満天はダイヤモンドダストを散らしたよう。振り返れば富山市内の灯りが輝いている。銀と金の灯りだ。稜線にはヘッドランプの明かりが3つ、4つと揺れ、先行する登山者が登っていくのがわかる。
世界が真っ暗から寒色、そして暖色へと色を変えていく。山頂手前で空が白んできた。ぎりぎりだ。間にあうだろうか。
山頂手前で右手に富士山が見えてきた。よい天気だ。さらに右手には南アルプスが連なっている。
山頂だ。やった。間に合った。20人ほどの人たちが日の出をまっている。風がつめたい。雄山神社・峰本社の社務所に身をよせ、風をしのぐ。
東のほう、水平線上に雲がかかっている。雲がどんどん黄金色に輝きを増していく。そして日の出だ。峰本社が鎮座する岩頭がモルゲンロートに輝く。世界の人々にも幸多かれと祈る。
山頂に登る(3003m)。北方を望むと、大汝山ごしに劔岳も朝日に輝いている。立山の最高峰は大汝山だ(3015m)。
片道20分で大汝山まで縦走する。頂上の岩峰に登る。空に深い青が広がる。立山ブルーだ。背景は右に劔岳、左に大日岳。その後ろには富山市内、富山湾が見えている。絶景である。
つらい思いをして、なぜ山に登るのか分からないという人がいる。だが、これだけの天上世界が拝めるのに、なぜ山に登らないのか分からない。
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