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2023年1月23日月曜日

ある不貞慰謝料被請求事件

 

 不貞を理由とする慰謝料の請求を受けたある事件。夫と子どもがいて共働きだったところ、妻が仕事先の男性と浮気。夫が妻と男性を訴え、慰謝料等440万円を請求した。

妻側で受任。裁判は和解で解決した。和解内容は、男性が夫に180万円を支払う。妻は男性に、そのうち90万円を支払う。ただし、月2万円ずつ45回の分割払いである。

こういう場合、妻と男性の行為は、夫に対する共同不法行為。慰謝料の支払義務は連帯責任・連帯債務である。どちらかが全額支払えばそれで終わり。ただし、内部的に求償の問題が残る。本件に即していえば、180万円の連帯債務、これを男性が全額支払い、妻が求償金90万円を支払うこととなった。

不貞慰謝料の金額は、浮気の結果として夫婦が離婚に至ったかどうかが大きい。離婚に至らなければ慰謝料も低くおさえられることが一般的である。その他、そもそもの夫婦関係(そもそも破綻していれば損害はない)、不貞に至った経緯(どちらが誘ったのか)、不貞期間・回数等が慰謝料額を左右する。

本件では、双方の主張がでそろった段階で、裁判所が一定の解決案を示し、それをめぐって和解協議が重ねられた。

依頼人が福岡に居住していなかったため、打合せがたいへんだった。DV案件で警察の介入もあったため、住所情報の秘匿にも苦労した。

弁護士費用は法テラスを利用されたので、着手金も報酬金も法テラスが決めた。依頼人は月1万円ずつほど法テラスへの返済義務も負うこととなった。

2022年3月30日水曜日

「カムカムエヴリバディ」


  NHKの朝ドラはいよいよ最終回がちかづいてきた。大正時代から現代まで母娘三代(上白石→深津→川栄)の悲喜劇を描く。

深津は回転焼屋を営んでいるが、ライバルとして「団子3兄弟」の曲が流れる。この曲がヒットすると客が回転焼から団子に流れてしまう。でもドラマのほうも曲にあわせて、上白石、深津、川栄の時代のいろんなエピソードが串団子のように一本にまとまる展開になってきた。

「カムカムエヴリバディ」はわが事務所のスローガンとしてもぴったり。昭和の時代、稲村弁護士は裁判所前の門前町を離れ、お客さまのなかに飛び込んた。それまで福岡市内の赤坂や城内に事務所をかまえ、来られる人は来なさいというやり方だった。それを180度転換し、カムカムエヴリバディというやり方に変えたのだ。

虚無蔵さんの名セリフも、若手弁護士に聞かせたい。

「日々鍛錬し、いつ来るとも知れない機会に備えよ」

虚無蔵がこのセリフを言うと、アーヴィングの『オウエンのために祈りを』を思い浮かべてしまう。主人公2人は何の役にたつともしれぬスラムダンクの練習に日々励む。このような日々の鍛錬が意味をもつ日は来るのか。

むかし駆け出しの弁護士だったころ、水俣病の裁判で会場の場所とりや弁当の手配など、弁護士の仕事とも思えぬ下働きをやらされていた。その後、ハンセン病裁判を主導するようになった。下働きを一緒にしていたK弁護士は「この日のためにやっていたんだ。」としみじみと言った。後になって下働きの経験が役にたったのである。

カムカムでは母娘三代にわたり、あんこを作っている。その場合のスタンスが他のあんこ屋さんと違っている。人間側の都合ではなく、徹底してあずきの側に立っている。その呪文。

「あずきの声を聴け、なにゅうしてほしいか、あずきが教えてくれる。
おいしゅうなれ、おいしゅうなれ、おいしゅうなれ・・・」

当職の弁護士としてのモットーは「人事を尽くして天命を待つ」である。人事を尽くす際には、やはりおなじように祈っている。「よい結果になれ、よい結果になれ、よい結果になれ」。

2022年3月24日木曜日

ある家明け事件ー左の頬を打たれたら


 7年前は山梨県にある二百名山、御正体山に登っていたようだ。Facebookがそう教えてくれる(写真)。まだ雪山で、ブナだろうか、春待ちげな古木である。

さてきのうは2件、事件が解決した。1件は賃貸マンションの明渡請求事件。賃料の滞納がつづいたため契約解除。裁判所も明渡しを命じた。

しかしこれに応じない。執行官に依頼して明渡しの強制執行を申し立てた。1度目は任意の明渡しを求める督促。それでも明け渡さない。

しかたがないので断行かと思いきや、前日になってあと少しとの連絡。執行官とも連絡を取り合い、裁判所に依頼して月末まで断行を延期してもらう。

その後も連絡が途絶えたり、いろいろあったが、ようやく鍵が返ってきた。鍵の所在は重要である。『ユリシーズ』でも、鍵こそがその塔や屋敷の主であることの象徴となっている。家屋の明渡しにおいても、家財を撤去し、部屋を掃除した上、鍵を戻してはじめて明渡し完了となる。

きのうはさらなるドラマがあった。マンション内部の状況を確認するため、家主の息子さんに立ち会ってもらった。その際、借主とはじめて対面がなされた。

これまでの約束違反、受けた迷惑の数々。普通であれば、暴言、叱責、苦情の連呼は避けられないだろう。しかし家主の息子さんが述べたのは感謝の言葉。「断行しないで任意に明け渡してもらい、ありがとうございます。」

これには驚いた。35年間弁護士をしていて初めての経験だ。右の頬を打たれたら左の頬を差し出せという教えは知っている。しかし実践するのは難しい。

でもやはり教えはすごい。深い知恵にもとづくものと実感した。というのも、感謝の言葉により、その場にいた人みなが幸せな気持ちになったのである。まさに魔法の言葉である。暴言、叱責、苦情の連呼だと、溜飲をさげることはできただろうけれども、嫌な気持ちがしばらく続いたと思う。

2022年3月1日火曜日

ある現場


  きのうは朝から朝倉方面まで出かけた。そのためブログが書けなかった。

 ある遺産分割調停が成立した。きのうは、相手方の動産を運び出す日だった。適切になされるよう監督するため、立ち会う必要があった。

向こうに古処山がのぞめる田園地帯である。天気も快晴でおだやかだった。

遺産分割事件であるから、当方と相手方は兄弟である。兄弟であるけれども、双方に弁護士がついて調停を経ているのであるから、仲がよいとはいえない。当方の依頼人と相手方の弁護士は来ていない。

いくつか小競り合いがあった。裁判所で調停しなければならないほどの仲であるのに、自己に都合のよいところでは兄弟感覚でいるから、やってよいこととやって悪いことの区別が十分にできていない。それを指摘すると、食ってかかる。

電話工事業者が4、5人いて、第三者の眼があったこともあり、ことなきを得た。現場には、裁判所や事務所とは異なる「前線」の感覚がある。

 数週間前にも、隣地の石垣が崩れた現場を見にいった。現場百回と言われる。事務所で話を訊くだけでは真実をつかみそこねることがある。

境界にある崖が崩れたときの解決方法については争いがある。大学では物権的請求権により、崖下の人が崖上の人に復旧を要求できると習った。そのように理解していたら、東京高判では別異に判断がなされている。

しかしそれも自然状態にある場合である。すでに石垣など人工的な工作物がある場合は別だ。土地の工作物所有者の責任により、原則として石垣の設置・管理者が責任を負わなければならない。

現場に行くことにより案の定、依頼者の話や写真では分からなかった状況を把握することができた。やはり、おっくうがらずに現場にでかけなければならない。

2021年12月1日水曜日

ある損害賠償被請求事件


  いよいよ師走。マスコミは毎日、オミクロン株の小ネタの報道に忙しい。徒にこれら報道に振り回されず、われわれの人生を破壊されないよう行動するしかあるまい。

 きのうにひきつづき、ある損害賠償被請求事件。といっても、実態はやはり遺産分割事件。被相続人である祖母の遺産を使い込んだだろうと主張して、甥(祖母の長男の子)が叔母(祖母の次女)にたいし損害賠償を請求した事案である。

むかしはこのタイプの紛争はおおくはなかった。しかし、高齢化がすすみ、被相続人が認知症などで生前に財産管理能力を失う事例が増えた。そのため、財産管理能力を失った後の支出が違法な使い込みではないかとして争われるようになったのである。

わが事務所は地域事務所であるので、請求する側から依頼を受けることもあるし、請求される側から依頼を受けることもある。ケース・バイ・ケースであるが、まず一定期間の財産管理の事実を認めるかどうかが大きい。

裁判所の対応も当初、裁判官によって異なる印象であった。最近は、請求する側に厳しくなりつつあるように思う。それはそうだ。これは立証責任が請求する側にあるという原則の帰結である。またそうでないと、被相続人の老後のめんどうをみた人がバカを見ることになる。

本件でもそうだ。叔母が祖母のめんどうをみていた。生前、甥は何らのめんどうもみていなかった。ところが祖母が亡くなったあと突然、甥は祖母思いの孫に変身し、学生時代に祖母から電話できいた断片情報を拡大解釈してはじめたのである。

甥は埼玉県に在住していたことから、さいたま地方裁判所に訴えられた。おおむねオンラインで対応できたが、証人尋問の際は緊急事態宣言下、同地裁まで出張しなければならなかった。

このとき、叔母本人と証人とは福岡地裁に出張し、ビデオ尋問方式がとられた。結果的に、代理人の弁護士がコロナに感染するのはやむを得ないけれども、当事者が感染するのは困るという形になった。いまではよい思い出だが、当時は命がけの思いだった。

裁判所から何度か和解勧告がなされた。が、甥側はこれを拒否。その結果、こちらの勝訴判決がなされた(遺産が一部残るかたちになったので、その部分の不当利得返還請求、実質的な遺産分割請求は認められた。)。

甥は納得せず、東京高等裁判所に控訴。高裁からは細かい求釈明を受け、これに対応した。さすが東京高裁である。隅々まで目を光らせているという感じ。

結果は、ほぼ控訴棄却。当方のほぼ全面勝訴である。「ほぼ」とあるのは、先の細かい支出を指摘され、一審より数万円の増額となったから。

双方とも上告せず、東京高判は確定した。これで解決かと思いきや、相手方から不満をぶちまけた感じの手紙が届いた。困ったものだ。法治国家における裁判制度のことが分かっていない。しばらくは様子をみるしかあるまい。

2021年11月30日火曜日

ある遺産分割調停事件

 きのうはある遺産分割調停事件が解決した。裁判所における調停条項のほかに、調停外で合意書を締結した。昨年4月に受任しているので、解決までに1年半以上かかっている。

依頼人の関係者が自分の関係者の知りあいであったりして、気をつかう事件だった。地域に根ざして長らくやっていると、こういう事件が増えてくる。

正式に調停の土俵にのっている被相続人は一人だが、最終的には3人の被相続人の相続事件について全面解決した。兄弟姉妹間の争いであり、実家に相手方の経営する会社の住所があったりして、いろいろと複雑な権利関係にあった。

調停は基本的には話合いであるので、当事者が納得すればどのような解決でもOK。しかし話合いがまとまらなければ決裂し、審判や裁判になる。

審判や裁判になったらどうなるという見通しを北極星として、そこを着地点として見据えて話合いをすすめていくことになる。審判や裁判は裁判官がすることなので、予想が100%正答するということはない。ときに、外れることもありうる。そこが難しい。

むろん、証拠の有無が大事で、最後はものを言うことになる。本件でもやはり証拠の有無が問題になりなった。同じ事案について双方に弁護士がついて見解がわかれるのは、この証拠の評価が異なるからであることが多い。

相手方からは5,000万円もの請求がなされたけれども、それを裏付ける証拠はうすいようだった。それで、相手方の要求は、一部をのぞき、つっぱねる方向での話合いを続けた。

結果、5,000万円の支払いはしないで解決することができた。一部をのぞき、ほぼ完勝。めでたし、めでたし。

※写真は先日のほぼ皆既月食。

2021年10月12日火曜日

ヤマアラシのジレンマ


  コロナ禍のなか、裁判所の手続きの80%くらいはオンラインになった。さいたま地裁、横浜家裁、東京高裁、大分家裁、福岡地裁小倉支部など遠方の事件はもちろん、福岡地家裁本庁の事件もほとんどオンラインでやっている。家裁は電話、地裁はチームス、弁護団会議などはズームという会議用アプリを利用している。

このような面談によらない手続きは難しいと従来考えられていた。しかし、やってみるとそうでもなかった。

メラビアンの法則というのがある。一般的な面談の場面におけるコミュニケーションの情報量を100とした場合に、電話だけだと45%になってしまうというのだ。コミュニケーションの場では、言葉でのやりとりのほか、身振り・手振りで伝えている部分が大きいということだ。

そもそも、われわれの仕事はコミュニケーションが難しい。5つくらい前提をおいて、それらが充たされたら勝てますよと言ったりする。顧客は前提を忘れて、「勝てますよ」という結論しか覚えていない。

三段論法で結論が導かれるわけだが、小前提となる事実認定は、相手のもっている証拠しだいであるし、裁判官と認識が一致するともかぎらない。そのようなことが顧客に伝わらないことが多いのだ。

面談で伝えるのが難しい話をオンラインでやるとなれば、さらに難しくなることは必至だ。

裁判所は国の役所の一つであるから、従来からIT化を推進しようと考えていた。しかしなかなか進まなかった。法曹界が保守的ということもあったかもしれないが、法律の世界のコミュニケーションの複雑性がその推進を阻害していたのである。

しかしコロナ禍となり、人流を抑制するとなれば、オンライン化は避けられない。こうして半強制的にやらされてみると、意外とやれるというのが法曹人の共通認識となりつつある。弁護士と一般人という局面ではなく、法律家と法律家という局面であれば、ミス・コミュニケーションが少ないのだ。

 かくてオンライン化により、われわれの業務は利便性を増した。しかし困ったこともある。従来、仕事時間の半分くらいは裁判所に出かけていた。が、いまでは裁判所に出かける割合は従来の20%くらいだから、ほとんど事務所にいることになる。

われわれも息抜きがしにくいが、事務局(秘書さん)はもっとたいへんだ。ただでさえ、コロナ禍のなか、メンタルヘルスの維持に腐心していると思う。そこへもってきて弁護士が事務所にずっといるのであるから、さぞかし息が詰まるだろう。

わが事務所のレイアウトはワンフロア方式である。他の事務所では、社長室方式といって、弁護士が個室をもってそこに閉じこもっている例もある。わが事務所でもそうしたいという意見がでたこともある。しかし、そうしなかった。

なぜか。弁護士と事務局、弁護士どうしの情報共有やコミュニケーションのしやすさという点からみて、ワンフロア方式のほうがすぐれていると判断したためだ。そういうレイアウトの副反応もあり、さぞかし事務局は息が詰まるだろう。

だよね?と訊いてみた。(Y弁護士が、横から「そんなこと訊いたって、正直に答えられるはずないでしょう。」などとツッコミをいれてきたが)みな苦笑しながら頷いている。やはりそうか。

どうしたらよいだろう?弁護士スペースと事務局スペースの間に、遮蔽板を置くというのはどうだろう?いまはやりのアクリル板ではどうだろうか?というと、事務局はみな首を振っている。だよね。それじゃ意味がない。

でも木製のパーティションにしてしまうと、遮蔽が強すぎて、こちらから事務局の様子がまったく分からなくなってしまう。

それじゃ、細いすき間を入れて垣間見る方式はどうだろう?源氏物語の世界ふうに。それだと、のぞきでしょう!事務局に叱られてしまった。あはは。

もともと人間関係の距離感の難しさをいうのに「ヤマアラシのジレンマ」というのがある。2匹のヤマアラシがいました。寒いので互いに近寄ると相手のトゲが刺さって痛い。離れると寒い。適切な距離感が難しい。

かくてわが事務所も、弁護士と事務局の間の適切な距離感を求めて模索がつづくのであった・・・。

2021年9月7日火曜日

ウィズ・コロナ


 きのう、午前10時からは遺留分減殺請求権について、家庭裁判所小倉支部との間で電話会議。午後1時からは福岡県中小企業家同友会・総務財政室のズーム会議。同3時30分からは預金の無断引出に関する損害賠償請求権について、福岡地裁との間でチームス会議。結びは、午後5時からズーム利用によるオンライン事務所会議でした。

事務所会議は月1回、全員が揃って当月の相談活動状況等を報告し、事務所全体の課題を話し合います。ビフォー・コロナは3階の会議室に全員が揃って行っていました。しかし、事務所全員がそろうとなると密になるので、さいきんはズームによるオンライン会議になっています。

オンライン会議には困難なものがあります。議題を形式的に議論することはなんとかできますが、情緒的・心理的な一体感を醸成することはできにくように思います。従来、会議後には懇親会を開き、交流をしていました。いまはそれもできません。

そのため、ここしばらくは事務所会議の結びに近況報告の場をもうけています。いつもは仕事のことを話し合っているメンバーが、家族のことや趣味のことについて披露します。意外な趣味に取り組んでいる人もいて新鮮です。なかには、この報告をするために趣味をはじめた人までいます。

きのうはぼくも4人の報告担当の一人でした。夏の報告として、7月に大雪山~トムラウシ山縦走を一人でしたこと、登山グループ怪鳥会で上高地・焼岳・西穂独標・双六に登ったこと、8月の家族の出来事、9月に2回予定している山行計画について話しました。

ぼくは薬害HIV訴訟、ハンセン病訴訟、薬害肝炎訴訟を手がけましたので、感染症、ウィルスについては他の弁護士より詳しいです(ですが文系なので、以下、誤り多数。ご自分で確認くだされ。)。

細かい説明は省略しますが、コロナウィルスはウィルスの特性から変異株を次々と生み出し、コロナ対策がイタチごっこになることは「自然」です。HIVウィルスは1981年に発見されていますが、いまだに特効薬が開発されていません。

当面、宣言期間をすぎればなんとかなる、ワクチンを打ちさえすればなんとかなる・・・というわけではないようです。

ならば、できる範囲でリアルな人間的交流を再開するなど、コロナウィルスと上手につきあっていかねばならない時期にきているでしょう。

2021年1月23日土曜日

神奈川からの依頼@法テラス


 神奈川の法テラスですけれど・・・

電話がかかってきた。法テラスは弁護士費用等を立替払いしてくれる組織、法務省の外郭団体です。各県にあり、福岡にもある。福岡の法テラスからはしょっちゅう連絡がある。しかし神奈川とは・・・。

話をきくと、いま引き受けている国選弁護人事件の被告人が神奈川の裁判所に起訴されたので、ひきつづき弁護人を引き受けますかという問合せ。

いやいや、無理です。もともと法テラスの費用では神奈川までの出張費用をもってくれるかどうか疑問だし、向こうもこちらも緊急事態宣言中だし・・・。

でも、いちおう、緊急事態宣言中でなければお受けするのですが・・・と答えておいた。それにしても、念のための意向確認だったのか、本気の依頼だったのか、気になる・・・。

2018年12月21日金曜日

住居侵入,窃盗未遂事件(2つの刑事事件報告②)


(西穂高岳独標から望む八ヶ岳赤岳からのご来光)

 住居侵入,窃盗未遂事件が終了しました。

 最初は当番弁護士として呼ばれました。博多臨港警察署です。珍しい。あまり行かないところです。

 法テラス窓口の人が女性ですと言ってましたが,面会すると男性でした。たしかにどちらでもありうる名前でした。

 逮捕段階。翌日には送検され,裁判所の決定で勾留になりました。勾留されると,被疑者国選弁護人としての対応になります。

 検察官と協議し,被害者と示談協議することになりました。
 初犯ですし,窃盗は未遂事件なので,被害者が納得すれば,起訴されないと見込まれました。

 被疑者に謝罪文を書いてもらい,被害者に送り,家族には金策をお願いしました。

 被害者と協議しましたが,捜査では未遂かもしれないが,被害はあると言われ,難航しました。被疑者による被害かもしれません,被疑者以外の者による被害者かもしれません。

 勾留は最初が10日で,あと10日だけ延長できることになっています。できれば最初の10日以内に示談をしたかったのですが,勾留延長になってしまいました。

 結局,示談はできませんでしたが,延長4日目に釈放になりました。国選弁護人としての仕事は終了です。

 民事の賠償問題がのこり,すっきりしないものの,刑事事件としては終了になります。
 あとは被疑者の更生を願うばかりです。

2018年11月19日月曜日

盗撮事件(2つの刑事事件報告①)


         (九重山から由布・鶴見岳)

 あまり積極的にしているわけではないのですが,ふつうの弁護士程度には刑事事件も手がけています。

 ふつうの弁護士は民事専門です。刑事事件は国選事件がほとんど。あとは顧問先の従業員の交通違反や少年事件など,特別の関係がある場合にかぎられるのではないでしょうか。というのも,やはりお金がないので犯罪を犯してしまうというのが一般的ですから。

 よくお客さんたちから,なんで悪い人の弁護をするのか訊かれます。このように評判が悪いので,刑事事件を好きでやっている弁護士はすくないのではないでしょうか。

 でも,刑事弁護制度は,人類の多年にわたる知恵だというほかありません。むかしは刑事弁護制度がなく,一方的な取調べを受け,無実なのに処罰される人が多かったと思われます。近代的な刑事弁護制度は,そのようなことをなくそうとしてつくられたものです。個々的にみれば首をひねりたくなるケースがあっても全体としてみれば,われわれ市民の自由がそれによって守られているのです。

 さいきん,刑事事件が2つ終了したので報告します。

 ひとつは盗撮事件です。電車内で女性のスカートのなかを写真撮影したとされる事件です。

 盗撮は,刑法には載っていません。福岡県の迷惑防止条例という条例で禁止されています。単純にはいえませんが,国会の定める法律で処罰するほどではない比較的軽い犯罪について条例で規制されています。盗撮について条例の定める刑の重さは6月以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています。

 相談にきたときには事件直後で在宅捜査だったのですが,翌朝には逮捕され,身柄事件になりました。そして新聞に名前がでてしまいました。裁判所で有罪が確定するまえに,警察が記者に情報をもらしているのです。これにより,依頼者は仕事を失ってしまいました。一種の私刑です。

 逮捕は最大3日間の身柄拘束です。その後は,裁判所の審理を経て,10日間の勾留手続となります。10日間の勾留で足りなければ,もう10日間だけ捜査することが許されます。

 勾留請求の際に,裁判所に対して勾留する必要がない旨の意見書を提出しました。勾留の要件は,①逃亡のおそれと②証拠隠滅のおそれです。なにもしないのに懲罰的な理由で勾留という自由剥奪をすることはできません(実際には,ときどき見かけます。)。

 本件被疑者は,家族と生活し,定職につき,まじめに働いていました。初犯ですし,有罪となっても罰金刑が予想されます。そのような状況で逃げたりすることは考えられません。

 盗撮の証拠としては,撮影につかったスマートフォン,そのデータ,自宅パソコン内のデータです。これらはすべて警察が押さえています。被疑者は被害者の住所,名前などを知りません。だから,隠滅しようにも隠滅できる証拠もありません。被疑者はそれまで任意の取調べに素直に応じていました。

 こういう状況ですから,勾留の必要はないはずだ。というのが意見書の趣旨です。

 この意見書がでていたためか,検察官は勾留請求をおこなわず,被疑者はすぐに釈放されました。

 処罰は20万円の罰金でした。

 被疑者は心から反省し,2度とやらないと挨拶にこられました。どの被疑者のいうことも信頼できるというわけではないのですが,この方の反省は本物だと思いました。立ち直りを期待したいと思います。

2013年10月31日木曜日

裁判に携わる人たち


昨日は,
裁判所職員の方々と
お食事をする機会がありました。


裁判所には,
書記官,事務官,調査官といった
職業の方がいます。

(今後,このブログでもこれらのお仕事について
触れていく予定です。)



毎日,膨大な数の事件を
扱っていますから,
とても大変なお仕事ですね。

「残業はあまりありません」
とは言っていましたが,
それも
通常業務の時間内で
テキパキ作業をこなしていることの
裏返しなのではないでしょうか。


弁護士も見習わないといけませんね。

どうしても夜遅くまで
執務してしまいがちですから…。


皆さん,とても素敵な方々でした。



なにはともあれ,
事件が素早く適切に解決するよう
裁判所職員も
弁護士も
日夜,頑張っています。




2013年10月3日木曜日

解決するために…


訴訟や調停をする際には,

「管轄」

がどこの裁判所にあるのか
検討しなければなりません。


最近では,
裁判所を通じた電話会議が
行われることもありますから,
以前よりは融通がきくかもしれませんが,

それでも,
どこの裁判所に事件をもっていくのかは
非常に大切です。



全国各地に裁判所はあります。

また,
それぞれの土地に
地方裁判所,簡易裁判所,家庭裁判所…
といった具合に
様々な種類の裁判所があります。



「管轄」は法律に定めがあり,
どこでも受け付けてもらえるわけではありません。


ですから,
福岡地方裁判所に訴訟を提起したけれど,

「うちに管轄がないので,
それは札幌簡易裁判所でやってください」

と言われてしまうようなケースもあるわけです。



事件の詳細はお話しできませんが,
今回,この「管轄」で悩んだケースがありました。

紛争の解決には,

どのような法律上の主張をするか
とあわせて,
どこの機関を利用するのか
の選択も
大切だということですね。

2013年9月5日木曜日

「異議あり!」


「異議あり!」


裁判のイメージとして,
この言葉が頭に浮かぶ方も
いるんじゃないでしょうか。



とある裁判をモチーフにした
ゲームソフトなんかでは,

「異議あり!」のほかに

「くらえっ!」

なんてフレーズもあるように
聞きますが,

さすがに裁判所で
「くらえっ!」
と発言したことはありませんし,
他の弁護士もないでしょう。


他方,
「異議あり!」は,
全くあり得ない発言ではありません。

正しく「異議」を申し出ることは,
弁護士の大切なお仕事です。

もちろん,乱発していると
話が進まなくなってしまいますが…。



などと,
話をしていたら,
裁判ゲームをやりたい衝動に一瞬,
駆られましたが,
今日も実際の裁判があることに気づき
思いとどまりました。

2013年8月26日月曜日

裁判員に選ばれる確率と,素敵なお嫁さんに巡り合う確率


先週末は,
幼稚園時代からの幼馴染みの
結婚式に出席してきました。

大阪はあいにくの雨模様。

それでも,
彼と,そのお嫁さんとなった方の
素敵な笑顔で,
気づいたときには雨雲も
走り去っていました。



さて,
席上,他の友人から,
「裁判員候補者」とかいう通知が来たんだけど…
と相談(?)を受けました。

たしかに,
突然,裁判所から書類が来るというのは,
緊張するものですね。

「裁判員裁判」の制度は
かなり周知されたようですが,
まだ「まさか自分が…」と思う方が
多いようですね。

だいたい
1年間で5000人に一人の割合で
選ばれるといいますから,
確率は決して高いものではないですね。

ただ,今20歳の人が70歳まで生き,
制度が50年後も残っているとすると,
単純計算で100人に一人の
確率になりますから,
あり得ない話でもなさそうです。

(数字はあくまで単純計算です。)


ちょっと大変な出来事かもしれませんが,
選ばれた際には
ぜひ積極的にご参加ください。



ところで,
私の友人が結婚したような
素敵なお嫁さんに巡り合える確率は
どれくらいなのでしょう。

計算は,皆様にお任せして
執務にかかるとします。

それではまた。

2013年8月12日月曜日

summer vacation


夏休み,皆さんは何日ありますか?


全くないという方,
3日だけという方,
10日あるという方,
事情は様々でしょうか。


裁判所も
「全館休館」などということはありませんが,
各部署ごとに交代で集中して
休みを取るようにしています。

法律事務所では,
ほぼ暦通り,お盆休みをとる
事務所が多いでしょうか。

当事務所も13日から15日まで
お休みをいただきます。
ご了承ください。




ところで,
わたしは長野県出身なのですが,
学生の夏休み期間について
他県の方の話を聞くと,
うらやましくて仕方ありません。

概ね長野県内の小中高校は,
7月26日ころから8月20日ころまでが
夏休みです。


これ,おかしくないですか!?
遅く始まり早く終わる…。


長野県内に住んでいるときには,
なんの疑問もなかったのですが,
外に出て気づきます。



やはり
決められた空間だけではなく,
どんどん外に出て
いろいろな物事を見聞きすることは
大切ですね。




皆様,素敵な夏休みを。


2013年8月2日金曜日

世間はもう夏休み?


裁判所は,いわゆるお役所です。

そのため,人事異動もありますし,
夏休みも正月休みもあります。
(もちろん当直の職員はいますが)


裁判官もやたらと解決を
伸ばしたくはないので,

「なんとか異動までには…」
「なんとか夏休みまでには…」と
いった具合に

気合を入れて取り組んでくれる場合もしばしば。


もっとも,
人事異動時期に当たる3月下旬や,
夏休みがある8月ころは,
どうしても裁判の日程が入りにくい
現状があります。




そんなわけで,
少し事件の進展が遅れたり
する季節です。

決して私が夏バテをして
サボっているわけではございません。



皆様のご理解をお願いします。

当事務所は,今日も元気です。



2013年8月1日木曜日

若さゆえ

最近,
「司法修習生」と
お話する機会が多くあります。



「司法修習生」とは,
司法試験に合格した後,1年間,
全国各地の
裁判所,検察庁,法律事務所などで
実地研修等を行う人たちです。

もちろん,私も
司法修習生だった時期があります。



もちろん経験を積んだ弁護士から見ると,
少し頼りなさを感じるでしょう。
ただ,
年齢も経験も
決して開きがあるとは言えない私からすると,

「うんうん,そう思うよね」と

納得してしまうこともしばしば。



いずれにしても,
彼らは,あと半年もしないうちに
法律家として活躍してくれます。


若さゆえに知らないこともあるでしょうが,
熱意と,フットワークの軽さは
ベテラン弁護士にも負けないはず。

良い解決を目指しますので,
いつでもお声掛けください。




……おっと。
司法修習生の話をしていたはずが,
これでは完全に
私の自己アピールですね (笑)





2013年7月4日木曜日

スーツと風呂敷


裁判所に行くと,
スーツをビシッと着こなした方が
風呂敷包みを持ち歩いている

そんな光景に出くわすことがあります。


その風呂敷包みを携えた方,
検察官かもしれません。



昔のお役所時代からの慣習なのか,
検察官は
風呂敷で事件記録を
持ち歩くことがあります。

なかなか合理的ではないでしょうか。

事件記録を裁判所に
提出してしまった後は,
きれいに折りたためますし。


もちろん膨大な量の記録が必要な事件では,
キャリーバッグ
(コロコロ転がす鞄)を用います。



風呂敷を愛用していたある検事は,
少し明るめの柄の風呂敷を
使おうとしたところ,
上司に全力でとめられた… と言っていましたが,

基本は自由なようです。



裁判所に入られたら,
風呂敷包みをもった方を探してみてください。



ちなみに,
「風呂敷」は,
室町時代頃,入浴する際,
脱衣所に広げた風呂敷に
脱いだ衣類を包んだことが語源とか,そうでないとか…。

2013年7月2日火曜日

夏に向けて

7月になりました。

福岡市内は,
博多祇園山笠のシーズンに
突入しましたね。


もともと福岡生まれではない私が
こんな話をするのも
おかしなことですが,

博多祇園山笠振興会によると,
起源は1241年。

聖一国師が疫病除去のために
施餓鬼棚に乗って祈祷水(甘露水)を
まいたことが始まりだそうです。


今年で772回目となる計算ですね。



昨日,裁判所に向かう途中,
新天町を通ると,
サザエさん飾り山がお目見えしていました。

おお,これが福岡の夏か。
…と勝手に一人で興奮しておりました。

休日を使って,他の山も
見てこようと思います。



暑くなってきましたが,
皆様,体調を崩されませんよう。



※ ブログのネタに困ったわけではありません。
   早くもネタが尽きたわけでは,決してありません。