2012年1月26日木曜日

竈戸神社・上宮 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 再会の木や愛敬の岩は宝満山の山頂のほうにもあるんやね~
 と思った人がいたら、その逆。

 山頂付近にあった再会の木や愛敬の岩を
 いわば勧請したものが麓の竈門神社にある木と岩です。

 そもそも竈門神社も、麓にあるのは下宮で
 山頂に上宮があります。

 これまで竈門神社(下宮)にはなんども参っているのに
 いまだに彼氏・彼女ができん!という人もいるでしょう。

 そういう人は一度、宝満山にのぼって
 上宮にお願いしてみてください。

 徒然草に「仁和寺にある法師」というのがありますが
 アレみたいなものです。

  仁和寺に、ある法師、年寄るまで、石清水を拝まざりければ
  心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、徒歩より詣でけり。

  極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
  さて、かたへの人にあひて

  「年ごろ思ひつること、果し侍りぬ。
  聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。

  そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど
  神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。

  すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。

 仁和寺のお坊さんが石清水八幡宮をはじめてひとり詣でにでかけた際に
 麓の極楽寺などを拝んだだけで、山上にある本体を見損ねたという残念な話。

 中学生のときに暗記したものです。
 え、「徒然草」知らない?

 大丈夫。いまNHK・eテレの「100分 de 名著」
 シリーズでやってます。ご覧ください。

 え、上宮にもしょっちゅうお願いしているけれども
 彼氏・彼女ができない?

 そのワケは
 こうです。

 じつは竈戸神社は三位一体ならぬ
 三社一体の神社なのです。

 7合目から8合目にむかう途中(芭蕉句碑のちょっと上)に
 中宮跡があります。

 そのむかし竈戸神社は
 この中宮と、上宮、下宮の3つで三社一体。

 中宮は明治時代・廃仏毀釈の嵐のなか破壊され
 いまはもう残っていません。夏草や坊さんたちが夢の跡…。

 というわけで、下宮にくわえて上宮に参っても
 彼氏・彼女ができないということがあるのかも。

 宝満山の婚活スポットとしてのパワーも
 完璧ではないんですねぇ…。残念!

                 ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

0 件のコメント:

コメントを投稿