2022年3月1日火曜日

ある現場


  きのうは朝から朝倉方面まで出かけた。そのためブログが書けなかった。

 ある遺産分割調停が成立した。きのうは、相手方の動産を運び出す日だった。適切になされるよう監督するため、立ち会う必要があった。

向こうに古処山がのぞめる田園地帯である。天気も快晴でおだやかだった。

遺産分割事件であるから、当方と相手方は兄弟である。兄弟であるけれども、双方に弁護士がついて調停を経ているのであるから、仲がよいとはいえない。当方の依頼人と相手方の弁護士は来ていない。

いくつか小競り合いがあった。裁判所で調停しなければならないほどの仲であるのに、自己に都合のよいところでは兄弟感覚でいるから、やってよいこととやって悪いことの区別が十分にできていない。それを指摘すると、食ってかかる。

電話工事業者が4、5人いて、第三者の眼があったこともあり、ことなきを得た。現場には、裁判所や事務所とは異なる「前線」の感覚がある。

 数週間前にも、隣地の石垣が崩れた現場を見にいった。現場百回と言われる。事務所で話を訊くだけでは真実をつかみそこねることがある。

境界にある崖が崩れたときの解決方法については争いがある。大学では物権的請求権により、崖下の人が崖上の人に復旧を要求できると習った。そのように理解していたら、東京高判では別異に判断がなされている。

しかしそれも自然状態にある場合である。すでに石垣など人工的な工作物がある場合は別だ。土地の工作物所有者の責任により、原則として石垣の設置・管理者が責任を負わなければならない。

現場に行くことにより案の定、依頼者の話や写真では分からなかった状況を把握することができた。やはり、おっくうがらずに現場にでかけなければならない。

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