2016年3月12日土曜日

「成年後見」と「任意後見」


日本は、少子化が進み、高齢者の割合が増えています。

 

・お父さんが知らない人にお金を渡しているみたい

・お母さんと同居している兄がお母さんのお金を勝手に使っている

・お母さんが家を尋ねてきた人から高い布団を買ってしまったなど

ご家族のことでご相談に来られる方も増えている印象です。

 

加齢にともなって、前は出来ていたことや判断出来ていたことが出来なくなるのはやむを得ない部分もありますが、トラブルになりやすいのも実情だと思います。

 

そのようなときに活用できるのが「成年後見(法定後見)」という制度です。

これは、判断能力が十分ではない人に代わって財産管理等をする人を選任する制度です。

他方、判断能力はまだあるのだけど、今後が不安という場合もあります。

そのようなときに活用できるのが「任意後見」という制度です。

これは、将来判断能力がなくなったときに備えて、援助する人を選んでおく制度です。

 

どちらの制度を用いるかは、個別的な判断になります。

私たちは、申立て方法のアドバイスや後見人候補者になる等のサポートを含め、その方にとってよりよい解決方法を提案したいと考えています。

 

大切なご家族を守るためにもこれらの制度の利用を一度ご検討してはいかがでしょうか。

2016年2月23日火曜日

ヤドリギ(寄生木)



 福岡市美術館の裏で寄生木が金色に輝いていた。
 冬枯れの樹に葉を輝かすヤドリギは,強い生命のイメージを喚起するのだろうか。
 社会人類学の古典,フレイザーの『金枝篇』の金枝はヤドリギの枝のことだ。
 
 フランスでは,ヤドリギを新年に飾るらしい。
 先日読み終えた『失われた時を求めて』にも出ていた。
 「木々は固有の生命によって生き続けていて,葉が落ちた後でも,木々の命は幹を包む緑色のビロードの鞘の上や,ポプラの梢に点在する寄生木の球体の白い琺瑯質の中で輝く・・」(光文社・高遠弘美訳)
 
 わが国でも万葉の時代,寄生木を頭にかざすと,いく久しき寿を呼ぶと信じられていたようだ。
  あしびきの 山の木末の 寄生取りて
  挿頭しつらくは 千年寿くとぞ
                   大伴家持

 ケルト神話でも,幸福・安全・幸運をもたらす聖なる木で,非常に縁起がよいのだとか。
 こうして,ヤドリギの下では女子は男子からのキスを断らない風習が生まれたらしい。

 先日BSで,サンドラブロック主演の「あなたが寝ている間に」という映画を放映していた。
 そのなかで,この風習が紹介されていた。
 現代アメリカでもそのように信じられているということだろう。

 ちくし法律事務所も,寄生木のような存在でありたいと思います。

2016年2月21日日曜日

契約書がないんです・・・

民法のおはなし
このブログをお読みの皆さん
朝起きてから、今の瞬間までに、あなたはどんな契約をしましたか?

妻に朝食を作ってあげた
子どもを保育園に預けた
自動販売機で、缶コーヒー買った
職場まで、電車とバスに乗った
会社のために、一生懸命働いた
居酒屋で飲んで、カラオケにも行った

これって、全部、契約ですね
契約って、どんな内容でもよいという原則があります
(老婆心ながら、殺人契約とか、不倫の契約なんてのはだめですよ)
”こうして欲しいな”と言う人がいて、”そうしてあげるよ”と言う人がいれば、契約は完全に成立しています
口約束でいいんです
それどこか、自動販売機とは口もきいていないくらいですね

そうやって、私たちの日常は、ものすごい数の契約で成り立っています

懐かしい再会~トラブル発生
10代後半のある青年のお手伝いをしたことがありました
あれから15年
33歳 2人のかわいい子どもたちをもつお父さんになった彼が、事務所に来ました
一人前の大工として日々忙しくしている
なんて話を聞くと、まるでわが子の成長をみるかの思いになります

おっと、弁護士なんて因果な商売なひとのところに、そんな素敵な話だけをしに来られたはずはないですね
トラブル発生です
「いい仕事をしたのに、元請が代金を支払ってくれない!」
「契約書もないんです!」
とあわてた様子

さてさて、民法のお話からすれば、どうでしょうか。
元請から”仕事やってくれ”と言われて、元青年が”はいよ”って言って仕事したんだから、請負契約は完全に成立しています

神様がいてくれたら、これで、元青年の勝利確定

ところが
神様のいない悲しいこの世では、どうなるんでしょうか。

さてどうする?
まずは、弁護士として、元青年の代理人となって、相手方と交渉をすることができます

それでも相手方が応じなければ、裁判をするほかありません
裁判では、裁判官に、契約のあるなしを決めてもらうことになります
残念なことに、裁判官は神様ではなくて、私たちと同じ人間にすぎません
そこで、登場するのが「証拠」です
もちろん、必要事項が全部書かれている契約書があれば、元青年の勝利が確信できます
でも、契約書がなくても、あきらめることはありません
相手方とやり取りをした請求書、見積書、手紙、ファックス、メモ用紙
残っているありとあらゆるものを「証拠」として使うことができます
契約書がないというだけで、あきらめることはないのです

教訓ちくし法律事務所では多数の請負代金請求の事案を扱ってきました
逆の言い方をすれば、大工さんの世界は、口約束をひっくり返されるというトラブルが多い職場であるということですね
裁判で勝負をつけることができるとはいえ、できればスムーズに支払いをしてほしいところ
です
是非、契約書をもらうことを心がけてください

ついでに注意~時効請負代金は、3年という短い期間で時効にかかってしまいます
是非、早期の解決をお勧めいたします


2016年2月12日金曜日

離婚の財産分与 ~ 将来の退職金


離婚のご相談で、盲点となりやすいのが、将来の退職金です。

例えば、夫が57歳で、職場の定年が60歳。主婦の妻と離婚の協議をしている。
というご相談であれば、退職金は盲点になりません。
将来の退職金について妻への分与は認められるでしょう。
あとは、貯蓄などがあって、離婚時に、退職金の分与を清算できるのか?
それとも、退職金が支払われた後に清算ことにするのか?
状況に応じた交渉をしていくことになります。

では、夫が57歳ではなくて、もっと年齢が低かったら??
私が経験した事例では、夫が52歳(中小企業の会社員)だったのですが、家庭裁判所の調停委員は
  「うーん、分与を認めるべきかどうか、、、微妙・・・」
という顔をしていました。
最終的には夫婦の合意がうまく整いましたので、裁判所が結論を出すまでには至りませんでした。
実際の調停の現場での将来の退職金の取り扱いというのは、こんな感じなのです。

また、少し事例を変えてみましょう。
夫が52歳というところは同じでも、妻が不倫をして慰謝料の支払義務が認められそうだったら?
このときに、例えば、妻の側から、
  「将来の退職金は精算しなくてもよいので、
   その代わりに慰謝料の支払を免除(又は減額)してほしい」
と切り出すのは、かなり有効な手段だろうと思います。
調停委員も、話に乗ってくることが多いのではないでしょうか。
将来の退職金を現実に分与させるまでのハードルと、
分与の話を切り口に慰謝料を免除(又は減額)させるまでのハードルは、
違う(後者のハードルが低い)ということなのです。

離婚にまつわる法的な処理の実際というのは、本当にいろいろな糸が絡み合っています。
書籍やネット記事の知識だけで実際の現場にのぞむと、「えっ」と思うことも多いと思います。
そうならないようにするのが、私たちの仕事なのです。

弁護士田中謙二

2016年2月9日火曜日

これも、遺言っていえる?



 大切な人が亡くなるという出来事。
 残された家族の悲しみは、なかなか癒えるものではありません。
 誰にとっても大切だった故人。
 それぞれの家族(相続人)がその故人の思いを大切にしたいと考え、「故人の思いを実現したい。」と言われる場面をよく目にします。
 
 故人の思いは、受け手によって随分と違うもの。
 本当の気持ちは、生前によく話を聞いておくこと、法的なもの・遺産に関するものは、遺言書に書いてもらうことをお勧めします。
それが、相続人どおしの争いごとを防止することにもなります。
 そこで出てくる遺言書ですが、よく「やっぱり、公正証書でないダメでしょう?」と聞かれることがあります。
 たしかに、公正証書遺言であれば、検認(家庭裁判所における手続き)が不要ですし、有効無効が争われる確率は低いです。
 ですが、自筆証書遺言も、形式的な要件さえ満たしていれば立派な遺言といえます。
 自筆証書遺言の要件は、
   ・全文を自書すること
    (名前だけ自筆で、本文がワープロなどはNG)
   ・日付の記載があること
   ・署名押印があること
です。
  
 そして、遺言は、その解釈にあたっては出来るだけ遺言者の真意を探求すべきであると言われています。
ですから、一見メモのように見えるものでも、少々分かりにくい記載があっても、なるべく遺言者の真意を読み解くように解釈していくものです。
 故人が作成された文書がある場合、「これじゃぁダメでは。。」と簡単にあきらめず、ぜひ一度相談してみてください。
 私たちは、なるべく故人の思いに沿うような解決のお手伝いがしたいと思っています。

2016年1月29日金曜日

積もり積もったあとには…


先週末から今週にかけて,筑紫地区には大寒波。
大雪や水道管の凍結など,
多くの被害がでてしまったようです。

それにしても,
「雪」,すごい勢いで積もりましたね。
私がこの地域に来てから3年たちましたが,
これまでになかった量が積もりました。



さて,
今日の私のお話は,
「雪」のようにすごい勢いで
積み重なってしまう「借金」についてです。

(うまい! 座布団2枚!! ……。)



いわゆるサラ金やクレジットカードのキャッシング等,
今の日本では,
お金を簡単に借りられるようになってしまっています。

その分,

「気づかないうちに積もり過ぎて,
もうどうにもできない状況になってしまった」

というご相談が非常に多くなっています。


借金の中でも気を付けたいのは,

住宅ローン   です。


月々,それなりに大きな金額を何十年間と
払い続けなければいけません。

・怪我をして,長期入院してしまった。
・勤務先が倒産してしまった。
・親の介護をするために仕事を変えなければならなくなった。
・子どもの学費が増えてきて,ローン返済が苦しくなった。


事情は人それぞれですが,
どれも他人事ではありません。


自己破産の申立をすると,
自宅を手放さなければならなくなる可能性が
極めて高い。

そこで活用したいのが,

個人再生手続の「住宅貸付債権に関する特則」
いわゆる「住宅ローン特則」です。

ほぼ今まで通りの支払いを継続して
ご自宅を残すことができる仕組みです。


ただし,住宅ローンの支払の滞納分があると,
それを事前に解消するよう求められることが多く,
滞納が3か月分を超えてくると,
一筋縄ではいきません。


ですから,
1か月分でも滞納してしまったときは,
まず一度,ご相談にお越しください。

早めにご相談をいただければ,
その先の対応もスムーズです。

大切なものをきちんと守るためにも,
ぜひ弁護士をご活用ください。


(森)



2016年1月22日金曜日

交通事故研修に行ってきました


 先日、交通事故についての研修に行ってきました。


 そこでお話しをされた方の言葉で、強く印象に残ったものがあります。

 交通事故の被害者にとって、いい弁護士とはどんな弁護士か?という問いに対する答えです。


 交通事故に関する知識がたくさんある弁護士でしょうか?交通事故をたくさん扱っている弁護士でしょうか?それとも、保険会社との交渉に強い弁護士でしょうか。

その方の答えは、違いました
 

「被害者の話を聞いてくれる弁護士。何でも知っていますよという様子の弁護士はあまり信用できない」というものでした。

 

 弁護士も何でも知っているわけではありません。

事実を丁寧に繰り返し確認し、そこから、似たような交通事故や症例はないか、参考になる文献はないか、例外的に請求が認められる場合はないか等、徹底的に調査します。事実が1つ違うだけで、結論が変わることもあります。

例えば、いわゆる主婦の方も、年齢や家事労働の状況等を考慮して、適切な額の休業損害や逸失利益を請求できます。

 なので、まずは、被害者の人の声を聞かないことには、適切なアドバイスは出来ません。

 また、誰かに話しを聞いてもらうというだけで、気持ちが楽になることもあります。

 このような理由から、当事務所では、交通事故の内容や被害実態の聴取りに力を入れています。
 

そのことの大切さを改めて確認できた研修でした。


なお、当事務所では、交通事故の初回相談は無料です。ぜひ、お話をしに来て下さい。