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2022年4月20日水曜日

傾山遠征(3)ー下山

 





 傾山のセンゲン尾根へ下ること1時間、九折越に。前回とちがい、明るいうちにたどり着くことができた。キャンプ場と無人小屋がある。誰もいない。この日は終日、他の登山者に会うことはなかった。

まずは水場へ向かう。宮﨑方面へくだるくだる。こんなに遠かったかな。ようやく見つけた。ななんと水場は涸れていた。試行錯誤のすえ、わずかな流れにパイプを挿して、なんとか水を確保することができた。煮沸必須である。

小屋に入る。誰もいない。3人で三隅をぜいたくに占拠する。灯りはなく、持参のヘッドランプだけが頼りだ。お湯を沸かし、夕食づくり。荷物軽量化のためレトルトのドライカレーと豚汁、そしてお茶。

食後はなにもすることがないので就寝。エアマットを膨らませ、寝袋に入る。明日の予想気温は2度だったので、着込めるだけ着込む。

前回来たときは、シカの群れが周辺を駆け回り、ひづめの音が響いていた。シカの食害対策が進んでいるせいか、今回、シカの気配はない。

その代わり雨だれの音が大きく響く。夜半、風が強くなり、山を鳴らした。

目が覚めると0時過ぎ。窓からは月明かりが煌々と照らしていた。明日は予報どおり、風は強いものの晴れるようだ。最近の天気の的中度はすごい。

翌朝、祖母山へ向かうかどうか議論する。気温2度、風速18メートル。体感温度はマイナス16度である。稜線上の風と寒さは厳しく、低体温症が心配された。われわれは大事をとって下山することにした。

下りは九折コース。コースタイムは2時間35分。稜線上は風がきつかったが、ほどなくおさまった。右手の尾根上にヤマザクラ、アケボノツツジが咲いている。

さらにオオカメノキも花をつけている。きのうはまったく展望がきかなった。きょうは傾山の坊主頭が望める。ヤマザクラ越しの撮影。ブナの新緑がまばゆい。苔も新芽だろうか、文字どおりモスグリーンに輝いていた。

山が深い、谷も深い。浸食がすすみ、勾配もきつい。油断すると転げ落ちそうだ。右手ふかく谷川の音が響く。下山するにつれ、それが近づいてくる。

この日、登ってくる登山者は3グループ4人だった。彼らの安全を祈る。福岡から遠いし厳しいので、多くの人が登れる山ではない。玄人向きの山である。

山懐の深さに比例して、わが心の奥深くまで沁みた。来年もまた来たいものだ。


2022年4月19日火曜日

傾山遠征(2)ー登頂!

 


 原尻の滝を見学したあとは、タクシーでぽつんと一軒家にでてくるような細い道をくねくねといく。右手西側は祖母山の山壁、左手東側は傾山の山壁、その谷間を分け入る。

ほどなく九折登山口に着く。別名、豊栄鉱山跡登山口。むかしは錫・銅が採れた。花崗岩と石灰岩の境界となっている。花崗岩はマグマが地中深くで冷え固まったものだし、石灰岩は太平洋のサンゴ礁跡である。造山活動の複雑さが思いやられる。

奥岳川沿いはカドミウム汚染の恐れから、鉱害復旧事業が行われている。水は澄んでいるけれども魚影は見かけない。鳥がさえずっている。

今回は三尾コース。旧坑道を歩いて谷を詰めていく。途中、登山道に入り、75mある観音の滝を巻いていく。林道と出会い、三尾の尾根に取り付く。

急な傾斜だ。山が古いせいか、全山、傾斜がきつい。しばらくすると数百年はあろうかと思われるモミやツガの巨木が並んでいる。強風と上部が折れてしまったものも少なくない。ときおりヒメシャラのすべすべ樹はだが混じる。

稜線が近づくと、ミツバツツジ、アケボノツツジが咲き誇り、われわれの疲れた体を癒やしていくれた。昼食後、ようやく三尾に到着。

天気予報では曇りのはずが、いつまでも雨があがらない。シャツがぐしょぐしょだ。アブラチャンも雨に濡れて輝いている。

山頂付近は岩稜で厳しい。二つ坊主、三つ坊主と呼ばれている。日本むかし話に「吉作落とし」というのがある。吉作が岩稜にはえる岩茸を採りに行き、滑落して死んだ話だ。たしかに険しい山だ。その上、気温も低下し、雹かアラレのようなものまで降り出した。

傾山の山頂は1602メートル。ガスガスだが、マンサクが咲いていた。山の季節は2月から5月の花まで凝縮されている。

山頂付近は、アセビの花も満開だ。ミツバツツジと競演している。ガレガレの厳しい山に美しい花々のとりあわせ。これぞツンデレの極北。惚れてしまうやないか~。

2012年10月4日木曜日

奥山に紅葉ふみわけby.福岡県筑紫野市の弁護士





燧ガ岳の中腹をあえぎあえぎ登っていると
達者な女性が追いぬいていきました。

駅の階段の1段抜かしぐらいの
勢いです。

年齢はボクとおなじか
すこし上か?

人間,修練すれば
いくらでもタフになれるものですね。


ところで,その人は背中に
「シカ監視員」の腕章をぶらさげていました。

そのためのアイテムでしょうか
双眼鏡も。

シカといえば
可愛いイメージ。

でも増えすぎると
問題をひきおこします。

さいきんは,どこの山も
「鹿害」に頭をいためています。

シカが増えすぎて,植物の新芽などを
食べ尽くしてしまい,植生をこわしてしまうのです。

ちかく日光の湿原などは
金網をはりめぐらしているぐらい。

尾瀬でもやはりおなじ問題があり
「シカ監視員」なる人たちが必要なのでしょう。


その後,シカがいないかと気をくばりましたが
肉眼で目撃することはかないませんでした。

が,夜半,尾瀬湿原のなか
弥四郎小屋で寝ていると聞こえてきました。

キャヒィ~~ン。
シカの鳴き声。

牡鹿がメスを求めているのでしょうか
もの悲しい。

  奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
            声きく時ぞ 秋は悲しき

                       猿丸太夫
 


シカの鳴き声もある程度はなれると
このように風情があります。

でも,ほんのちかくで聞くと
女性の叫び声にきこえます。

いちど,祖母山でひとりテントで寝ていると
すぐ横でシカがキャ~~と鳴き,驚いて目が覚めました。


なにごとも(シカの数も鳴き声も)
過ぎたるはおよばざるがごとし。

                     弁護士 浦田秀徳

2012年6月8日金曜日

ナツツバキ by.福岡県筑紫野市の弁護士ブログ



 ナツツバキ(夏椿)。
 名前のとおりツバキの仲間の落葉高木。

 朝の通勤途中
 団地のプロムナードで咲いていました。

 ツバキの仲間ですが
 まず花の色が紅白でちがいますね。

 あちらは照葉樹で冬でも葉をつけますが
 こちらは落葉します。

 花期も,ツバキは冬~春ですが
 こちらはいまの時期です。

 別名はシャラノキ(娑羅樹)。
 『平家物語』冒頭で有名な沙羅双樹から。

 でも実は別種
 むかしのお坊さんが間違えたのだとか。

 ナツツバキ=シャラノキより小さい花を咲かせる
 ヒメ・シャラという木もあります。

 祖母山など山に入ると
 赤褐色で滑らかな木肌が目をひきます。
 
 まるでそこら辺だけ
 お座敷になったような感じ。

 かくてナツツバキを見かけると
 祖母山に登りたくなるのでした。

          ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年3月5日月曜日

ディア・フレンズ by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 もう先々週のことになりますが
 由布岳(1,583m)に登りました。

 JR湯布院駅前や温泉街から東を臨むと
 堂々として,かつ,美しい山容が望めます。

 豊後富士と呼ばれるだけあって
 美しい円錐形をなしています。

 九重山や祖母山からも見えます。
 山頂が2つある双耳峰なので,はっきり識別できます。

 温泉街からも登れるのですが
 普通は,別府側に少し登った正面登山口から。

 金鱗湖をすぎてしばらくるすと
 すばらしい草原になります。

 正面登山口からしばらくも
 草原のなかの道を行くことになります。

 この日は午後から天気が回復する予報だったものの
 朝方降り出した雪が積もり,さらに粉雪舞う不安な天候でした。

 そんななか,視界の左隅をちらちらするものがあるので
 粉雪が舞うせいかと思いつつも目をこらすとシカの群れでした。

 最初に4匹,しばらくして3匹の合計7匹が
 左手の草原から前方100mあたりを横切っていきました。

 横切るちょと手前で足を止め
 こちらの様子をうかがっています。

 手持ちのコンパクト・デジカメで最大まで望遠にして
 ようやくとらえることができました。

 山姿,雪景色,樹や花,空に雲,岩に水など
 山の魅力はたくさんあります。

 でもやはり野生の生きものに接したときの感動は
 格別です。

 ラッキーな7匹のシカに出会えたことは
 なにかよい兆しでしょうか。

               ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2012年1月31日火曜日

宝満山の名は? by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 (山頂の岩。「宝満山上宮碑」)

 さてきょうは婚活話からやや脱線して
 宝満山の名前の由来に関する一考察。 

 玉依姫(タマヨリヒメ)が鎮座する山であれば
 玉依山となりそうですが、そうではありません。

 玉依と御笠はほぼ同じ意味なので
 御笠山でいいようですが、いまはそう呼ばれていません。

 祖母山は豊玉姫が鎮座するところ
 豊玉姫は神武天皇の祖母にあたるので祖母山。

 豊玉姫と玉依姫は姉妹ですから
 大叔母山でもよさそうですが、違います。

 玉依姫は豊玉姫の子を養育し神武天皇を産んだとされるので
 母山でもよさそうですが、それも違います。

 じゃ、なぜ宝満山なのか?
 それは玉依姫が別名、宝満大菩薩だから。

 日本人にはもともと神を信じていたところ
 6世紀に仏教が伝来。

 その後神仏は融和し
 10世紀初めころには神仏習合。

 グローバル宗教(といってもアジア限定でしょうが)である仏教の
 日本語バージョンが神道であると理解されるように。

 日本では玉依姫と名乗る神も、仏教の本地インドでは
 宝満大菩薩であるとの理解だったんですね。

 太宰府市が建てた中宮跡の説明板によると
 「この山の本地仏十一面観音」とあります。

 こうして1000年くらいは神仏の仲がよかったのですが
 明治維新ののち仲違いして神仏分離、廃仏毀釈に。

 宝満山の7~8合目にあった中宮も
 廃仏毀釈の憂き目に。

 十一面観音をまつっていた大講堂はとりこわされ
 中宮跡は茅野になりました。

 かくて神仏分離、廃仏毀釈により
 玉依姫≠宝満大菩薩となったはず。

 でもそこは日本人の宗教的おおらかさでしょうか
 宝満山の名は残ったんですねぇ。

 ま、先に挙げたどの候補よりも宝満山。
 なんとなくリッチな気持ちになれますよね。

                   ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2010年11月24日水曜日

 海幸と山幸



 最近、この種の紛争が増えているんでしょ?
 姉弟間の遺産分割調停にあたり
 お客さまに訊かれました。

 よくいわれます。
 でも兄弟姉妹のあらそいは昔からあったはず。

 祖母山の天気からすると
 豊玉姫と玉依姫の姉妹仲はよいようです。

 しかし
 豊玉姫の夫、山幸と海幸の兄弟喧嘩は
 海幸が山幸を攻め寄せるところまで激化。

 豊玉姫姉妹の父・海神の援助で山幸は勝利し
 海幸が服属することになります。
 (海幸は隼人の祖先だとか。ほんとうでしょうか?)

 喧嘩のきっかけは
 海幸が貸した釣り針を山幸がなくすというささいなもの
 現代の兄弟喧嘩とそうかわりません。

 事情は人類最初の兄弟もおなじ。
 兄弟は、エデンの園をおわれたアダムとイブの息子たち
 カインとアベル。

 カインは農耕人、アベルは放牧人。
 カインは作物をアベルは羊を神に捧げるも
 神はアベルをえこひいき。

 嫉妬にかられたカインはアベルを殺害。
 (当然のこととして、人類最初の殺人事件)
 カインはエデンの東、流離の地に追放されてしまいます。
 (エデンの東に刑務所があったのでしょうか?)

 この旧約の物語に取材したのが
 ジョン・スタインベックの小説「エデンの東」

 ジェームス・ディーン演じる映画のほうが有名ですが
 テレビドラマのほうが好きでした。

 舞台は、19世紀後半から第一次世界大戦に至る時期の
 アメリカ合衆国カリフォルニア州サリナス

 物語は、父親からの愛を切望する息子の葛藤、反発、和解を描いたもの。

 ここでは、弟によって母に引き合わされた兄のほうが
 衝撃のあまり軍に入隊して前線へと向かい、戦死(旧約とは逆)。

 最近ではジェフリー・アーチャーによる「ケインとアベル」。
 こちらでも、アベルの手によりケインに経済的破滅と死が。

 ことほどさように
 兄弟喧嘩というのは普遍的な現象でしょう。
 殺人にまでいたるものは少数だとしても。

 古事記には姉弟喧嘩もあります。
 高天原を追放されたスサノヲが
 アマテラスが治める高天原へと登っていくと
 アマテラスはスサノヲが高天原を奪いに来たのだと思い
 弓矢を携えて彼を迎えたとされます。

 兄弟姉妹の間における紛争は
 遺産相続が一般的。

 ともすれば財産の分割だけに関心がむけられがちですが
 実際にそこで隠れた問題となっているのは
 兄弟姉妹間の葛藤、親に愛されなかったという感情
 だったりします。

 財産問題だけに目を奪われていては
 真の紛争解決ができません。

 民法906条も
 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質
 各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況
 その他一切の事情を考慮してこれをする
 と定めています。

 映画「エデンの東」のラストでは
 父が息子を必要としているというメッセージを伝えることで
 キャルの心の救済と父子の和解が成立。

 お隣の国どうしの兄弟喧嘩も
 なんとかうまく和解してほしいと願います。
 

2010年11月23日火曜日

 ヒメシャラ~祖母山の樹~



 祖母山中を歩いていると
 あちこちに目をひくオブジェが…
 とおもいきや
 ヒメシャラ。

 ほんとうに惹きつけられる樹影です。
 山中あちこちに床柱がたっているような。
 山の神の床の間でしょうか?
 
 ヒメシャラは姫・沙羅。
 沙羅は、あの沙羅双樹の沙羅。

 平家物語の冒頭に

 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす
 驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し
 猛き人もついに滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ

 と出てくるやつです。
 (再来年の大河は平清盛)

 日本では沙羅はナツツバキのこととされています。
 (インドではちがうようです)

 お釈迦さまの入滅の舞台にふさわしい
 おごそかな雰囲気をかもしています。 

 ナツツバキより葉も花も小さいため「姫」沙羅。
 でも樹はごらんのとおりの大きさです。

 樹皮がすべすべしているためにサルスベリとも呼ばれます。
 さわるとひんやりとします。

 ふつう百日紅がサルスベリと呼ばれてますよね。
 考えてみれば
 百日も紅いきれいな花をさかせる美人に
 猿もすべるような近寄りがたい女とあだ名をつけるのは
 いかがなものでしょう?

 宝満でもみられるリョウブの樹もにていて
 やはりサルスベリと呼ばれることがあるものの
 ヒメシャラの方がお肌のすべすべ感が強いようです。

 豊玉姫がお肌のケアを怠らないせいでしょうか
 それともヒアルロン酸の多寡でしょうか? 

 そういうヒメシャラですが
 パイオニア的な性質を持ち
 やや荒れた森林によく出現するのだとか。

 ほろびの美をたたえた花をさかせ
 おごそかな雰囲気をかもし
 すべすべのひんやりとした肌をもち
 しかもパイオニア精神をもつ…。

 「ほれてまうやろ~」
  
 

2010年11月22日月曜日

 祖母山



 きょうは小雪

 週末は、お仲間4人で祖母山(1756m 大分・宮崎県境)
 よいお天気でした。

 20日(土)
 博多→大分→緒方→尾平登山口→川上渓谷散策→ほしこがイン(泊)

 21日(日)
 ほしこがイン→尾平登山口→川上渓谷→黒金尾根→天狗の岩屋→
 山頂(昼食)→九合目小屋→馬の背→宮の原→尾平登山口→
 ほしこがイン(入浴)→緒方→大分→博多

 紅葉は残念ながら盛りをすぎていました。
 またことしはカモシカの鳴き声を聞くことができず。
 それでもさすがモミ・ツガなどの原生林
 渓谷・断崖・岩場などの自然を満喫。

 ほしこがインでは独特のもてなしを受け
 天狗岩ふきんでは自称ヨンさまをふくむ
 韓国人グループと交歓しました。

 なぜ祖母山なのか?
 とうさん、かあさんではなく。

 そのわけは
 祖母山が神武天皇の祖母さん
 豊玉姫(とよたまひめ)をまつることから。

 豊玉姫は宝満山におわす玉依姫の姉
 海神(わたつみ)の娘です。
 海神の娘たちがなぜか山の神になっておわします。

 豊玉姫はまたあの海幸、山幸のうち
 山幸の妻。
 海神がなぜか山幸に味方したんですね。

 なんらかの歴史的事実を踏まえているのか
 それともなんらかの比喩的表現なんでしょうか?
 (解明は研究者やファンにおまかせします。)

 豊玉姫と山幸の子がウガヤフキアヘズ
 なんと玉依姫の夫です。
 つまり、玉依姫は妹であり、また息子の嫁。
 姑嫁でもあるんですね。

 憲法24条1項は
 婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し
 夫婦が同等の権利を有することを基本として
 相互の協力により、維持されなければならない
 と定め
 両性の合意のみで婚姻が成立することを宣言しています。

 ただし
 同条2項は
 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに
 婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては
 法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して
 制定されなければならない
 とも定めています。

 この「法律」が
 民法の「親族」・「相続」編です。

 民法734条1項本文は
 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では
 婚姻をすることができない
 と定めています。

 原則として両性の合意のみで婚姻が成立することの
 例外規定です。
 インセスト・タブーにもとづくもので
 これに反するものが近親婚と呼ばれています。

 近親婚・近親相姦の悲劇で有名なのは
 オイディプスコンプレックス(byフロイト)の由来
 テーバイのオイディプス王。

 国に災いをもたらした先王の殺人犯を追及したところ
 それが実は自分であり
 さらに母と交わって子をもうけていたことを知り
 自ら目を潰し、退位。

 ヨーロッパの王室が近親婚のため
 血友病に悩まされていたことも知られています。

 民法734条1項本文の定める
 直系血族の間とは
 親子間、祖父母孫間。

 三親等内の傍系血族の間とは
 兄弟姉妹間、おじおば・おいめい間。
 父母1親等 兄弟姉妹2親等 甥姪3親等
 なので(親等の計算 726条)。

 玉依姫とウガヤフキアヘズは
 おば・おいの関係ですから
 民法によれば婚姻できません。

 もっともことが皇位に関することだとすれば
 国会の議決した皇室典範の定めによります(憲法2条)。

 この意味でも
 民法は市「民」の「法」なんですね。

 われわれは仕事がら
 姉妹ときけば、すわ姉妹喧嘩か?
 姑嫁ときけば、すわ姑嫁バトルか?
 と心配してしまいます。

 豊玉姫と玉依姫のばあい
 姉妹×姑嫁なのでさぞや…。

 宝満山=玉依姫びいきの僕としては
 どんなあつかいを受けるものやらと不安でしたが
 雲ひとつないド快晴の大歓迎を受けました。
 ありがとうございました。

 (以上、古事記等の記載によります。なので
 史実とちがうなどのご批判はなしということで)