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20日「下山後の楽しみ」では、登山の翌日、安曇野観光をしたとだけ書いた。具体的には、大王わさび農場と穂高神社を訪ねた。
そうしたら先日、ブラタモリで安曇野をやっていた。タモリが訪ねたのも同じところだった。まず、大王わさび農場。
われわれは無邪気にワサビ味のソフトクリームおいしい!などとやってきただけ。タモリはちがう。なぜ、ここにワサビ田があるのかというところからはじまる。たしかに。
ワサビは伊豆などの山間の沢でしか育たないと思っていた(石川さゆりの「天城越え」の歌詞参照)。安曇野は野というぐらいだから平野(盆地)である。
しかし農場は、わさび田湧水群の一角にある。安曇野は松本盆地の北部にあり、北アルプスの山々に降った雨が梓川や穂高川となって扇状地をつくっている。そこへやはり北アルプスに降って伏流した水が湧水となって出てきている。水清く、ワサビ田に最適となっている。
大王の名は八面大王から。大王はこの地にいたという伝説上の鬼。坂上田村麻呂に退治されたという。農場内に洞窟があり、なかにお墓がある。また神社もある。
次に穂高神社。わさび農場の西、車で10分くらいのところにある。ここにあるのは本宮(里宮)で、上高地に奥宮、奥穂高岳の山頂に嶺宮がある。日本アルプスの総鎮守である。
毎年9月27日に行われる例大祭が有名。われわれが訪れたのは、その前日9月26日。露店が並ぶなど祭礼の準備がなされていた。ブラタモリの撮影も祭礼のとき。おそらく同じころだったのだろう。ニアミス。おしい。
例大祭は御船祭である。あれ?と思わないだろうか。山のなかなのに、なぜ、御船なのか。
その答えは安曇氏は海神であるワタツミの末裔だから。記紀に出てくるという。しかも安住族の出身地は福岡の志賀島あたりとされる。
ヤマトタケルが熊襲征伐に出向く途中、筑紫で土蜘蛛が激しく抵抗したため、志我神(志賀島にある志賀海神社)を祀ったという。かくて穂高神社は福岡とも深いつながりがあるのである。
われわれが穂高岳をめざすのは、かかる古からの縁にひかれてであろうか(笑)。
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