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2021年1月22日金曜日

オンライン業務の悲劇~わたし忘れられていたんですか・・・


 
もともと最高裁判所も裁判業務のIT化を進めたいと考えていました。
昨年から、新型コロナ禍の三密回避ということもあり、IT化が加速しています。

われわれの業務も、弁護団会議はズームで、家庭裁判所の調停は電話会議で、地方裁判所の準備期日はチームスで、というようにオンライン化が急速に進んでいます。去年のいまごろは想定しなかった変化です。

先日などは、さいたま地方裁判所で証人尋問があったのですが、わたくしだけが浦和まで出張し、わが依頼人と証人は福岡地方裁判所に出頭して、ビデオ尋問をやりました。はじめての経験でドキドキしました。

リアルだと、裁判官や相手方の表情や言外のコミュニケーションまで察知できるけれども、電話会議だとそれができないのが難点だったりします。でもそんなことは言ってられません。

リアル調停だと、こちら側と相手方と交互に話しを訊かれます。相手方が話しをしているときは、こちら側は待合室で待機することになります。家庭裁判所の待合室は、いま、コロナ対策のため、開放されています。そのため、この季節は寒くてしょうがない。できれば、ぬくぬくの事務所で執務したいものです。

こうしてオンライン業務は、新型コロナ禍のなか、概ね便利なツールとして機能しています。しかしながら、人間のやることですので、ときには悲劇を生んでいるようです。

隣の席は井上弁護士が執務しています。きのうも昼から、損害保険会社とたくみに交渉をしていました。御社の提案はわかりますが、あとで自賠責保険から補填を予定していることを考えれば、この程度の慰謝料は認めていただいてもなんの問題もないものと考えます・・とかなんとか。実にソフトにそつなくこちらの要求を伝えている・・・。

夕方になって、いやいやいいんです、でも、わたし忘れられていたんですか?・・いやいやいいんです、でも、わたし忘れられていたんですか?・・。
珍しく隠そうとしても感情があらわになってしまっている。いつものソフトでそつないコミュニケーション術には見られない対応。
どうしたのだろう?

訊くと、電話会議で家事調停をやっていたところ、いつまで経っても折り返しがないため、こちらから問合せの電話をかけたらしい。そして、書記官の狼狽ぶりからして、どうもこちらへの連絡を失念したまま調停手続が終了してしまっていたらしい。

あはは。そういうこともあるよね。
と思うけれども、いままでの人生、そういう目にあったことが少なかったと思われる井上弁護士の落ち込みようは・・・。

2015年10月5日月曜日

期待していたのは。。。

地域奉仕のいっかんとして
F中学校の職場体験授業に協力したことがあった。

中学生のころからいろいろな職業に触れ
将来の進路を明確にするという趣旨だ。

消防署や店舗などいろいろな業種の人が集まった。そのなかで
法律事務所を希望した子たち6人のめんどうをみることになった。

事務所で座学をしても分かりにくいので
法廷傍聴をしてもらうことにした。

地域の民生委員の先生たちなどを法廷傍聴にお連れすることがある。
いちばんの悩みは,博多座のように前もって演目がはっきりしないことだ。

いつ分かるかというと当日,法廷の前の掲示板を見るまでわからない。
そこに10時~貸金請求事件,原告○○,被告△△などと書いてある

こちらの気持ちとしては,できればわかりやすい事件を傍聴してもらいたい。
長くつづいている事件のうちの1期日だと,なんとことやら分からない。

そこで集合時間の15分前くらいに裁判所へ行き
裁判所のなかを行ったり来たりしながら手ごろな事件を探し回ることになる。

民事事件より刑事事件のほうがわかりやすい。民事は
「訴状のとおり陳述します。」などと書面中心だから。

刑事事件の場合,起訴状を朗読したりして
被告人だけでなく傍聴人にも事件の内容がわかりやすい。

なかでも,自動車運転過失致傷事件や覚せい剤事件は手ごろだ。
1時間のうちに最初から結審までぜんぶやることが多いから。

その日も,自動車運転過失致傷事件を選んだ。
中学生にも分かりやすく,勉強になるであろうことを期待した。

中学生たちと傍聴席につくと,被告人は男性だったけれども
裁判官も,検察官も,弁護人もみな女性であった。

中学生のうち3人は女子だったので
彼女たちにも励みになるなぁとにんまりした。

ぼくが中学生を6人連れて法廷に入っていったのだから
裁判官たちにも当然状況はのみこめたはずである。

中学生にもわかる,わかりやすい法廷
ぼくはそれを期待した。

ところがである。
審理が進むにつれ,たいへんな事態に。

自動車事故の原因は,抽象的にいえば前方不注視だった。しかし
その実態は,助手席の女性が運転手の男性にいかがわしい・・(以下省略)。

中学生たちが傍聴しているわけだから,法律家たちは
いかがわしい話をさらりと流すやり方もあったはず。

だが,検察官も,弁護人も,裁判官もいかがわしい内容について
微に入り細を穿ち,何度も何度も,尋問を繰り返したのである。

傍聴人を意識してであろう
これでもかこれでもかの大サービスだった。

でも中学生なんだから
そういうことを期待したわけじゃないんだよね。

そういうわけで
とんだ法廷傍聴になったのでした。

2013年10月3日木曜日

解決するために…


訴訟や調停をする際には,

「管轄」

がどこの裁判所にあるのか
検討しなければなりません。


最近では,
裁判所を通じた電話会議が
行われることもありますから,
以前よりは融通がきくかもしれませんが,

それでも,
どこの裁判所に事件をもっていくのかは
非常に大切です。



全国各地に裁判所はあります。

また,
それぞれの土地に
地方裁判所,簡易裁判所,家庭裁判所…
といった具合に
様々な種類の裁判所があります。



「管轄」は法律に定めがあり,
どこでも受け付けてもらえるわけではありません。


ですから,
福岡地方裁判所に訴訟を提起したけれど,

「うちに管轄がないので,
それは札幌簡易裁判所でやってください」

と言われてしまうようなケースもあるわけです。



事件の詳細はお話しできませんが,
今回,この「管轄」で悩んだケースがありました。

紛争の解決には,

どのような法律上の主張をするか
とあわせて,
どこの機関を利用するのか
の選択も
大切だということですね。