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2013年1月8日火曜日

筑波嶺




正月なので
百人一首の話題からもう少し。


きのうの光孝天皇の前の天皇は
陽成天皇。

退位して上皇になってからは
陽成院。

 筑波嶺の 峰より落つる みなの川
           恋ぞつもりて 淵となりぬる

あなたを恋そめた心が積もり積もって
深い淵となったんです!

彼が光孝天皇の第3皇女に
送った恋歌である。

百人一首に採られた名歌だけに
同女の心もとらえたのか,後に結婚している。


ん?先に天皇になった陽成天皇が
後に天皇になった光孝天皇の娘と結婚?

先に紹介したとおり光孝天皇の即位は55歳
対する陽成天皇は9歳なので。

陽成天皇については光孝天皇とちがい
悪いエピソードがおおい。

しかし,当時の権力者・藤原基経に政略的に
退位させられていることから,中傷らしい。

権力者によって
歴史が改ざんされる例だろうか。

しかし,さすがの基経も
歌までは改変できなかったよう。


筑波嶺は,茨城県にある
筑波山(876m)。

日本百名山のなかでは
もっとも楽に登れる山であろう。

おまけにケーブルカーと
ロープウェイまである。楽ちん。

百名山も低い山から順に登ると
以外と登りやすいのだ。


山容は東に女体山,西に男体山の
双耳峰になっている。

みなの川は
男女川。

女体山と男体山のあいだに
御幸ガ原という鞍部がある。

そこから
南方に流れている。

面登山道のばあい
筑波山神社から中ノ茶屋をすぎてしばらく。


百名山の基準は
1500m超であるが,例外もある。

例外的に有名である場合だとか
美しい場合だとか。

九州本島の最南端の百名山
開聞岳は美しいほうの例外である。


これにたいする筑波山は
有名なほうの例外。

その理由は
筑波山のもつ歴史。

古代,歌垣(かがひ)の場
として有名。


春と秋に
東国一円の男女が集まってくる。

歌を掛けあう求愛遊びだが
意気投合すれば一夜をすごす結婚の儀式に。

古代における
いちだい婚活イベントであったろう。

さそかし恋がつもって
淵となったことだろう。

2013年1月7日月曜日

君がため若菜摘む





新年あけまして
おめでとうございます。

21013年(平成25年)の幕開け
今年はどんな年になるだろうか。

年賀状を拝見していても
みな明るい年だと見とおせないようだ。

でもそこは言霊のくに
よい年になりますように。


きょうは1月7日で
七草の節句。

七草の原点は
古代の若菜摘みだとか。

年初に雪の間から芽を出した
草を摘む風習らしい。

若菜を食べると
邪気を払い,病気にならないと信じられた。


 
  君がため 春の野に出でて 若菜摘む
              わが衣手に 雪は降りつつ
  
                            光孝天皇


『百人一首』屈指の美しい歌とされる。
(以下も含め角川文庫のビギナーズ・クラッシクス)

「君がため…」の「君」が誰かについては
諸説あるらしい。


光孝天皇は
即位したとき55歳。

苦労人の風貌があり
家臣への気配りや清貧の逸話が。

宴席で給仕役が天皇の膳に粗相をした際
灯りを吹き消して,気遣ったという。


志賀直哉の『小僧の神様』ではないが
あえてここで擱筆しよう。

わが身や政治に言及することも考えたが
いわぬが花ということもあろう。

2012年1月10日火曜日

春の七種



ブログが休みのあいだに季節がめぐり
7日:人日(じんじつ)、9日:成人式でした。

人日は、五節句の一つ。
七草の節句ともいい、七種粥を食べます。

古来中国では、正月の1日を鶏、2日を犬、3日を猪、4日を羊
5日を牛、6日を馬、7日を人の日に。

それぞれの日にはその動物を殺さないようにし
人日には犯罪者に対する刑罰は行わないことにしていたことから。

この日に7種類の野菜を入れたあつものを食べる習慣があり
日本に伝わって七種粥となった。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ
スズナ、スズシロ。

邪気を払い万病を除くものとして食べる。
呪術的な意味ばかりでなく、痛飲した正月の腹休めにも実際なるとか。

春の七種(七草)のことを
若菜とも。

   君がため 春の野に出でて 若菜摘む

           わが衣手に 雪は降りつつ

                       光孝天皇

これは3月はじめころの歌かと思いきや
正月の歌なのですね。

というわけで、君(ブログの読者)がため、春の野に出でて
若菜を撮ろうとしましたが、意外に見つからず。

風邪をひいているためセリのある沢まではムリとしても
ナズナくらいはあるだとうとタカをくくっていたのですが。

しばらくして畑でスズシロ(ダイコン)を見つけましたが
あいにく畑守のおじさんが。畑守は見ずや…と断念。

ようやく見つけたのが
ゴギョウ(ハハコグサ)。

冬枯れのせいかすこし元気がないですが
邪気を払い万病を除いてくださいまし(せめてこの風邪なりと)。