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2024年8月6日火曜日

ある遺留分侵害額の請求事件

 

 ある遺留分侵害額の請求事件が解決した。

遺留分とは何か、分かりにくい。たとえば、被相続人(遺産を残して亡くなった人)に配偶者がおらず、子が3人いるとき、法定相続分は子ABCにつき各1/3である。

この場合に、Aに全部相続させると遺言すると、BCの遺留分を1/6侵害することになる。遺産の総額が6,000万円であるとすると、BCはAに対しその1/6である1,000万円を請求することができる。これが遺留分侵害額の請求である。つまり、遺留分は法定相続人のミニマムな財産承継権を守ろうとする制度である。

本件では、同じ内容の遺言が3通あった。自筆証書遺言が2通と公正証書遺言が1通である。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは何か。前者は作るのが簡単だがあとが揉めやすい。後者は作るのが面倒だがあとが揉めにくい。

自筆証書遺言の場合、亡くなったあと改ざんを防ぐために、検認手続が必要である。法定相続人を家庭裁判所に集めて、自筆証書遺言の筆跡・内容を確認する。家庭裁判所から呼び出されてわざわざ出かけて行ったら、自分には遺産を渡さないというのであるから、遺留分侵害請求事件を惹起しやすい。

本件でもまず遺言書の検認事件からである。A氏から依頼を受けた。平成31年の事件番号がついている。なんと5年以上係争してきたことになる。

つづいてBC氏から遺留分侵害額の請求調停が申し立てられた。Aに遺産を全部相続させるというのであるから、たしかにBCの遺留分を侵害している。その分を支払いましょうと申し出たのであるが、BCは納得しない。生前に預貯金の引き出しがなされているので、その分が生前贈与(特別受益)であるというのである。

先に遺産が6,000万円であるとして事例を設定した。この場合、生前に被相続人がAに自宅建築費用として600万円を贈与していたとする。この場合、生前贈与の600万円をいったん遺産に持ち戻して遺留分侵害額を計算する。つまり、BCの遺留分侵害額はそれぞれ(6,000万円+600万円)×1/6=1,100万円となる。

本件では、たしかに、被相続人の通帳から600万円が引き出されている。通例であれば、預貯金通帳を管理していたAがその使途を知らないことはないだろう。しかし、本件ではAはすでに亡くなっており、その場合、被相続人の孫のA’に相続させるという遺言になっていた。A’には600万円の使途など分からない。これが紛争が長引いた原因である。

両者の言い分の溝は埋まらず、遺留分侵害額の請求調停は不成立に終わった。その後、BCは遺言無効確認請求裁判を提起した。被相続人は、本件3通の遺言を書いた後、認知症を理由に成年後見の申立がなされていた。そのため遺言を作成したときにも、遺言能力がなかったと主張されたのである。

遺言の無効確認について、かつてはその証拠を収集することが困難だった。しかし近年、介護保険の導入により、遺言作成前後の時期における認知症の診断書を入手することが可能になった。

本件でも、各遺言書作成の前後における診断書の提出がなされ、厳しく争われた。しかし、遺言能力はあったとして勝訴することができた。

すると今度は遺留分侵害額の請求を求める裁判が提起された。ここではもとに戻って生前贈与(特別受益)の有無・額が争われた。こちらは相変わらずAのころのことだからよく分からない。BCは怪しい怪しいというのみである。

数回におよぶやりとりの末、裁判所から和解案が示された。基本的には生前贈与(特別受益)を認めないというものである。ただし、支払額に若干の加増がはかられている。よいさじ加減だったので、双方ともこれを承諾し、和解が成立した。5年に及ぶ紛争の終結である。

被相続人は天国であきれているかもしれない。

2023年12月13日水曜日

最近解決した遺産分割調停事件5件

 

 ここのところ遺産分割調停事件がつづけざまに5件解決した。

遺産分割事件は、相続人の数・親疎と遺産の内容によって難しさが決まる。相続人の数が増えれば増えるほど、相続人どうしが親しくなければないほど困難さは増す。ときには数次相続など、被相続人が複数いらっしゃる場合もある。遺産の内容が現金だけであれば分割しやすいし、不動産だけであれば分割が困難だ。

1件目。相続人は伯母と姪2人、福岡と関東であまり交流はなかった。福岡の伯母から依頼を受けた。遺産は比較的広い土地がひとつだけ。現物分割といって、不動産を2筆に分割した。問題は分割の仕方である。相手は2等分を要求し、当方は広い道に接しているほうを狭くする案を提案した。交渉が決裂したので、調停を申し立てた。結局、当方の案が通った。

2件目・3件目。被相続人がお二人。相続人は共有している方々とそうでない方々に分かれた。どちらもめぼしい遺産は不動産のみ。これらも交渉で解決できず、調停となった。遺産を売却して、代金から経費を差し引き、残ったお金を分配した(換価分割)。争いになったのは経費のなかみ。不動産を売却するのだから、建物解体費、残置動産(家財道具)の処分費用、測量費、譲渡所得税・市県民税・税理士費用、登記費用はOKとなったが、弁護士費用はダメとおっしゃるかたがいたのでその方の分だけ控除できなかった。

4件目。相続人は5人。被相続人と懇意にしていた方が当職の依頼人。遺産は主に不動産。相続開始後、近所のクレームを受け、不動産の管理費を支出されていた。これも調停に。他の相続人は、4人のうち、1人は成年後見人が、1人は未成年後見人がついておられた。さらに1人は東京の方で、一度も出席されなかった。難しかったのは後見人の先生方。不動産を売却して分配しようとしたが、経費についてうるさく注文をつけ、代償金による解決を要求した(代償金分割)。依頼人の了解を得て、なんとか解決することができた。

5件目。相続人は妻、子二人。子の一人から依頼を受けた。交渉で解決せず、遠方の家庭裁判所に調停を申し立てた。遺産は主に不動産。不動産の価格が主な争点となった。遠方の不動産ゆえ、時価の把握が困難だった。また相手方から、新民法で新たに創設された配偶者居住権の主張がなされた。協議を重ねるうち、相手の譲歩を引き出すことができ、無事解決することができた。

福岡市や筑紫地区は不動産市場がひきしまっていて、売りに出せばすぐに買い手がつく。そして比較的高値で売れることが多い。そうでない場合に比べて、遺産分割事件を解決しやすい。現金は分割しやすい。不動産は分割しにくい。売買できれば不動産が現金に変わるわけだから、遺産分割が容易になる。

しかし逆に困難になる場合がある。未解決な事件はそんなケースだ。現物分割や換価分割ができればよい。しかし代償金分割となると、不動産の評価があまりに高いと代償金が用意できなくなってしまうからだ。このため、ある事件がいまだ解決できず調停がつづいている。解決できた暁にはまた報告したい。

2023年11月24日金曜日

所在等調査ー北海道出張中止

 


 きょうから3日間、北海道出張を予定していた。しかし、北海道の週末は暴風雪など大荒れの天気予報だ。

家庭裁判所で、ある遺産分割調停をおこなっている。調停に出席していて意向がはっきりしている当事者の間ではほぼ合意が成立したけれども、欠席していて一部の当事者だけ意向がはっきりしない。家庭裁判所は調停にかわる審判をおこなった。

「調停が成立しない場合であっても、裁判所が当事者の様々な事情などを考慮して、審判の形で一定の解決を示すことが相当だと判断した場合には、調停に代わる審判の形で結論が示されることもあります。この審判に対して2週間以内に当事者から異議が申し立てられることなく確定した場合、審判は確定判決と同一の効力をもち、異議が申し立てられた場合には、その審判は効力を失うことになります。」(裁判所HPより)

ところが、この審判書が届かない。一般論として審判が確定すると強制執行をおこなうことができる場合があるので、審判書の送達は特別送達の方法による。書留郵便の厳格なやつだ。当事者本人でないと受け取れない。

当該住所にいることは確かだけれども、受け取らないだけという場合がある。この場合、所在調査が必要になる。相手方の住所に尋ねていって、水道メーターが回っている、洗濯物が干してある、近所の人の話で住んでいることは確かだとか報告書を提出することになる。

今般はどうもそうではないらしい。親族のお話によると、どうも認知症を発症していて、どこか施設か病院にいるらしい。しかも、そのかたの住所は北海道だ。遺産分割だからだいたいの当事者は九州在住だったのだけれども、そのかただけどういうご縁か北海道に住所があった。

裁判所から特別送達が届かない事情について調査を命じられた。期限は12月上旬だ。

相手方の近所のかたや、ご親族に電話や手紙を出して、その辺の事情をうかがった。しかしはっきりしない。もしくは、ご返事がない。役所等に問合せようにも、昨今は個人情報の壁があつく教えてもらえない。

こうして、やむなく今週末、北海道出張を企画・断行しようとした。

そうしたらなんとドラマのような展開。ギリギリ一昨日の夕方、ご親族のお一人から、お手紙のご返事が届いた。それにより、審判書が届かない事情が判明した。

北海道出張は急遽とりやめ。助かった。雪に弱い九州人が雪にまかれて凍死したのではあまりにもおそまつ。

このような事態はこれからさらに増えるだろう。こんかいは国内にいらしただけまだマシだったかもしれない。

2023年9月14日木曜日

ある認知請求事件

 

 ある母から認知請求事件の依頼を受けた。認知とは親子関係があることを役所に届け出ることだ。認知心理学とかいう場合の認知とはすこし違う。

認知請求事件の依頼人は、基本的に未婚の母だ。結婚していれば嫡出の推定が働く(民法772条)。すなわち、妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定される。

父のほうは、妻に請求する必要はない。自分で役所に届け出ればよい。かくて認知請求は、未婚の母から父に対する請求という形をとる。

親子関係が確認されれば、養育費の支払義務等が発生するので、任意には応じない父もいる。

その場合、家庭内のことであるから、まず家庭裁判所へ調停を申し立てることになる。いわゆる調停前置である。

父が調停に応じてくれればよいが、父子関係を否認された場合、訴えを起こし、鑑定が必要になる。鑑定とは特別の知識・経験に基づく専門家の判定である。

ぼくが弁護士になったのは1986年だけれども、そのころは血液のABO型や父子が似ているかどうかというアバウトな鑑定だった(ドラマなどでも、父子じゃないという場面の根拠はたいがい血液型の違いだった。)。

しかしそれ以降、親子関係の鑑定技術は急速に発達した。いわゆるDNA鑑定である。それが日常実務レベルで使えるようにまでなったのである。

ワトソンとクリックが遺伝子(DNA)の二重らせん構造を発表したのが1953年。高校の教科書に掲載されたDNAのX線解析写真は2次元の対称的な斑点模様にすぎず、この映像からよく二重らせん構造に思い至ったものだと感心した。

2002年以降薬害肝炎裁判に取り組んだけれども、C型肝炎ウイルスが同定されたのは1989年である。それまで非A非B型肝炎とされていた。A型でもB型でもない肝炎という背理法のような定義であった。それが遺伝子レベルで同定できるようになったのである。

DNA鑑定が刑事事件に導入されたのが1991年。PCR法だ。そのころ以降、民事・家事事件にも順次DNA鑑定が導入された記憶だ。ただ当時は1件50万円くらい費用がかかったのではないかと思う。

ある議員さんから、故人のDNA鑑定ができるかどうか相談されたこともあった。遺髪を探してもらったけれども、DNA鑑定まではできなかった。

いまやドラッグストアの前を歩いていると、新型コロナのウイルス検査が1800円くらいでできるとうたっている。あれも立派な遺伝子検査だ。ただし、ウイルスなので、DNAではなくRNA検査である。安い。隔世の感とはこのことだ。

肝心の親子DNA鑑定の費用はというと、19,800円(ネット情報)。これまた安い。

https://seedna.co.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=dnatest&utm_content=cost&network=google_g&placement=&keyword=%E8%A6%AA%E5%AD%90%20%E9%91%91%E5%AE%9A%20%E8%B2%BB%E7%94%A8&device=&gad=1&gclid=CjwKCAjwu4WoBhBkEiwAojNdXote43J0ictQy8elJCR08QSGZ6Qz_u9IB-RucXLxKNkf2D6Ksa8ObhoCuVYQAvD_BwE

近時、婚姻関係でさえも不安定だ。3組に1組は離婚している。残る2組のうち1組も仲が悪い。SNSやマッチングアプリで知りあい、結婚。離婚相談の際、相手の親のことを尋ねると、会ったこともないという。2人の愛以外に結婚を支えるものがなにもない状態だ。

ましてや、婚姻関係のない父子関係を確認することに、どれだけの意味があるのか不安を覚える。でもやるしかない。認知された子どもの将来がすこしでもよいものになることを祈りつつ。

2022年10月27日木曜日

感謝ができる成長・幸せ


  うれしい電話があった。精神障害のため財産の管理が困難な人で、もう何年も成年後見人(正確には保佐人)をさせてもらっている。

直前に今後の状況について協議した。財産管理が難しくなる局面だったので、多少説教くさいことも申し上げた。

ところが電話の内容は感謝だったらしい(秘書さんが受けた。)。かれの成長を感じた。

われわれは基本的には同じ姿勢で事件に取り組んでいる。しかし相手方の性格やスタンス、客観的な状況等により、望外にうまくいくこともあれば、思ったほどにうまくいかないこともある。

望外にうまくいけば顧客はとても喜び、思ったほどにうまくいかなければ顧客はとても不満に思うはず。だがそうでもない。

ある顧客はうまくいっても、常に不満をおっしゃる。ある顧客はうまくいかなくても、感謝の言葉をのべられる。

幸せな人とは、夢や希望や強みを持ち、つながりと感謝を持ち、前向きかつ楽観的に、自分らしく生きている人。あるいは、自分を信じ、他人を信じて生きている人。

逆に不幸な人とは、夢や希望や強みを持てず、孤独で、うしろ向きかつ悲観的で、人の目を気にしすぎる人。自分を信じられず、他人を信じられない人だという(『無意識の力を伸ばす8つの講義』前野隆司著・講談社)。

ほんとうにそう思う。

写真は九重のリンドウ。花言葉は、悲しんでいるあなたを愛する、正義。

2018年12月26日水曜日

養育費がゼロに


(西穂独標から見たジャンダルムと奥穂)

 離婚する際,未成年者の子がいる場合,その親権者を父母どちらにするのか,養育費をいくらにするのかを決めます。

 未成年の子の親権者をだれにするのかは,子どもの幸せになるのはどちらかという観点から決められます。子どもが小学校の高学年になり,自分の意見をもつことができるようになれば,子どもの意見もきいて尊重されるようになります。

 養育費のほうは,いろいろ批判や見直しの動きもあるところですが,一般的には裁判所のホームページにアップされている算定表によることになります。

 子どもが成長するにつれ,当初は決めようがなかった高等教育にかかる費用や子どもの病気や交通事故の治療費など特別の出費の加算について,事後的・追加的に,話しあわれることもあります。

 親権者を母(妻)として養育費を支払っている場合に,妻が再婚したのでもう支払いをつづけなくてよいのではないかという相談を受けることがあります。

 気持ちはわかります。が,妻が再婚しただけでは養育費の支払いは免れません。妻が再婚しても,親子関係が切れるわけではないからです。

 さらに,養子縁組まで結べば,養育費を支払わなくてもよくなります。ただし,離婚の際の調停調書があるのなら,あらためて調停を申し立て,支払義務のないことを確認する必要があります。さもないと,給料の差押え等を受けるおそれがあるからです。

 以前から相談にこられた方は,調停を申し立てられましたが話がつかず,今般,審判で支払義務の取り消しがなされました。これは予想された結論なのですが,妻が話し合いに応じないため審判までなされました。
 
 もう5年ほど前の離婚なのですが,なかなか理性的にはふるまえないようですね。

2018年12月21日金曜日

遺産分割事件(解決)


(信州中の湯温泉付近でサルの親子)

 遺産分割事件が解決しました。

 中小企業団体の知合いのご紹介でした。
 相談者は高齢で,ご自分で協議や交渉をすることが困難なようでしたので,その場で受任することにしました。 
 
 被相続人は今年はじめにお亡くなりになりました。
 遺産は約1億円です。

 配偶者,子はなく,ご両親も亡くなっておられました。
 このような場合,兄弟姉妹が相続人になります。

 被相続人をのぞく兄弟姉妹は5人でしたが,うち3人は亡くなっていました。
 そのうち,1人には3人の子(被相続人からみて甥姪になります。)があり,あと2人には子もいませんでした。
 まとめると,被相続人の兄弟が2人,亡くなった兄弟の子,つまり甥姪が3人でした。
 このような場合,兄弟2人がそれぞれ3分の1,甥姪が3分の1の3分の1で,それぞれ9分の1の相続分となります。

 受任と同時に相手方に,本件は弁護士が一切の交渉権限を受任したので,なにか連絡があったら弁護士を通して欲しい旨の受任通知をおくりました。

 ご依頼を受けたときは,遺産について,金融資産(預貯金,生命保険等)がどことどこ,不動産があのあたりくらいの情報しかありませんでした。そのため,金融機関への照会や,地図・図面・不動産登記簿謄本の取り寄せなどの調査から開始しました。

 こちらが弁護士に依頼したためと思われますが,相手方兄弟も弁護士に依頼されました。そして遺産の目録が送付されてきました。当職の調査結果とほぼ一致しました。

 あとは特別受益や寄与分などの話がなければ,法定相続分どおり分割することになります。この場合,金融資産ごとに分割するのは煩雑なので,相手方がすべての遺産を取得し,当方は代償金として現金を受け取ることにしました。

 遺産分割といえば家庭裁判所で協議ときめてかかる人もいますが,兄弟で仲よく話し合って解決することができれば,家庭裁判所は必要ありません。本件も話合いで解決することができました。

 ほとんど調印直前になって,当事者の1人が亡くなりました。数次相続といいます。が,考え方はおなじです。亡くなったかたの相続人らで,その件の相続はあとで話し合おうということにしていただいたので,やきもきしましたがそこは紛争化しないで解決をすることができました。

 あとすこし残務が残っていますが,年内に解決の道すじをつけることができて,ほっとしています。

2018年10月24日水曜日

2つの離婚事件


          (建仁寺,双龍図)

 2つの離婚事件について,ひとつは判決があり,ひとつは和解が成立しました。

 いちどは好きで一緒になった男女だけれど,うまくいかなくなると愛情は容易に憎悪に転化してしまいます。

 「法律は家庭に入らず」の原則から,離婚事件はいきなり裁判をすることができません。まず家庭裁判所で調停という話合いをする必要があります。

 調停で話がつかないときにはじめて裁判になります。裁判になっても,途中なんどか和解という話合いによる解決の試みがなされます。それでも解決できないときに判決の言い渡しがなされます。

 このたび,一件については和解が成立し,一件は判決の言い渡しとなりました。どちらも夫側で関与することなりました(別に夫側専門ではなく,たまたま相談・依頼されたのが男性側だっただけです。もちろん女性側で離婚事件をすることもたくさんあります)。

 一件は,新婚数か月の夫婦で,結婚式の準備をめぐって夫婦げんかが絶えず破局しました。離婚原因は夫側にあるとして慰謝料請求にこだわり,調停,裁判にいたったものです。双方の言い分と証拠をだしつくしたところで,裁判所が和解案を打診しました。慰謝料は認めず,婚姻費用の分担について,妻の離婚後の生活費を負担するとしてやや増額するという内容です。この理由なら問題ないので,当方も和解に応じることにしました。

 もう一件は,夫にDVがあったかどうか,財産分与の対象となる財産にはどのようなものがあるかについて厳しく争われました。調停段階から何度か話合いによる解決が模索されましたが,双方の見解のひらきが大きく妥結にはいたりませんでした。今般,判決がなされ,概ね当方の言い分が認められました。しかし,妻側は納得せず,控訴となりました。さらに高等裁判所で裁判がつづくことになります。

 双方が納得できる妥協点が早期に見つかることを願ってやみません。

2018年3月2日金曜日

財産分与



     (上福根山。ところどころ雪が残っていた。)

 いまようやく起案が終了しました。
 起案とは,裁判所に提出する文書案等を作成することです。
 離婚事件で,財産分与がおおきな争点になっています。

 財産分与。遺産分割のことを財産分与と呼ぶ人もいるけれど,離婚に際し,潜在的な夫婦の共有財産を清算することです。

 民法768条はこう定めています。
1 離婚をし者の一方は,相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について,当事者間に協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,当事者は,家庭裁判所に対して協議に代わる請求をすることができる。ただし,離婚の時から2年を経過したときは,この限りでない。
3 前項の場合には,家庭裁判所は,当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して,分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。 

 潜在的な夫婦の共有財産というと分かりにくい。けれども,たとえば,夫が働きに出て,妻が専業主婦の家庭などで,家や預貯金の名義が夫になっていることはよくあります。このような場合,たとえ夫名義ではあっても,いわゆる妻の内助の功により形成・維持されてきた財産なので,離婚に際し清算する必要があります。

 清算の対象は,あくまで夫婦で形成・維持してきた財産です。なので,婚姻前からの定期預金や,婚姻中の相続財産は,特有財産として,財産分与の対象とはなりません(民法762条1項)。

 ただし,夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は,その共有に属するものと推定されます(同2項)。なので,特有財産を主張する者は,この推定を破る立証が求められます。

 起案が終わった夫婦の場合,たくさんの不動産,金融資産をおもちです。そのような財産を形成できた原因としては実家の援助も大きい。なので,特有財産の主張が多くなされることになっています。
 そうなると,銀行取引の履歴を過去にさかのぼってお金の流れを主張・立証していくことにならざるをえない。それを文章で表現するので,なかなかにたいへんなのです。ふう。

2017年11月28日火曜日

生前の預金引き出しに関する相続・遺産分割事件(福岡家裁)


        (京都嵐山・渡月橋・琴きき橋跡)

 福岡家庭裁判所で,遺産分割調停でした。

 相続人は3人(うち2人が依頼人で申立人),遺産は大半が不動産・金融資産が少しです。

 遺産の分割について,共同相続人間に協議が整わないとき,また,協議をすることができないときは,その分割を裁判所に請求することができます(民法907条)。ただし,遺産分割事件はいきなり裁判(審判)を求めることはできず,まずは調停をしなければなりません(家事事件手続法257条)。これを調停前置といいます。
 
 主な争点は,①被相続人(遺産を残して亡くなった人)の生前に,同人から管理をまかされた預貯金を無断で多額にひきだしてしまったことをどう解決するのか,②現有遺産の大半が不動産であるときに,どのように分割するのかという2点です。

 ①について
 調停は,調停委員をあいだにはさんだ話合いなので,遺産の存否について争いがある部分は対象になりません。通常訴訟をおこして,そのような遺産が存在することを前提問題として解決する必要があります。しかしながら,それは双方にとってそうとうの負担となるので,一定金額を遺産にもちもどす和解的な解決が図られることが多いです。本件においても,相手方からそのような提案がなされました。

 ②について
 これについては,現物にこだわれば共有という解決もありますが,紛争を将来にもちこすだけになりかねません。
 いちばん簡単なのは,ひとりが全部を相続したことにして,その人が他の人に代償金を支払うという方法です。たとえば,不動産の価格が3,000万円であるとしてAが取得する,その代償としてAがBとCに1,000万円ずつ支払うというものです。本件でも,この方向が模索されましたが,Aが金策に失敗し,できませんでした。
 そこで,やむなく不動産を売却して現金に換え,これをわけるという方向を検討することになりました。

 遺産分割は細かい点を議論しはじめればキリがありません。親族なのですから,双方が大局的な観点から判断していければ早期の解決を図ることができます。

2017年11月21日火曜日

最近の離婚裁判における財産分与事情(福岡家裁)


        (傾山三つ尾にむかう尾根上の紅葉)

 ある離婚事件裁判の期日が福岡家庭裁判所で開かれました。当職は夫側の事件です(もちろん妻側につくこともあります。妻側のほうが実際に現金を手にする解決になることが多いので,当事者の満足が得られやすいです。)。

 本件では,離婚すること,未成年の子どもの親権者をどちらにするのか,養育費の額についてはほぼ争いはなく,離婚慰謝料と財産分与について激しく争っています。

 慰謝料については,夫婦間に暴力,暴言があったのかどうか,あったとしてその頻度や程度が問題になっています。これらの問題は,どちらに,どれだけの証拠があるかによって決着がつくことになります。

 財産分与は,夫婦で協力して形成した実質的な共有財産を清算する制度です。離婚をした者の一方は,相手方に対して財産の分与を請求することができ,当事者間に協議が調わないとき,又は協議をすることができないときは,家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。ただし,離婚後2年間の期間制限があります(民法768条1項,2項)。

 家庭裁判所は,双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して,分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定めます(民法768条3項)。そのため,われわれも一切の事情を主張し,立証しなければなりません。

 夫婦がその協力によって得た財産が対象ですから,どちらかの特有財産は,この対象から外されます。なぜなら,夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は,その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とするからです(民法762条1項)。したがって,たとえば,婚姻前からもっている定期預金や,婚姻中に相続した土地などは,夫婦で協力して形成した財産ではありませんので,財産分与の対象財産ではありません。

 しかしながら,そのようなものも含め,夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は,その共有に属するものと推定されています(民法762条2項)。民法の建前としては,夫婦別産制といって夫婦はそれぞれ別の財産を有していて,夫婦関係を維持するのに必要な限度で協力しあうことを予定していたようです。が,日本の現状では,そのような関係は水臭いものとされ,あいまいなまま夫婦関係を続け,離婚の際にあわてることが多いようです。たとえ水臭くとも,漫然と相手まかせにしないで,きちんと取り決めをし,できれば年次報告をしあうぐらいが,いざというときに安心です。

 夫婦の収入を漫然と妻,もしくは夫まかせにしていると,離婚の際に財産分与の対象財産がどこに,いくらあるのか,さっぱり分からないということになります。この場合,相手方に対し,求釈明といって情報の開示をまず求めます。

 そのような任意の開示でなかなか納得のいくようなものが示されなかった場合,次に,調査嘱託という制度があります。すなわち,裁判所は,必要な調査を官庁若しくは公署,外国の官庁若しくは公署又は学校,商工会議所,取引所その他の団体に嘱託することができるとされています(民事訴訟法186条。なお,離婚訴訟は,人事訴訟法であり,人事訴訟法というのがあります。しかし,人事訴訟法は,民事訴訟の特例等を定めているだけなので,基本的には民事訴訟法によることになります)。これにより,相手方の金融資産が所在する金融機関に対し,調査を行うことができます。しかし,これも全国すべての金融機関に対する,いわゆる探索的な調査はできませんので,調査をすることについての一定程度の根拠は必要になります。

 このような調査の結果,対象財産の全貌(と思われるもの。当事者がなお納得されないこともありますが,証拠裁判主義の立場からやむを得ません。)が判明すれば,あとはその分与の程度ですが,2分の1ずつ分けることが一般的です。

 そうなれば,訴訟も一区切りを迎え,裁判所が和解案をだすこともありますし,和解解決が難しければ,人証の取調べ(証人や本人たちの尋問)をおこなっていくことになります。
 その結果に基づき,ふたたび和解の勧試がなされ和解が成立することもありますし,当事者が納得されなければ判決という運びとなります。
                            H.U.

2016年2月12日金曜日

離婚の財産分与 ~ 将来の退職金


離婚のご相談で、盲点となりやすいのが、将来の退職金です。

例えば、夫が57歳で、職場の定年が60歳。主婦の妻と離婚の協議をしている。
というご相談であれば、退職金は盲点になりません。
将来の退職金について妻への分与は認められるでしょう。
あとは、貯蓄などがあって、離婚時に、退職金の分与を清算できるのか?
それとも、退職金が支払われた後に清算ことにするのか?
状況に応じた交渉をしていくことになります。

では、夫が57歳ではなくて、もっと年齢が低かったら??
私が経験した事例では、夫が52歳(中小企業の会社員)だったのですが、家庭裁判所の調停委員は
  「うーん、分与を認めるべきかどうか、、、微妙・・・」
という顔をしていました。
最終的には夫婦の合意がうまく整いましたので、裁判所が結論を出すまでには至りませんでした。
実際の調停の現場での将来の退職金の取り扱いというのは、こんな感じなのです。

また、少し事例を変えてみましょう。
夫が52歳というところは同じでも、妻が不倫をして慰謝料の支払義務が認められそうだったら?
このときに、例えば、妻の側から、
  「将来の退職金は精算しなくてもよいので、
   その代わりに慰謝料の支払を免除(又は減額)してほしい」
と切り出すのは、かなり有効な手段だろうと思います。
調停委員も、話に乗ってくることが多いのではないでしょうか。
将来の退職金を現実に分与させるまでのハードルと、
分与の話を切り口に慰謝料を免除(又は減額)させるまでのハードルは、
違う(後者のハードルが低い)ということなのです。

離婚にまつわる法的な処理の実際というのは、本当にいろいろな糸が絡み合っています。
書籍やネット記事の知識だけで実際の現場にのぞむと、「えっ」と思うことも多いと思います。
そうならないようにするのが、私たちの仕事なのです。

弁護士田中謙二

2016年2月9日火曜日

これも、遺言っていえる?



 大切な人が亡くなるという出来事。
 残された家族の悲しみは、なかなか癒えるものではありません。
 誰にとっても大切だった故人。
 それぞれの家族(相続人)がその故人の思いを大切にしたいと考え、「故人の思いを実現したい。」と言われる場面をよく目にします。
 
 故人の思いは、受け手によって随分と違うもの。
 本当の気持ちは、生前によく話を聞いておくこと、法的なもの・遺産に関するものは、遺言書に書いてもらうことをお勧めします。
それが、相続人どおしの争いごとを防止することにもなります。
 そこで出てくる遺言書ですが、よく「やっぱり、公正証書でないダメでしょう?」と聞かれることがあります。
 たしかに、公正証書遺言であれば、検認(家庭裁判所における手続き)が不要ですし、有効無効が争われる確率は低いです。
 ですが、自筆証書遺言も、形式的な要件さえ満たしていれば立派な遺言といえます。
 自筆証書遺言の要件は、
   ・全文を自書すること
    (名前だけ自筆で、本文がワープロなどはNG)
   ・日付の記載があること
   ・署名押印があること
です。
  
 そして、遺言は、その解釈にあたっては出来るだけ遺言者の真意を探求すべきであると言われています。
ですから、一見メモのように見えるものでも、少々分かりにくい記載があっても、なるべく遺言者の真意を読み解くように解釈していくものです。
 故人が作成された文書がある場合、「これじゃぁダメでは。。」と簡単にあきらめず、ぜひ一度相談してみてください。
 私たちは、なるべく故人の思いに沿うような解決のお手伝いがしたいと思っています。

2016年1月15日金曜日

亡くなった方の祭祀財産(仏壇・お墓),遺骨の帰属先



相続において,一般に遺産といわれるのは,土地・建物などの不動産や,預貯金,株式等,現金,動産類です。

仏壇,お墓,遺骨など祭祀に関する権利の承継は,民法上,これと別問題とされています。
なぜなら,後者は宗教の問題がからんでくるからです。

そのため,このような定めになっています(民法897条)。

系譜,祭具及び墳墓の所有権は,前条の規定(一般の遺産に関する定め)にかかわらず,慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する(1項本文)。

ただし,被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは,その者が承継する(1項但し書き)。

前項本文の場合において慣習が明らかでないときは,同項の権利を承継すべき者は,家庭裁判所が定める(2項)。

つまり,①被相続人の指定,②慣習,③家庭裁判所の決定という順です。

家庭裁判所が決める際の基準は,民法に定めがありません。

この問題に関する先例(リーディングケース)とされる東京高決平18・4・19判タ1239・289は,次のような判断枠組みを定立しています。

①承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係,②承継候補者と祭具等との間の場所的関係,③祭具等の取得の目的や管理等の経緯,③承継候補者の祭祀主宰の意思や能力,④その他一切の事情を総合的に判断。

つまり,一切の事情を総合的に判断すべしということ。
こういった総合判断は弁護士泣かせなんですね。

相談者,依頼者に勝てますか?と尋ねられて,正直に答えるとなると
さぁ,どうでしょう?と言わざるをえません。

実際,判例時報2275号46頁に紹介されている事案も,原審である家庭裁判所の判断と即時抗告審である名古屋高決平成26・6・26は判断がわかれています。

原審は二女としていたのを抗告審では長女に変更したわけです。
ことほど左様に総合判断はむずかしいんですねぇ。

やはり,遺言書を作成して,祭祀の承継者を指定しておくことが望まれます。

相続人の不存在と特別縁故者に対する相続財産の分与



現在,福岡家庭裁判所から依頼を受け,ある方の成年後見人になっています。
その方には相続人がいません。

民法上,相続は,遺言を書かなければ,法定相続ということになります。

法定相続の場合,相続人の定めがあり,配偶者,子,その代襲相続人(孫など),子がないときは両親,両親が亡くなっているときは兄弟姉妹,その代襲相続人(甥,姪まで)となっています(民法886条~890条)。

そのため,妻側のそれ以外の親族,夫側(義理)の両親,兄弟姉妹,その代襲相続人(甥,姪)などの親族がおられたとしても,その方々は相続人ではないことになります。

そのようなときは,相続人が不存在であるということになります。その場合,家庭裁判所により相続財産管理人が選任されます(民法952条)。

相続財産管理人は,相続債権者や受遺者に支払いを行い,相続人を捜索します。
これにより,相続人が見つからず,相続財産が残ったときは,国庫に帰属することになります(民法959条)。

これは先ほどのご親族や被相続人に縁故のあった方々からすると,まことに残念な結論です。
そこで,例外が用意されています。それは次のような場合・方々です。

①被相続人と生計を同じくしていた者,②被相続人の療養看護に努めた者,③その他被相続人と特別の縁故があった者。

このような場合・方々には,その請求により,家庭裁判所は,相続財産の全部又は一部を与えることができます(民法968条の3)。

法律の条文に枝番がついているときは,あとから法改正がおこなわれたことを示しています。
本条文も,枝番がついているので,あとから法改正がおこなわれたものです。

東京家裁審判,平成24・4・20(判例時報2275・106)は,これを認めた事例判決です。

生前や死後の縁故の程度に応じて,被相続人の相続財産総額1億4000万円の預金のうち,被相続人の義理の姪に500万円,義理の従姉妹に2500万円をそれぞれ分与しています。

法定相続(人)制度の硬直性を事案に応じて具体的妥当性を図った判断といえるでしょう。
遺言の作成により,生前に問題に解決することが望ましいことはいうまでもありません。

2015年12月10日木曜日

離婚事件イロハ



 離婚事件の相談に親御さんがこられること
 これけっこうあります。

 親御さんの年齢はどうも
 60歳は越えているかな。

 子どもの年齢をおききすると
 案の定,40歳過ぎ。

 たとえ20歳前でも
 結婚すれば成人とみなされます(民法753条)。

 さて,どうしたものか・・・

 夫婦3組に1組は離婚しているので
 離婚相談はすくなくない。

 3人で酒を飲みにいけば
 1人は離婚経験者です。

 それでも家庭裁判所の手を経た離婚は
 1割にみたないらしい(司法統計)。

 9割の夫婦はじぶんたちで協議して,つまり
 裁判所の手をかりないで離婚しているわけです。

 じぶんたちの手におえないときに
 他者に相談したり,手をかしてもらうことになる。

 その際,親に相談する人とそうでない人にわかれ
 前者のなかから,親が相談にこられるわけです。

 そもそも調停や裁判は手術のようなもの
 本人の了解なしにはおこなえません。

 人を介した相談は事実とアドバイスの両面で
 行き違いを生じがちです。

 前提となる事実が異なれば
 解決方針も異なります。

 法的なアドバイスはいくつかの前提をおいています
 前提をすっとばすと,違う話になってしまいます。

 ふつうの会話でも生じがちなこうした齟齬は
 法律相談ではさらにリスクがたかまります。

 どっちみち家裁の調停には
 親ははいれないことになっています。

 もめごとの解決は本人の決断にかかっているので
 関係者がおおくなると,いつまでも解決しないからです。

 それに親がつきそっていると
 どうしても自立を疑われてしまいます(離婚原因とも関係)。

 そういう理由で,とりあえず親御さんの不安や悩みの相談にのるものの
 あらためて本人に来てもらうことになります。

 離婚することじたいが高度のストレスです
 法律事務所のたかい敷居をまたぎたくない気持ちもわかります。

 でも離婚も人生の一部なら
 その解決も人生の一部です。

 じぶんの人生ですから,じぶんで切り開くしかありません
 やはりまず,じぶんで相談にこられてください。勇気をだして。

2013年10月3日木曜日

解決するために…


訴訟や調停をする際には,

「管轄」

がどこの裁判所にあるのか
検討しなければなりません。


最近では,
裁判所を通じた電話会議が
行われることもありますから,
以前よりは融通がきくかもしれませんが,

それでも,
どこの裁判所に事件をもっていくのかは
非常に大切です。



全国各地に裁判所はあります。

また,
それぞれの土地に
地方裁判所,簡易裁判所,家庭裁判所…
といった具合に
様々な種類の裁判所があります。



「管轄」は法律に定めがあり,
どこでも受け付けてもらえるわけではありません。


ですから,
福岡地方裁判所に訴訟を提起したけれど,

「うちに管轄がないので,
それは札幌簡易裁判所でやってください」

と言われてしまうようなケースもあるわけです。



事件の詳細はお話しできませんが,
今回,この「管轄」で悩んだケースがありました。

紛争の解決には,

どのような法律上の主張をするか
とあわせて,
どこの機関を利用するのか
の選択も
大切だということですね。