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2024年8月7日水曜日

大雪山・旭岳~トムラウシ山縦走(1)

 

 きのう65歳になった。弁護士38年目である。はやいものだ。健康を維持しつつ、仕事と人生を楽しんでいきたい。

健康のバロメーターはやはり登山だろう。難所、難関にいつまでトライすることができるのか。

ことしも6月末に、北海道の大雪山・旭岳~トムラウシ山縦走にトライした。旭岳もトムラウシ山も日本百名山。なかでもトムラウシ山は難関のひとつだ。

総距離にして40キロメートル以上、2泊3日を要する、営業小屋なし、食事・水・寝具などは自分で担いで歩かなければならない、ザックが15キログラムちかくまで膨れ上がる、なかでもカメラが重い、天候が厳しく風強く急変あり、2000メートル級だが緯度が高いのでアルプスの3000メートル級に匹敵する、ヒグマの生息地のなか、白雲岳避難小屋から先はエスケープルートなし、などなど負担と危険がいっぱいだ。

実際、2009年(平成21年)7月には、大量遭難事故が発生している。ツアーガイドを含む8名が低体温症で亡くなった。

これまで4度チャレンジし、2度しか完登できていない。打率5割。いずれも天候悪化が見込まれたため、白雲岳避難小屋から黒岳方面へエスケープした。こんかいが5度目の挑戦だ。はたして縦走できるだろうか。

北海道には梅雨がないといわれる。花の季節は7月上旬だ。しかし7月上旬になると登山者が殺到するので混雑するし、去年はヒグマの母子が出没したため断念した経緯があった。そこでことしは1週間早めて6月末に計画した。

計画をたてると半年前には航空券を予約するので(早いほうが安いという経済的理由)、直前に天候悪化が見込まれても変更はできない。天候悪化が見込まれれば、登山計画のほうを変更するしかない。

大雪山・旭岳の登山口は旭岳温泉であるから、もよりの空港は旭川空港だ。しかし福岡からの直行便はない。羽田を経由しなければならないが、そうすると航空券が割高になってしまう。やむなく直行便が運行している新千歳へ向かう。

年初に大地震に見舞われた能登半島上空を飛行機は通過した。富山湾、立山連峰、後立山連峰が見える。さらにその右奥には富士山の姿も見えた。

2023年7月11日火曜日

賭け

 



 人は2種類にわかれる。宝くじを買う人と買わない人だ。ぼくは後者である。

賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する(刑法185条)。常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。賭博場を開帳した者は、3月以上5年以下の懲役に処する(同186条)。富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する(同187条1項)。

賭博は犯罪である。賭博とは、偶然の輸贏(ゆえい)にお金をかけること。偶然の輸贏とは、当事者において確実に予見しえない事実に関して勝敗を決することをいう。知人・友人間でおこなう賭け麻雀も賭けゴルフも、賭博であり犯罪である。金額の多寡を問わない。

ところが、政府・自治体がこれをやれば犯罪でなくなる。競輪、競馬、競艇、宝くじ等、公営ギャンブルである。

人間の性(さが)として、ときどきギャンブルをして、日頃の憂さを発散しなければならないらしい。そうであれば、どこぞの親分さんがやるより、公営でやるほうがマシ(弊害がすくない)という考えだろう。

この考えであれば、月に○回までとか、年間○○円までとか制限をかけてもよさそうなものであるが、そのような制限をおこなったとはきかない。

依存症になってしまっている人がすくなくない。「連敗をつぎの勝負で回復できる」と考えるようになると、かなりマズイ。

公営だろうと、ギャンブルはギャンブル。本来、犯罪である。さいきんのテレビCMなどのあおりかたは度がすぎてはいやしまいか。

どこぞの親分さんがやるものであろうと公営ギャンブルであろうと、掛金の20~30%をまずは胴元(主催者)が抜く。つまり、賭けをする人に戻ってくるのは70~80%である(いわゆる還元率)。したがって、勝率1%のギャンブルを100回やっても、掛金を100%回収することはできない(確率論的には)。

宝くじを買う人にそういうと、自分は夢を買っているのだらかよいのだという。この理屈をいいだせば、負けを認めたようなものである。そして宝くじの高額当選者が幸せになったという話も聞かない。

自己破産による免責という制度がある。免責が受けられれば、借金が棒引きになる。しかしギャンブルでできた借金は免責の対象とならないとされている。小づかいの範囲内でやっているかぎりは免責が認められる。しかし借金してギャンブルをするようになると微妙だ。

当事者において確実に予見しえない事実に関して勝敗を決することをギャンブルというのであれば、一般の訴訟もじつはギャンブルである。

法律相談の結果、われわれは勝ち筋(勝ち目が70%程度以上あること)、負け筋(勝ち目が30%程度未満であること)、5分5分とあたりをつける。

相談者が100%真実を語るものではないこと、証拠が100%そろうことはないこと、相手方の主張や証拠が100%は予見できないこと、相談を受けた弁護士の判断が100%ただしいことはないこと(弁護士の判断と裁判官の判断が異なることがあること)等により、勝敗予測は100%確実というわけにはいかない。おそらく将来的にAIが行うことになっても、そこは変わらないであろう。つまり、訴訟はすべてギャンブルである。

勝ち筋の事件については、訴訟をすることを勧める。負け筋の事件については、あきらめることを勧める。おなじギャンブルでも、勝ち目が乏しい事件に賭けるのはやめたほういい。

しかし、40年の弁護士経験に照らし、負け筋だと判断したにもかかわらず、異をとなえる方がときにおられる。

正義はかならず勝つとして、自分が勝ったときのことしか思い浮かべられない(水戸黄門や遠山の金さんの見過ぎである。)。いやいや負け筋ですよというと、宝くじを買ったつもりでやりたいとおっしゃる。こうなるとお手上げである。

というわけで、人生においてギャンブルをやらないし、仕事でもあまり負け筋の事件はあきらめるよう勧めている。リスクの高い賭けをしない、安全運転型の人生である。

が、ひとつだけ例外がある。山である。山登りにもリスクがある。遭難件数は年間3000件ほど。1日あたり8人程度遭難している計算になる。登山人口は100万人弱らしいから、単純計算で年0.3%程度のリスクだろうか。

年間に25回登るとして7.5%のリスク。10年で75%か。それなりのリスクである。さらに、北アルプスの岩稜地帯にもよく行くし、冬山にも登るから、一般よりはリスク高めだろう。

知人・友人からも危険だからやめたほうがいいと忠告をいただく。ありがたい。しかし、山の魅力はリスクをうわまわる。リスクを恐れて山に登らない人生はもはや人生と呼べない気がする。そしてそれなりに慎重に行動しているつもりだ。

例年この時期は、大雪山の縦走をおこなっている。1日目の宿泊地は白雲岳避難小屋である。

ことしも準備万端、さあでかけるぞという気持ちであった。ところが出発の2~3日前から宿泊地周辺にヒグマの親子がウロウロしているという情報が。そして宿泊自粛要請(その後に、宿泊禁止令)がだされた。

1つ目の写真は昨年撮影したもの。白雲岳からキャンプ地までおおう雪渓上をキタキツネが歩いている。2つ目の写真は一昨年のもの。2日目のキャンプ場ちかくで撮影したもの。その距離100メートルほど。ヒグマがその気になれば逃げ切れない。

ヒグマも人間を恐れているので、むやみに襲ってくることはない。しかし突然の出会いは危険だ。クマだって、テンパると、なにをするかわからない。子連れの母クマとなると、もっと危険だ。

やむなく今年の大雪山縦走は中止。あまりにリスクが高すぎる。

2023年1月11日水曜日

日本の高山植物 どうやって生きているの?

 




 さいきんの読書といえば芭蕉、プルースト、ジョイスをローテーションで耽読しているのだが、久しぶりに一般書『日本の高山植物 どうやって生きているの?』(工藤岳著・光文社新書)を読んだ。

ジュンク堂でパラパラと立ち読みしていたら、ヒサゴ沼の美しい写真がでてきた。それで思わず購入した。ヒサゴ沼は北海道大雪山からトムラウシ山までの縦走路の途中にある指定キャンプ地である。

日本百名山のなかで、どこが一番よかったですか?よく訊かれる質問だけれども、さいきんでは大雪山~トムラウシ山の縦走が一番と答えるようにしている。2泊3日の縦走が天候の影響もありそれなりに困難で挑戦的であるし、高山植物が豊かでヒグマがあちこちで徘徊しているから。

ヒサゴ沼は静寂のなか、ナキウサギの鳴き声がどこからともなくキュッ、キュッと聞こえてくる。筆者の工藤岳氏は北海道大学地球環境科学研究院の准教授。彼のフィールドワークの拠点がヒサゴ沼なのだ。

もう30年以上も大雪山にかよい、高山植物の生態を研究しているのだそう。多雪、強風、極寒、乾燥など厳しい冬が長く、2ヶ月ほどの短い夏。このような過酷な環境で、高山植物たちはどうやって生きているのか?どうやって命をつないでいるのか?あざやかな回答の数々。

ばくぜんと理解していたことどうしが、うまくつながる感じがすごい。植物は植物だけで生きているわけではない。われわれがばくぜんと理解しているように、蝶だけが受粉の手助けをしているわけでもない。

実際にはハエやハチが受粉の手助けをしている。ハチはマルハナバチだ(マルハナバチはプルーストの『失われた時を求めて』の「ソドムとゴモラ」冒頭にでてくる。いつもの読書ともつながる。)。高山植物はかれら昆虫と緊密な生態系を維持しながら生存している。

高山植物は短い夏の間に命をつないでいかなければならない。そのため自家受粉しているのかと思いきや他家受粉しているらしい。そのほうが激変する環境に強い種となるからだ。そうなると、昆虫たちなしではうまく受粉できない。風だけがたよりではあまりにも心許ない。

筆者の30年の研究生活のなかで、やはり分子生物学の進歩の成果がはなばなしい。(いまから考えれば)むかしは形態が似ているとかザックリした研究だった。しかしいまはちがう。DNAレベルで類縁関係がわかるのだ。

それによれば、北海道の高山植物たちと中部山岳(日本アルプス)地帯におけるそれらとでは出自が違う。高山植物は氷河期の生き残り。かれら彼女らは北方からやってきたとはいわれていた。シベリアなどに同種の植物がいるからだ。

しかし、北海道の高山植物はベーリング海・千島列島に沿って、中部山岳地帯のものはシベリア・サハリン経由で来たらしい。前者は「エゾ」なんとかという名前で、後者とはすこし違う種であることは意識されていた。しかし、それほど出身地が離れているとは知らなかった。

こうして厳しい環境のなか生存戦略を進化させてきた高山植物たちだが、いま危機にさらされている。地球温暖化の影響だ。短い夏が早くやってき、花が咲いているときにはハチたちがまだ活動しておらず、逆の事態にもなる。ハチたちが絶滅すれば、花も生きてはいけない。なんとかしなくては。

人生やり直すことができるなら、北大に入り、このようなフィールドワークをするのもいいと思える一冊だ。(隣の芝生は青い、ならぬ、隣のフィールドは広い)

2022年12月28日水曜日

2022年のまとめ

 





 歳末の観劇のうち能の話がまだだけど、わが事務所はきょうが仕事納めなので、2022年のまとめ。

ことしのベスト5は時系列で、①白銀の東北4峰登頂、②残雪の北アルプス槍ヶ岳登頂、③大雪山縦走、④北アルプス裏銀座縦走、⑤北アルプス立山登頂かな。

①白銀の東北4峰登頂(ソロ)
2月、白銀の蔵王、西吾妻、磐梯、安達太良山の4峰に登った。仙台空港におりたち、仙台→山形→米沢→福島→郡山→猪苗代→郡山→福島→二本松→福島→仙台と旅をしながら。2月は北西の季節風が吹き付ける厳冬期なのだけれど、蔵王や西吾妻の樹氷はこの時期しか見られないので。いつもはガスガスだったりするのだけれど、今年は天気にめぐまれて4峰全部登ることができた。ラッキー。

②残雪の北アルプス槍ヶ岳(ソロ)
ゴールデンウィークは残雪の槍ヶ岳に登った。山頂の肩にある槍ヶ岳山荘で一泊する予定だったが、翌日の天気が厳しそうだったので、ふもとの槍沢ヒュッテから往復した。バテバテ。そのうえ、一眼レフカメラのメモリーを忘れてしまった。スマホの映像しか撮れず。来年リベンジしたい。

③大雪山縦走(ソロ)
北海道には梅雨がない。本州や九州が梅雨時で本格的な夏山がはじまるまえの7月上旬が空いている。高山植物には早いことが多いが、ことしは百花繚乱。そのせいか、人も多かった。旭岳温泉からまず最高峰の旭岳に登り、お鉢を1/4めぐって白雲岳避難小屋まで。ここでも翌日の天気予報が悪かったので、トムラウシ山縦走はあきらめた。小屋からお鉢にもどり黒岳をへて、層雲峡に下山。

④北アルプス裏銀座縦走
怪鳥会の行事。信濃大町から烏帽子小屋、野口五郎岳、水晶小屋、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳、双六小屋を経て新穂高温泉まで。数年前、烏帽子岳まで登ったところで台風に直撃されたため断念したもののリベンジ。

⑤北アルプス立山登頂
娘たちと立山三山のうち、浄土山、雄山。そして最高峰の大汝山に登頂。浄土山で御来迎(ブロッケン現象)に出会えてよかった。下山後の安曇野、松本観光も楽しかった。

ことし63歳になった。コロナ禍のなか、これだけ登れればまぁまぁかなと思う。わが健康とこれを支えてくれたまわりの方々に感謝したい。

事務所的にも稲村晴夫弁護士、森俊輔弁護士が退所され、どうなることかと心配した。が、まぁまぁなパフォーマンスで今年をしめくくることができそうだ。

これもまた事務所の面々やわが事務所を応援して頂いている皆様のおかげ。心より感謝申し上げます。ではよいお年をお迎えください。

2022年7月28日木曜日

大雪山縦走(5)


 



 ようやく白雲岳避難小屋に着いた。管理人がいる。利用料2000円と登山道整備協力金1000円を支払う。

管理人は女性だ。地元の関係者で、1週間ごとに交代するらしい。うらやましいような、そうでないような。

1週間も常駐して自然を満喫できるのは、うらやましい。しかし小屋には風呂はなく、トイレも臭い。その他不便もはんぱない。

小屋は大盛況だ。昨年は3,4パーティーだったが、ことしはぎっしり満室だ。梅雨がはやくに明けたせいだろうか。

2階の片隅を利用することにした。アクリル板でしきりをしているが、感染防止効果がどの程度あるのだろうか。

小屋前から南をのぞむと、高天原ごしに、忠別岳、化雲岳、トムラウシ山、十勝岳まですっきり見えた。ただ南から湿った空気が入り込み、その後は曇りとなった。

小屋周りは人間が攪乱したせいか、まわりとは違った高山植物が咲いている。小屋前には黄花のシオガマが、小屋裏にはアズマギクが咲いている。

暮れていく壮大な景色を嘆賞していたら、父娘で来ていた娘さんが歓声をあげた。指さすほうを見ると、テントサイトとのむこうの雪渓のうえをキタキツネが横切っていた。口には鳥をくわえているようだ(一番下の写真をクリックして拡大表示してくだされ。)。

これだけの人々がわいわい騒いでいるなか、キツネは何万年も続けてきたであろう営みをきょうも黙々とつづけている。

2022年7月27日水曜日

大雪山縦走(4)

 






 間宮岳からお鉢を反時計まわりに南へ行く。途中で振り返ると、なだらかな間宮岳に雪渓がゼブラ模様についていて美しい。

お鉢のうえは乾燥したザレ場で、大きな植物は生育していない。そうした環境でも、黄花のスミレがしたたかに生きている。ときには群落を形成している。

お鉢を北海岳まで行き、右折し、しばらく南下すると正面が白雲岳である。大小の岩がゴロゴロしている。ナキウサギのかっこうの住処だ。ときおり、キュッと鳴き声がする。

白雲岳の東側を巻くと、まもなく小高い丘のうえに白雲岳避難小屋が見えてくる。背後にはトムラウシ山の絶景が輝いている。大雪の広大さを実感するショットだ。

避難小屋の手前は白雲岳からの雪渓が雪解けした池塘になっている。そこにはエゾのリュウキンカの花畑になっている。

エゾノリュウキンカの実物を見たことがない人も、六花亭の紙袋に描かれたこの花を見たことはあるのではないでしょうか。https://jp.mercari.com/item/m40672603904

そしてそうしたおいしい雪解け水や花畑の植物をめあてにエゾシカたちがやってくる。この2頭は兄弟のようだ。さてなぜでしょう?

2022年7月26日火曜日

大雪山縦走(3)

 



 旭岳は2291メートル、大雪山の主峰、北海道の最高峰である。山頂からは360度一望できる。北東に比布岳が見える。ひとむかしまえ、○○○エレキバンとしてCMをにぎわした、あの○○○である。

きょうの登山者のうち8割くらいの人はここ山頂まで。いわゆるピストンで、姿見へ戻っていく。これに対し、縦走するばあい、ここから東に向かう。東の端は黒岳、その中間に御鉢平が大きな口を開けている。

旭岳の裏側の下りはザレていて、イワウメが群生している。花はウメに似ている。こう見えて草ではなく、木である。生育環境が厳しいため、地にへばりついている。

しばらく行くと、大きな雪渓が残っている。この季節、雪は柔らかいのでアイゼンは必要なく、つぼ足で下れる。それでもやはり恐い。すると、横を女性がスタスタと下っていった。北海道の人だろうか、雪渓歩きに慣れている。

旭岳をくだると、こんどは間宮岳の登りにとりかかる。このあたりになると、ぐんと人が減り、ほとんど人に会わない。しばらく行くとようやく間宮岳だ。眼前に雄大な景観が広がる。

間宮岳は独立峰ではなく、大きなカルデラ(お鉢)の一部である。その中央が御鉢平。むかしの噴火口跡である。NHKのにっぽん百名山では、この御鉢のなかにヒグマがいた。

カルデラ(お鉢)のいちばん向こうが黒岳。層雲峡からロープウェイとリフトを乗り継ぎ、その後しばらく登ると、その山頂だ。事務所旅行でも登ったことがある。

黒岳から左に、桂月岳、凌雲岳、北鎮岳。きょうはそちらではなく、反時計まわりに右・南へ行く。目指すは北海岳。黒岳を0時とすれば、2時の方角である。

2022年7月25日月曜日

大雪山縦走(2)




 ロープウェイを降りると姿見。そこは森林限界をこえ、針葉樹も生育できない。生育できるのは背の低いハイマツやウラジロナナカマド。さらに場所によっては気象条件が厳しく、ハイマツでさえ生育できない。そのような場所こそ、高山植物の楽園である。

日本アルプスだと標高2500メートル以上にならないと、森林限界にならない。しかし北海道のばあい、緯度が高く自然条件が厳しいので、2000メートルを超えると森林限界となる。

エゾのツガザクラ、チングルマ、イソツツジなどのお花畑が広がっている。高山植物をみるだけなら、山に登らなくても、姿見を散策するだけで嘆賞することができる。 

姿見の池から旭岳の登りにとりかかる。左手・北側は地獄谷。亜硫酸ガスがシュウシュウ吹き出している。

登るにつれ、右手・南側にトムラウシ山方面の展望が開ける。左手に忠別岳、中央右よりにトムラウシ山。遠い山、王冠の山である。大雪山の広大さを実感できる風景だ。

あとすこしで山頂だ。山頂付近に金庫の形をした金庫岩がある。ガスっているときによい目印になりそうだが、偽せ金庫岩というのもあって、ややこしい。

金庫岩から地獄谷を俯瞰する。姿見が遠く、ところどころガスがかかっている。よくぞここまで登れたものだ。ふう。

2022年7月22日金曜日

大雪山縦走(1)


  ひさびさの投稿。連休は山へ行っていたので、たまった仕事に追われていた。すみませぬ。

ことしはすでに2つの夏山に登った。ひとつは大雪山の縦走。まずはこちらから。

梅雨明け前の7月上旬に計画した。この時期、本州に梅雨前線がかかっているということは、北海道には前線がかかっていないということ。人も少なく、うまくすれば高山植物が咲き誇っている。

ところが今年は梅雨明けが早く、と思ったら梅雨の戻りとか言われたりして、どのような天気、あるいは山の様子か予想がつけづらかった。

北海道へも3か月前から飛行機を予約すると、片道1万5000円くらいで行けたりする。なので、計画は3か月前からしているので、いまさら変更はきかない。

旭川空港からバスで旭岳温泉に前乗り。旭川空港のバス停で、東京からきた6人グループと一緒になる。訊けば同じコースを予定している。大雪山の縦走路には営業小屋がなく、避難小屋だけ。ここで6人もの登山予定者と会うとなると、相当な混雑が予想される。梅雨明けが早かったせいだろうか。

旭岳温泉は、湯元・湧駒荘をネットで予約していた。湯元というだけあって、泉源が5つもある老舗。旅のつかれを溶かすことができた。料理も老舗ホテルに似合わず斬新。

翌朝、6時30分始発のロープウェイへ向かう。なんともう50人くらいが列をなしている。定員は多いはずだが、コロナのため半数に制限されている。1回目の運行には乗り遅れた。40分の臨時便で姿見へ向かう。

旭岳中腹に姿見駅はある。よく晴れている。トムラウシ山までよく見える。足ごしらえをして登り始める。一歩きで姿見の池。まだ半分くらい雪に覆われている。地獄谷からはモクモクと噴煙があがっている。亜硫酸ガスだ。さていよいよ冒険のはじまりである。

2021年7月13日火曜日

大雪山~トムラウシ山縦走


 師匠の旅は平泉、岩手県まで来ました。この旅で最北です。せっかくなので、蝦夷地まで足をのばしてきました。

大雪山の最高峰である旭岳をスタート。間宮岳、北海岳、白雲岳を経て、白雲岳避難小屋で一泊。

二日目は、高根ヶ原、忠別岳、五色岳、化雲岳を経て、ひさご沼避難小屋で一泊。

三日目は、日本庭園、ロックガーデンを経て、トムラウシ山頂。そこから前トム平、コマドリ沢を経て、トムラウシ温泉・東大雪荘まで。

天気は曇り、最終日ロックガーデンからは雨でした。が、高山植物はさかりでした。エゾシカ、エゾサンショウウオなどのほか、ヒグマにも遭遇しました。

ステイホームでなまった体を叱咤しつつも、大自然にふかく癒された山旅でした。

2011年10月3日月曜日

 「日本人なら知っておきたい日本文学」



 この間まで暑い暑いと思っていたら
 いつのまにやら季節がめぐっていたという感じ。

 大雪山が紅葉したとか、岩手山が初冠雪したとか
 毎日のように、秋が深まっていきます。

 さて山ばかり登ってないで
 読書の秋、芸術の秋も楽しまないと。

 でも時間がないという方にお奨めの一冊が
 これ。

 蛇蔵&海野凪子さんによる
 「日本人なら知っておきたい日本文学」。
 漫画なので
 さっと読めます。

 「ヤマトタケルから兼好まで
 人物で読む古典」というわけです。

 ほかに清少納言、紫式部、藤原道長、安倍晴明
 源頼光、管原孝標女、鴨長明が登場。

 みなさんは
 誰のファンですか?

 作者はどうやら
 管原孝標女のファンのよう。

 やはり好きこそものの上手なれなのか
 これがめっぽうおもしろい。

 管原孝標女が源氏オタクということは学校で習いますが
 管原道真の子孫だということは初めて知りました。

 太宰府天満宮のおひざもとで生活するわれらとしては
 これは知っておかなければ。

 学問に名高い管原家なのに、父親の天然ボケぶりは笑えます。
 義母もそうとう。姉も「不思議ちゃん」。

 4人の漫才で
 4人ともボケキャラみたいなもんです。

 しかたないので
 場外から作者がしきりにつっこみをいれています。

 これがまた絶品
 本文よりつっこみのほうがおもしろい。

 かくて、あっというまに読み終わり
 続きがまたれるわけですが

 乄のお話は「堤中納言物語」の
 〈虫めづる姫君〉。

 「気になる続きは二巻で!!」
 というすごい終わり方をするのに続かないという、すごい話。

 この続きが気になって生まれたのが
 宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」らしい(ほんとうか?)。

 これが一番のトリビアでした。

 モノは二人でわかちあうと半分になるけど
 本を読んだ感動は2倍にも3倍にもなります。

 秋の夜長
 誰かと感動をわかちあいたいなぁ~。