2022年3月8日火曜日

曾根崎心中

 

 先週土曜日は人形浄瑠璃・文楽の観劇。演目は『曾根崎心中』(写真左)。近松門左衛門作。大野城まどかピアでの地方公演。

文化庁の後援及び日本芸術文化振興会の助成事業。博多座公演と比べて安い。このパンフレットも500円と格安。大阪まで観に行くことを考えると夢のよう。でも入りは半分弱くらい。とてももったいない。

梅田から御堂筋を南にブラブラしていると、東側にお初天神(露天神)がある。曾根崎心中は、そのお初と徳兵衛が恋をまっとうし、心中した話。生玉社前の段、天満屋の段、天神森の段からなる。お初天神は、最後の段の舞台で、2人が心中した場所である。

初の世話物。いまでいえば、時代劇ばかりの番組編成のなかに、はじめて現代ドラマをもちこんだもの。大ヒットした。カムカムの伏線はじつは近松がしかけたのだった。

文楽はお能よりわかりやすい。もともと客層がちがう。お能を観ていたのはいまでいえば高級官僚ら、文楽を観ていたのは庶民。そういうこともあるのか、文楽には字幕がついている(文語であるが、耳だけでなく目を使えるというのが断然ちがう。)。

そもそも人形劇だからわかりやすいということもある。大きな人形を3人で操縦する。世界でも例をみないという。

ストーリーと人形のせりふは舞台右手に座っている太夫がよく通る声で語る。その横では大きな三味線が劇をもり立てる(これはいまのテレビドラマでもそうだ。役者の演技はそこそこでも背景にながれる音楽の美しさに感動してしまうことがある。)。

わが?三浦しをんがファンである。『あやつられ文楽鑑賞』『仏果を得ず』(いずれも双葉文庫)の著作がある。まずはこのへんに手をだし、やがてその術中にはまり、あやつられてみてはいかが。


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