2012年1月24日火曜日

再会の木 by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 庭にクリの木を植えると
 極楽に行けるよ。

 なぜなら、栗は西に木と書くので
 西方・極楽浄土に通じるから。

 あはは…。
 こんなことをいうと、若い人にまた親父ギャグと笑われそう。

 でもきのう紹介したように
 松尾芭蕉の「おくの細道」に書いてあるといえばどうでしょう?

 芭蕉の権威で、若い人たちも「ははあ~」といってくれるでしょうか?
 それとも「芭蕉ってだれ?」。

 とまれ芭蕉が訪ねた須賀川の宿ちかくに
 大きな栗の木陰をたのみて世をいとう僧がいました。

 そこへ芭蕉が訪ねていき、橡ひろふ太山もかくやと覚えたわけです。
 (♪大きな栗の木の下で、あなたとわたし~)

 また奈良時代の僧・行基(近鉄奈良駅前にいる人)も一生
 杖や柱に栗の木を用いられたとか。

 すでに奈良時代から
 そう信じられていたもよう。

 いまの時期、ナンテンが庭に赤い実をつけてますね。ナンテンも
 「難(ナン)を転(テン)ずる」ことから、縁起の良い木とされます。

 さらに福寿草とセットにすれば
 「災い転じて福となす」とか。ことかえ(言替え)ですね。

 単なるシャレではなく
 言葉には魂が宿っているからです(言霊、言魂)。

 声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与え
 良い言葉を発すると良い事が、不吉な言葉を発すると凶事が起こる。

 なぜか?
 これまた「言」と「事」がおなじものだから。

 結婚式での忌み言葉も言霊の思想に基づきます。
 「終わり」とか「割れる」とかいっちゃダメというアレです。

 日本は言魂の力によって幸せがもたらされる国
 「言霊の幸はふ国」なわけです。

 最近ではこのような呪術的な理解は
 さすがにうすれつつあります。

 でも人が言葉にしばられる生きものであることに変わりはなく
 よい言葉をたくさん発する人が幸せになるというのは経験的事実でしょう。

 メンタルトレーニングやコーチング、その他心理学・教育学的にも
 言葉を発することの重要性が指摘されているようです。

 そこで「再会の木」。
 宝満山から三郡山へむかう途中右におりると座主跡・キャンプ場に出ます。

 山頂にむかって左手・細い道をくだると、いわゆる女道。
 20メートルほどくだると右側にあります。 

 サイカチ(皁莢)の木です。
 ジャケツイバラ科あるいはマメ科の落葉高木。

 落葉樹ですから
 いまの時期は葉を落としています。

 この木に向かって好きな人と再会できるように祈れば
 願いがかなうと伝えられているとか。

 “えんむすび”の木であると
 竈門神社の説明が書いてあります。

 これもやはりサイカチがサイカイ(再会)と
 ナマったものでしょう。

 でも信じて言葉を発すれば
 必ず効果を発することでしょう。まさしく愛の言霊。

 ♪大きなサイカチの木の下で
 あなたとわたし…。

 再会できそうでできなかった「君の名は」
 真知子と春樹にもだれか教えてあげてください。

 宝満山頂までのぼる元気がないとお嘆きのあなたも
 心配いりません。

 サイズは小ぶりですが
 麓の竈戸神社・拝殿の右隣にもあります。

 またまたいま東京転勤中というあなたも
 心配いりません。

 日比谷公園にもあります。
 日弁連前の信号をわたり、50メートル東に入ったあたり。

 どなたさまも
 おためしあれ。

            ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

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