょ!)」と
 誰か言ってくれなかったのでしょうか?
 
 この事件の後、毎日新聞は、本スキャンダルを理由とした
 不買運動により発行部数が減少、全国紙の販売競争から脱落。

 また以後、大手メディアの政治部が国家機密に関わる事項について
 スクープするということがなくなったらしい。

 ほんとうに大きな運命の事件
 天下分け目の事件だったんですね。

           ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月17日火曜日

「運命の人」 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 日曜は、NHK大河ドラマ「平清盛」のあと
 TBS系で日曜劇場「運命の人」をやっていました。

 「運命の人」というタイトルからすると
 月9・青春ラブストーリーのようですが違います。

 「白い巨塔」「華麗なる一族」「沈まぬ太陽」などと
 おなじく山崎豊子さんの同名小説(文藝春秋)が原作なので。

 ほかの山﨑作品とおなじく
 実話がもとになっています。

 (以下、多少ネタバレあり)

 「西山事件ー外務省秘密電文漏洩事件」と呼ばれ
 憲法の教科書や、判例百選に紹介されている重大事件。

 1971(昭和46)年6月17日に調印された沖縄返還協定
 その裏でかわされた日米の密約問題をめぐるものです。

 モックン(本木雅弘さん)演じる主人公の政治部の記者
 ・弓成亮太は西山太吉さんという人。

 北九州出身で毎日新聞の記者でした。
 つまり、毎朝新聞社というのは毎日新聞社のことです。

 真木よう子さんが演じる外務審議官付き事務官
 ・三木昭子は判例百選では「H事務官」という方です。

 その他、政治家、外務省の官僚、読売新聞の記者など
 すべての登場人物が実在の人物と比定できます。

 フィクションではないと思って観ると
 やはり凄みがあります。

 (中略)
 その結果、

 刑事事件となり、H事務官は100条1項の守秘義務違反容疑
 西山記者は111条の秘密漏示そそのかし容疑で逮捕・起訴されました。

 国会公務員法100条1項はこう定めています。
 「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」

 同111条はこうです。
 「…行為を…そそのかし…た者は、それぞれ各本条の刑に処する。」

 西山記者の取材活動は
 この「そそのかし」行為にあたるのかどうか?

 憲法判例としては、国家秘密と取材の自由の相克が論点となり
 1978(昭和53)年5月31日最高裁判決が出ています。

 ふたりの運命はどうなるんでしょうね?

             ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月16日月曜日

ロウバイ by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 宝満山からおりると
 竈戸神社の手間に山の図書館が。

 そのおとなりに
 ロウバイ(蝋梅)が咲いていました。

 透きとおった黄色い花に
 芳香がかおります。

 家の近所にも、夜でも散歩をしていて
 香りがするところがあります。

 花のないいまの季節に
 やさしい色と形、香りに慰められます。
 
 でも寒く厳しい環境に花を咲かせる
 見た目とちがう強い花でもあります。

 他の花に先がけることからか
 花言葉は「先導」「先見」。

 また花の色と形、香りからか
 「慈愛」「優しい心」。

               ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月13日金曜日

『県庁おもてなし課』 by.山歩きが好きな福岡の弁護士



 「平清盛」がゆかりの神戸市や兵庫県の観光に
 どれだけ貢献できるのか?

 地域観光の最大サポーターをチームの代表が試合開始早々
 観客そっちのけで口汚くののしるというのはいかがなものか?

 みたいな話を
 きのうしました。

 でもふつうに考えると自治体のトップがなぜNHK大河の演出に
 口出しするのか?という疑問があります。

 そこをすっきりさせたければ、おすすめの一冊があります。 
 有川浩さんの『県庁おもてなし課』(角川書店)。

 昨年末、『ヒア・カムズ・ザ・サン』のながれで
 さかのぼって読みました。

 お役所意識のなかなか抜けない某(高知)県の観光振興部門と職員が
 観光客をおもてなしできる部門・部員に成長するさまを描いたもの。

 自治体も、上から目線の箱物行政ではやっていけず
 民間並みのおもてなしの心が必要な時代らしい。

 もちろん、いつもの有川さんらしい
 2組の男女の交歓も描かれています。

 そういえば、昨年は5つくらいの結婚式におよばれし
 「おもてなし婚」の流れを実感しました。

 われわれの時代は新郎新婦はいっさいしゃべりませんでした。
 ところがいまは何度でもしゃべります。

 それは参加者に祝ってもらうだけでなく
 新郎新婦が参加者をおもてなしする必要があるからだとか。

 花嫁花婿でさえ、おもてなしの心が必要な時代であれば
 法律事務所もうかうかしてられませんねぇ。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月12日木曜日

どうなる?「平清盛」 by.山歩きが好きな福岡の弁護士



 「源氏物語」といえば「平家物語」
 というわけでもないか?

 この2つの古典が無関係に成立しているのが
 むかしからややこしい。

 「平家物語」が平氏の興隆と没落をえがいたもの
 「源氏物語」が源氏の云々ならわかりやすい。

 でも源氏の歴史のほうは
 「吾妻鏡」ですよね(義経は「義経記」?)。

 まったく受験生を翻弄するための陰謀でしょうか? 
 (陰謀史観)

 「源氏物語」の成立は源平争乱の150~200年も前のことだし
 王朝恋愛と軍記物では中身がまったく異なるのでしょうが。 

 とまれ、NHK大河「平清盛」みました。
 途中からでしたが、おもしろかったです。
  
 清盛役の松山ケンイチさん(松ケンと呼んだらイケンのだとか)は
 未登場で、忠盛・中井貴一さん主演という感じでしたが。

 結果的には視聴率はふるわなかったよう。
 そのせいか、批判も。

 ひとつは、「天皇家を王家と連呼して貶めたから」というもの。
 なるほど、そういう見方もあるのか。視聴中はまったく気づかず。

 しかし、この見方はやや形式的にすぎるような。
 王と帝のちがいを踏まえて見ないと判断するのはそうとうな達者。

 源氏と平家の区別もむずかしい庶民のみかたとしてどうでしょう?
 伊東四朗さんが白河法王の凄みを怪演することの実質論ならまだしも。 
  
 もうひとつは、兵庫県知事が「薄汚れた画面」と批判したもの。 
 きょうは、これにたいし批判が殺到したと報じられています。

 「番組内容に介入するような発言をすべきではなく
 立場をわきまえるべきだ」

 「(大河ドラマは)兵庫県の観光PRのために
 制作されているのではない」など。他方

 神戸市長は「実際の時代背景、当時の状況も考慮したセットを使っており
 制作側の一貫した思いがあると思う。違和感はなかった」と理解。

 清盛ゆかりの地である自治体首長の発言がこうして報じられるのも
 大河ドラマが最大の観光サポーターだからでしょう。

 その意味では、よいイメージづくりをした神戸市長に
 一日の長があったというべきでしょうか。

 さて、私じしんの興味・関心をいうと
 本ドラマが「平家物語なのかどうか?」

 そんなのあたりまえじゃんという感じですが
 日本の情況や予告編をみているとそうなのか?

 「平家物語」の根本思想は盛者必滅
 読者はその滅びの美学を堪能するわけです。

 ですが、予告編でみるかぎり「平清盛」は松山ケンイチさんを主演に
 若々しい“昇り龍”的な平家を描こうとしているよう。

 このような描き方のほうが
 東日本大震災後の日本国民へむけたメッセージとしても適合的。

 しかし、平家の根本思想とあわない…
 どうなるんでしょうね?

                      ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳  

2012年1月11日水曜日

若 菜 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



春の七種の別名「若菜」は、『源氏物語』の巻名にも。
長いので、上(34帖)、下(35帖)に分けられてます。

源氏40歳を祝う盛大な祝宴の際
玉鬘が長寿を祝う若菜を源氏にプレゼント。

王朝時代も、若菜にはやはり邪気を払い万病を除くという
呪術的な意味があったんですね。

これをうけて源氏が詠んだ歌。
(これが巻名の由来に。)

   小松原 末のよはひに 引かれてや

          野辺の若菜も 年を積むべき

源氏は社会的には絶頂です。
でもプライベートでは…

引退前の帝の希望で、女三の宮を新妻にむかえることに。
これにより最愛の紫の上との間に亀裂が

さらに、おいの柏木に新妻を寝取られることに。
…と若菜の効き目もあまりなさそう。

年末に「源氏物語 千年の謎」
をみました。

なにが紫式部に『源氏』を書かせたのか?
これが千年の謎。

事務所でもミタ人が複数いて
面白い、面白くないと評価がわかれていました。

なぜなのか?
よし、ひとつ自分の目でみて確かめてみよう、と。

さて私の評価は?
これは「ワカンナイ」ままにしておきましょう(そんなワカナ)。

                    ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月10日火曜日

春の七種



ブログが休みのあいだに季節がめぐり
7日:人日(じんじつ)、9日:成人式でした。

人日は、五節句の一つ。
七草の節句ともいい、七種粥を食べます。

古来中国では、正月の1日を鶏、2日を犬、3日を猪、4日を羊
5日を牛、6日を馬、7日を人の日に。

それぞれの日にはその動物を殺さないようにし
人日には犯罪者に対する刑罰は行わないことにしていたことから。

この日に7種類の野菜を入れたあつものを食べる習慣があり
日本に伝わって七種粥となった。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ
スズナ、スズシロ。

邪気を払い万病を除くものとして食べる。
呪術的な意味ばかりでなく、痛飲した正月の腹休めにも実際なるとか。

春の七種(七草)のことを
若菜とも。

   君がため 春の野に出でて 若菜摘む

           わが衣手に 雪は降りつつ

                       光孝天皇

これは3月はじめころの歌かと思いきや
正月の歌なのですね。

というわけで、君(ブログの読者)がため、春の野に出でて
若菜を撮ろうとしましたが、意外に見つからず。

風邪をひいているためセリのある沢まではムリとしても
ナズナくらいはあるだとうとタカをくくっていたのですが。

しばらくして畑でスズシロ(ダイコン)を見つけましたが
あいにく畑守のおじさんが。畑守は見ずや…と断念。

ようやく見つけたのが
ゴギョウ(ハハコグサ)。

冬枯れのせいかすこし元気がないですが
邪気を払い万病を除いてくださいまし(せめてこの風邪なりと)。

2012年1月6日金曜日

謹賀新年2012 by.新年も好きな福岡の弁護士



 みなさま あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 2012年は「辰」年
 もとは「振」=「ふるう」
 
 語源辞典によると、「動いて伸びる」「整う」の意味
 草木が盛んに成長し形が整った状態を表すそう。

 十二支にそれぞれ動物の名前を当てたのは
 無学の庶民にわかりやすくするためだったとか。

 幼稚園生にネズミ組、ウシ組…と教えるようなものですね
 識字率が低い時代の知恵でしょうか。

 順番や選ばれた理由は不明らしいですが
 いまでは「龍」のイメージのほうが強いですね。

 さて、みなさまがたにとって今年はどのような年でしょうか?
 どのような計をたてられたでしょうか?

 辰年がどんな年かは私くらいの年になると
 過去に尋ねることができます。

 いちばん近いのが2000年、その次が1988年
 そして1976年、1964年です。その前は知りません。

 1964年は、新幹線開通と東京五輪開催
 『ALWAYS 三丁目の夕日』や『オリンピックの身代金』の時代です。

 1976年は、昨年亡くなったスティーブ・ジョブズが
 仲間と一緒にアップル社を設立した年ですね。

 私が高校1年のころですから
 すごいです。

 1988年は、青函トンネルや瀬戸大橋の開通など
 バブルがふくらむ途中でした。

 広末涼子さん主演の『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』
 がむかったのは2年後の1990年。

 私は弁護士3年目で、無我夢中でもがいていたのが
 ようやく水面に顔が出たような気がした時期です。

 われわれの同期はみなこの時期に自宅を購入
 たかい買い物をさせられたものです。

 2000年はミレニアム
 コンピューターの誤作動が問題になりました。

 当時、私はハンセン病訴訟に取り組んでいて
 厚生労働省の課長に対する反対尋問を3か月かけて準備しました。

 このようなこれまでの経験に照らすと
 辰年は草木が盛んに成長する状態といえる時代もあったよう。

 でも形が整った状態といえるかはどうでしょう?
 ですが私にとってはまあまあの年のようです。

 今年は過去4回の辰年にくらべて
 大きな変動も予想されるところです。

 いままで以上に地域貢献、社会貢献を心がけて精進したいと考えています。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

             ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳