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2021年1月21日木曜日

空き家対策

 


 適切な管理がおこなわれていない空家が全国で820万戸もあり(平成25年)、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしているとして、平成26年、空家等対策の推進に関する特別措置法が制定されました。
 各自自治体でも対策協議会を設置するなどして対策を進めています。
 われわれも仕事柄、その対策に協力することがすくなくありません。
 今般もそうした依頼に応え、相続人を調査し、遺産分割協議をまとめて当該物件売却につなげ、空家対策に貢献することができました。

2018年12月21日金曜日

遺産分割事件(解決)


(信州中の湯温泉付近でサルの親子)

 遺産分割事件が解決しました。

 中小企業団体の知合いのご紹介でした。
 相談者は高齢で,ご自分で協議や交渉をすることが困難なようでしたので,その場で受任することにしました。 
 
 被相続人は今年はじめにお亡くなりになりました。
 遺産は約1億円です。

 配偶者,子はなく,ご両親も亡くなっておられました。
 このような場合,兄弟姉妹が相続人になります。

 被相続人をのぞく兄弟姉妹は5人でしたが,うち3人は亡くなっていました。
 そのうち,1人には3人の子(被相続人からみて甥姪になります。)があり,あと2人には子もいませんでした。
 まとめると,被相続人の兄弟が2人,亡くなった兄弟の子,つまり甥姪が3人でした。
 このような場合,兄弟2人がそれぞれ3分の1,甥姪が3分の1の3分の1で,それぞれ9分の1の相続分となります。

 受任と同時に相手方に,本件は弁護士が一切の交渉権限を受任したので,なにか連絡があったら弁護士を通して欲しい旨の受任通知をおくりました。

 ご依頼を受けたときは,遺産について,金融資産(預貯金,生命保険等)がどことどこ,不動産があのあたりくらいの情報しかありませんでした。そのため,金融機関への照会や,地図・図面・不動産登記簿謄本の取り寄せなどの調査から開始しました。

 こちらが弁護士に依頼したためと思われますが,相手方兄弟も弁護士に依頼されました。そして遺産の目録が送付されてきました。当職の調査結果とほぼ一致しました。

 あとは特別受益や寄与分などの話がなければ,法定相続分どおり分割することになります。この場合,金融資産ごとに分割するのは煩雑なので,相手方がすべての遺産を取得し,当方は代償金として現金を受け取ることにしました。

 遺産分割といえば家庭裁判所で協議ときめてかかる人もいますが,兄弟で仲よく話し合って解決することができれば,家庭裁判所は必要ありません。本件も話合いで解決することができました。

 ほとんど調印直前になって,当事者の1人が亡くなりました。数次相続といいます。が,考え方はおなじです。亡くなったかたの相続人らで,その件の相続はあとで話し合おうということにしていただいたので,やきもきしましたがそこは紛争化しないで解決をすることができました。

 あとすこし残務が残っていますが,年内に解決の道すじをつけることができて,ほっとしています。

2018年3月14日水曜日

遺産分割調停が成立しました。


 ある遺産分割事件の調停が成立しました。
 相続人は,伯父と甥2人の3人です。

 ある相続人の手許で行方不明となった預貯金がありましたが,半分くらい返金することで合意ができました。
 被相続人の生前,死後を問わず,行方不明の預貯金の処理はむずかしい。争いになれば,地方裁判所でその存否を争わなければなりません。
 本件では,地裁での結論予測やそこに至るまでの手間・ヒマ・費用などの衡量をもとに,上記解決ができました。

 特別受益・寄与分の主張はなかったので,遺産を3等分することに争いはありませんでした。

 問題は,遺産のなかに不動産が存在し,そこにある相続人の子どもが住んでいることでした。
 関係者のなかに,不動産が欲しくて,かつ,現金が用意できる人がいれば,その人が不動産を取得し,その余の相続人に代償金を支払うという解決ができます。たとえば,3,000万円の不動産をAが取得し,その代償として,AがB,Cに対し1000万円ずつ支払うという方法です。
 本件ではこれによることができなかったので,不動産を売却し,経費を控除した残金を3分の1ずつ分配することになりました。現在,不動産業者に依頼して売却中です。

 というわけで,調停が成立したものの,紛争全体が決着をみるためには不動産の売却をまたなければなりません。が,とまれ一応の中間点は到達です。

2016年2月9日火曜日

これも、遺言っていえる?



 大切な人が亡くなるという出来事。
 残された家族の悲しみは、なかなか癒えるものではありません。
 誰にとっても大切だった故人。
 それぞれの家族(相続人)がその故人の思いを大切にしたいと考え、「故人の思いを実現したい。」と言われる場面をよく目にします。
 
 故人の思いは、受け手によって随分と違うもの。
 本当の気持ちは、生前によく話を聞いておくこと、法的なもの・遺産に関するものは、遺言書に書いてもらうことをお勧めします。
それが、相続人どおしの争いごとを防止することにもなります。
 そこで出てくる遺言書ですが、よく「やっぱり、公正証書でないダメでしょう?」と聞かれることがあります。
 たしかに、公正証書遺言であれば、検認(家庭裁判所における手続き)が不要ですし、有効無効が争われる確率は低いです。
 ですが、自筆証書遺言も、形式的な要件さえ満たしていれば立派な遺言といえます。
 自筆証書遺言の要件は、
   ・全文を自書すること
    (名前だけ自筆で、本文がワープロなどはNG)
   ・日付の記載があること
   ・署名押印があること
です。
  
 そして、遺言は、その解釈にあたっては出来るだけ遺言者の真意を探求すべきであると言われています。
ですから、一見メモのように見えるものでも、少々分かりにくい記載があっても、なるべく遺言者の真意を読み解くように解釈していくものです。
 故人が作成された文書がある場合、「これじゃぁダメでは。。」と簡単にあきらめず、ぜひ一度相談してみてください。
 私たちは、なるべく故人の思いに沿うような解決のお手伝いがしたいと思っています。

2016年1月15日金曜日

相続人の不存在と特別縁故者に対する相続財産の分与



現在,福岡家庭裁判所から依頼を受け,ある方の成年後見人になっています。
その方には相続人がいません。

民法上,相続は,遺言を書かなければ,法定相続ということになります。

法定相続の場合,相続人の定めがあり,配偶者,子,その代襲相続人(孫など),子がないときは両親,両親が亡くなっているときは兄弟姉妹,その代襲相続人(甥,姪まで)となっています(民法886条~890条)。

そのため,妻側のそれ以外の親族,夫側(義理)の両親,兄弟姉妹,その代襲相続人(甥,姪)などの親族がおられたとしても,その方々は相続人ではないことになります。

そのようなときは,相続人が不存在であるということになります。その場合,家庭裁判所により相続財産管理人が選任されます(民法952条)。

相続財産管理人は,相続債権者や受遺者に支払いを行い,相続人を捜索します。
これにより,相続人が見つからず,相続財産が残ったときは,国庫に帰属することになります(民法959条)。

これは先ほどのご親族や被相続人に縁故のあった方々からすると,まことに残念な結論です。
そこで,例外が用意されています。それは次のような場合・方々です。

①被相続人と生計を同じくしていた者,②被相続人の療養看護に努めた者,③その他被相続人と特別の縁故があった者。

このような場合・方々には,その請求により,家庭裁判所は,相続財産の全部又は一部を与えることができます(民法968条の3)。

法律の条文に枝番がついているときは,あとから法改正がおこなわれたことを示しています。
本条文も,枝番がついているので,あとから法改正がおこなわれたものです。

東京家裁審判,平成24・4・20(判例時報2275・106)は,これを認めた事例判決です。

生前や死後の縁故の程度に応じて,被相続人の相続財産総額1億4000万円の預金のうち,被相続人の義理の姪に500万円,義理の従姉妹に2500万円をそれぞれ分与しています。

法定相続(人)制度の硬直性を事案に応じて具体的妥当性を図った判断といえるでしょう。
遺言の作成により,生前に問題に解決することが望ましいことはいうまでもありません。