2012年1月20日金曜日

「運命の人」(4) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 「宝満山は婚活スポットだった!」はシャレだったのですが
 はやく読みたいとの声が…。

 そちらの「運命の人との出会い方」みたいな話は来週に
 まわすとして、今週末はこちらの「運命」の話で完結。

 「運命の人」とか「沖縄返還密約」とかいっても40年前の話で
 過去のこととか考えていたら、間違い。

 日米の密約だから、これを闇に葬るには
 米国も黙っている必要があるんですねぇ。

 ところが2002年になって
 この関係の米国側の文書が公開されます。いわく。

 「日本政府が400万ドルという数字と日米間の密約が
 公にならないように神経をとがらせていて

 メディアの追求に対して米国側に
 同一歩調をとるように要求してきている」

 このような動かぬ証拠をつきつけられると
 水戸黄門であれば、「はは~っ。」というところでしょう。

 ところが、日本政府の対応は「事実関係として密約はない」とか
 「密約は一切ない」。

 西山さんは「密約の存在を知りながら違法に起訴された」として
 国家賠償請求訴訟を提起。

 裁判所は「損害賠償請求の20年の除斥期間を過ぎ、権利がない」
 とし訴えを棄却、密約の存在には全く触れなかった。

 西山さんを支持するジャーナリスト有志が外交文書の情報公開を
 外務省と財務省に求めたが、やはり「不存在」との回答。

 ようやく民主党政権となり、調査委員会が2010年3月
 全てについて密約及び密約に類するものが存在していた事を認めた。

 どうです?これらの対応。
 現在も40年前もちっとも変わりません。

 国民にほんとうのことを知らせない、追求されてもウソをつく政府。
 それを見て見ぬふりをする司法。機能しない情報公開制度…。

 このような対応が現在の沖縄の基地問題などにも
 しっかりと通底しているわけです。

 信頼関係は人間関係の基本
 信頼できない人とはおつきあいできませんよね。

              ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

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