(山頂の岩。「宝満山上宮碑」)
さてきょうは婚活話からやや脱線して
宝満山の名前の由来に関する一考察。
玉依姫(タマヨリヒメ)が鎮座する山であれば
玉依山となりそうですが、そうではありません。
玉依と御笠はほぼ同じ意味なので
御笠山でいいようですが、いまはそう呼ばれていません。
祖母山は豊玉姫が鎮座するところ
豊玉姫は神武天皇の祖母にあたるので祖母山。
豊玉姫と玉依姫は姉妹ですから
大叔母山でもよさそうですが、違います。
玉依姫は豊玉姫の子を養育し神武天皇を産んだとされるので
母山でもよさそうですが、それも違います。
じゃ、なぜ宝満山なのか?
それは玉依姫が別名、宝満大菩薩だから。
日本人にはもともと神を信じていたところ
6世紀に仏教が伝来。
その後神仏は融和し
10世紀初めころには神仏習合。
グローバル宗教(といってもアジア限定でしょうが)である仏教の
日本語バージョンが神道であると理解されるように。
日本では玉依姫と名乗る神も、仏教の本地インドでは
宝満大菩薩であるとの理解だったんですね。
太宰府市が建てた中宮跡の説明板によると
「この山の本地仏十一面観音」とあります。
こうして1000年くらいは神仏の仲がよかったのですが
明治維新ののち仲違いして神仏分離、廃仏毀釈に。
宝満山の7~8合目にあった中宮も
廃仏毀釈の憂き目に。
十一面観音をまつっていた大講堂はとりこわされ
中宮跡は茅野になりました。
かくて神仏分離、廃仏毀釈により
玉依姫≠宝満大菩薩となったはず。
でもそこは日本人の宗教的おおらかさでしょうか
宝満山の名は残ったんですねぇ。
ま、先に挙げたどの候補よりも宝満山。
なんとなくリッチな気持ちになれますよね。
ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳
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