(きつねのお手紙@四王寺山)
すこしまえになってしまったが、BS-NHKで映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」をやっていた。デヴィッド・フィンチャー監督、ブラッド・ピット主演。
生まれた時はおじいさんで、それからどんどん若返り、ついには赤ん坊になる男の人生。劇場でみた記憶はあるが、そのときはあまり感動しなかった。こんど見て、なかなかよい作品と思った。
結局、「生まれた時はおじいさんで、それからどんどん若返る」という設定を受け要られるかどうかだろうか。これが受け入れられないと作品世界に入っていけない。こんかいは2度目の鑑賞ということもあって、この設定は邪魔にならなかった。
問われていることは「人生とは何なのか」だ。われわれは日々の細かな出来事に流され、日常が些事におおいつくされてしまっている。立ち止まって、「人生とは何なのか」について思いを致すことが難しい。映画は、日々の生活を一時停止にしてくれる。そしてときどきこの問いを考えるきっかけと時間を与えてくれる。
「人生とは何なのか」を考えさせるきっかけは多い。主人公が不治の病におかされたり、愛する人が突然亡くなったり。これらのきっかけは、これまでなんども語られてきた。
そこで考えられたのが、人生が逆回りになったらどうだろうという問いだろう。自分はどんどん若くなっていく。他方で、愛する人たちはどんどん老けていく。愛が深ければ深いほど耐えられない。別れざるをえない。・・そんな映画。
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