2013年6月28日金曜日

賃貸借の揉め事とは


森です。

少しずつブログのレイアウトにも手を入れています。
仕事の合間の急ごしらえなので,
しばらく迷走するかもしれません。
ご容赦を。



さて,

賃貸借している建物を巡る紛争は,
相当数あります。

どうしても契約が長期間になりますから,
貸主も借主も
いろいろと事情が変わってきます。

その事情の変化が,
お互いの立場の違いを
浮き彫りにしてきてしまうのです。



私が担当している事件でも
お話をしていると,
様々な事情が出てきます。


借主側の事件では,
「失業して,家賃を払い続けることができなくなった」
「子どもが生まれて,
どうしても生活音が大きくなってしまうのだけれど,
苦情を出されて困っている」

貸主側の事件では,
「建物が激しく老朽化しているので,
周辺住民に迷惑をかける前に取り壊したい」
「生活上のトラブルが多く他の住民に迷惑なので出ていってほしい」


等々。

貸主側の事件も,借主側の事件も,
どちらの側のお話も
切実です。



建物によってこの事情も様々。


皆さんもお困りのことがあれば,
お気軽にご相談ください。



次回は,
裁判官が着ている「法服」について
少しお話していきます。
お楽しみに。

2013年6月27日木曜日

主筆は森です。


昨晩,
妻と話をしていると,
ブログの「執筆者」(浦田弁護士曰く“主筆”)が
私になったことを指摘され,
ひとしきり盛り上がりました。


妻は,数日分の記事を
まとめて読むような習慣だったそうです。

ですから,
わたしが書いた最近記事から
遡る形で読んでいくと,
一目には執筆者変更が分からず,


「浦田弁護士,ものすごく文体変わったなぁ~」


と思っていたとか。



はい。
軽い言葉づかいで申し訳ありません。
話題も小さくてすみません。


きっと長年お付き合いいただけると,
私のブログ力も向上してくる
ことでしょう。


目標は,
浦田弁護士を上回る4年っ!
石の上に“四年”です。

乞うご期待!



次回は,
私が扱っている
「賃貸借建物の明渡し」に関する事件の
お話をしようと思います。

2013年6月26日水曜日

裁判傍聴が少しだけ分かるようになる法


法廷における弁護士のやり取りには,
独特なものが多くみられます。


不定期で
皆さんにお伝えして,
少しでも裁判を身近に感じて
いただければと思います。


その代表格が,


「しかるべく」


という言葉ではないでしょうか。
決して身近な言葉ではありませんね。



たとえば,

原告が証人尋問をしてほしいと求めたときに,
裁判官が被告に「ご意見は」
と尋ねます。

それに対して被告が「しかるべく」と
応えて用います。

「裁判官が考えているように“しかるべく”取り計らってくれ。
裁判官の判断にお任せします。」

という趣旨ですね。


他にも「異議はありません」といった趣旨で
多く用いられています。


なぜ「しかるべし」ではなく,
連用形である「しかるべく」にしつつ

その後ろにある「取り計らってほしい」
を省略しているのかは,
定かではありません。


裁判傍聴などされたら,
気にかけて聞いてみてください。



ちなみに,私は,
弁護士になって初めて
「しかるべく」と法廷で発する時,
かなり緊張しました。


2013年6月25日火曜日

「静粛に!」


カンッカンッ!!
「静粛に」

そうやって裁判は始まり…
ません。



裁判官が法廷に入ってくると,
起立して全員で一例。
(日本らしいですね)
そして,裁判官のテンポで
その日の審理が始まります。



欧米などでは,
場を静かにさせるために木槌が用いられています。
皆さんも
映画やドラマで見たことがあるのではないですか?

ちなみに,
裁判官が使う木槌のことを
英語では,ガベル(gavel)といいます。



皆さん既にご存知かもしれませんが,
日本の法廷にガベルはありません。

ですから,
裁判官がガベルを打ち鳴らす姿を
見ることはできないわけです。

ガベルではないにせよ,
何か裁判官に持たせてもよいのではないかと
冗談で勉強仲間と話していた際,
いろいろ候補が上がってきました。

鈴,太鼓,
ファミレスにあるピンポン,蛙(!?)…


皆さんはどれを支持されますか?



※注意
この先どんなに待っても
上記の物が法廷に置かれることは,
おそらくありません。

2013年6月24日月曜日

自分のことを棚に上げ…


去る土曜日は,
京都に出かけてきました。

母校で
法律家を目指す後輩たちのために
ちょっと学年が上だったという
ことだけで,
「働くということは…」
といった
お話をする機会を頂きました。



そうすると,

「弁護士が何をしているのかよくわからない」
「今,何をすべきかイメージできない」
といった声が聞かれました。


物事を進めていくのには,
具体的なイメージを持つことが
大切ですよね。

その一助になっていれば…と思います。


彼らが今後,
立派な法律家になって
市民の皆さんに貢献できることを
祈っています。




もっとも,
その前に自分自身が
もっと頑張らないといけないのですが。




2013年6月21日金曜日

3人とも不幸になった話






ふつうの人間の幸せは
相対的なもの。

他人の幸せとの比べつつ
自分の幸せをはかってしまいがち。

「他人の不幸は蜜の味」
「隣の芝生は青い」などなど。

他人が不幸になると,自分は
多少なりとも幸せになるんですね~。

でも,これはなんと
関係者全員が不幸になった珍しい話。



昼休み,弁護士4人で
食事に向かっていました。

ある発見をしたらしく,I弁護士が
「浦田先生,足が長いですね。」と,言いました。

自分では普通だと思っていたので
ちょっとビックリ。

「足の長さがウリではないですから。」
と,とりあえず受けました。

さらにI弁護士が言うことには
「うちのダンナと比べて,長い。」

個人情報保護の観点から
うちのダンナを仮にAくんとしましょう。

Aくんはテニスやサッカー
などが好きなスポーツマン。

スポーツマンであるからには
足も長いにきまっています。

そこまで言われれば,否やはなく
すこし幸せな気分になったのでした。


数日後,また弁護士4人で
昼食に向かっていました。

I弁護士いわく。
「うちのダンナに訊いてみました。

うちのダンナは足が短い
って,自分で言っていました。

先生の足が長いんじゃなく
うちのダンナの足が短かかったんですね~。」

「うぐっ。」
(やはりそんなことか。)


かくてI弁護士のいたらぬ発見によって,夫婦が
不幸せな気分になったことは推測にかたくありません。

でも,一度浮き上がったボクの気分も
やはり不幸せになったのでした。(とほほ。)


※かくて主筆の座は森君に委譲しましたが
ときどきおジャマさせていただく予定です。

2013年6月20日木曜日

新しい一歩へ


先日,
労働審判にかかっていた事件が
調停で終了しました。

「労働審判」とは,
原則3回の期日で労働に関する問題の
解決を目指す手続です。

私は残業代を請求された
中小企業の側の代理人をしました。



一定額を支払う内容でしたが,
前向きな方向で
解決ができたのではないかと
思っています。



労働問題は,
人を雇用する事業者にとって
避けることができません。

ただ,
企業立ち上げの段階から
「完璧な体制」を作ることが難しいのも
また事実です。


私が代理人を務めさせていただいた会社は,
今後,規則などをしっかり整備していく
とのことでした。
これから益々,
発展していってくださるように願っています。


今後改訂して,
さらに見やすいようにしていく予定ですが,
当事務所の労働問題Q&A
合わせてご覧ください。




次回からは,
不定期を予定していますが,
「もっと裁判所や弁護士が身近になる豆知識」
を紹介しようと思います。

乞うご期待。

2013年6月19日水曜日

リニューアル


リニューアル…といっても,
ブログの外枠は
何も変わっておりません。


皆さん,こんにちは。
弁護士の森です。
今日からどうぞ,お付き合いください。

まだ,「森という弁護士を知らない」
というあなた。
コチラからプロフィールを
ぜひご覧ください。
(当事務所の弁護士プロフィールの
ページが開きます)

私はページの一番下におります。



先日,
浦田弁護士より,
「3年という区切りだから」と
何やら不思議な理由で
ブログ更新をおしつけ……

もとい,
ブログ更新権限を「委譲」されました。


(一部,不適切な表現がありましたことを
お詫び申し上げます。)



今後,
徐々にリニューアルしていく予定です。

また,幅広い話題で
更新していければと思っています。


手さぐりになりますが,
どうぞこれからもブログにお越しください。





2013年6月18日火曜日

きのうはなんの日?





(ホタルブクロ
花言葉は,正義,貞節,愛らしさ,忠実)


しまった。
一日遅れました。

きのうはなんの日
だったでしょう?

これがわかる人は
そうとうなちくし通です。


実は,本ブログが
はじまった日なんですね。

2010年6月17日
故・落合弁護士がこう書いています。


「ブログ始めました。」

弁護士の落合です。

昨年10月に新事務所に移転して以降
更新が途絶えていた我が事務所のホームページでしたが
こっそりとブログを始めてみることにしました。【NEW】

とりあえずタイトルは「ちくし法律事務所」と無難なものにしてますが
ブログの方向性が確立したら
それらしいサブタイトルを付けようかと考え中です。
(それまでは迷走します。)

「ブログを見た!」の一言で相談料10%OFF!!
・・・みたいなことをするかはわかりませんが
たまに覗いていただければ幸いです。

なお、学生時代に少しだけ「mixi」をやっていた
私が主に更新する予定ですが
他の弁護士もたまにつぶやくかもしれません。

2ヶ月くらい後に
【2010/8/15】ブログを閉鎖いたしました。【NEW】
とホームページに載らないように頑張ります。


以来,いろいろありましたが
こんにちまで続けてくることができました。

これもみな読者のみなさまの
励ましのおかげです。ありがとうございました。

さて,3周年を記念して
ページを一新!

と,いきたいところですが
そうもいきません。

執筆を森俊輔弁護士に委譲するというあたりで
リニューアルをはかりたいと思います。

乞う
ご期待。

2013年6月17日月曜日

エンディングノート





(ドウダンツツジ@涌蓋山)


かなり時間がたってしまいましたが,先日
心配ごと相談員の先生がたの勉強会がありました。

ときどきは外部講師にお願いして
公正証書や年金の話などの勉強もします。

その日は,わが事務所の迫田弁護士に依頼して
エンディングノートの話をしてもらいました。

相談員の先生がたは
熱心に質疑されていました。

エンディングノートにおおくの先生が
関心をもっておられるようでした。


みなさんエンディングノートをご存知ですか?
もともとはある方の実話に基づくものです。

余命を宣告されたその方はエンディングノートを
手立てに精一杯生きようとされました。

それが映画になり
いろんな人に知られるようになりました。

迫田弁護士も自身の工夫を加えた
自家製エンディングノートを携えてきました。


エンディングノートは,自分の死後
家族へ向けたメッセージです。

いわゆる遺言のばあい
遺産の処分になりがち。

遺言書には,財産関係のこと以外にも
自分の思いなども書いてかまいません。

しかし書式の制約から
思う存分書くことがむずかしい。

エンディングノートであれば
紙数の制約を気にせず書き足すことができそう。


たほう,自分史の出版というのも
いちぶのかたは取り組んであります。

これはこれで逆に一定のボリュームと
筆力が必要です。

しかしながら,一般の人にはそのような
筆力も時間もちょっとということがおおいでしょう。

エンディングノートであれば,筆力も必要なく
空いた時間にちょこちょこ書けそうです。


そう。つまり,エンディングノートは遺言書と
自分史の間を埋める存在ですね。


ちょっと興味をひかれた方は
いちど迫田弁護士の話をきいてみてください。

こんしゅうの木曜に
以下の市民法律講座が予定されています。


  6月20日(木)19:00~20:30
  太宰府市いきいき情報センター2階208号

  費用:無料
  対象:どなたでも(定員36名,先着順)

  無料市民法律講座 第12回
  高齢者をめぐる「ほ~(法)」律講座

  ~エンディングノートをつくりましょう~
  これからの人生も自分らしく送れるように

2013年6月14日金曜日

労働審判





(ミヤマキリシマ@涌蓋山)

先日,わが事務所の3階会議室で
士業交流会がひらかれました。

士業は,司法書士,社会保険労務士,行政書士
土地家屋調査士など末尾に「士」がつく仕事です。

そのほかに大学の先生が
参加されています。


報告はもちまわりですが
先日は,わが事務所の森弁護士でした。

演題は「新人弁護士奮闘記
~残業代の支払いを巡る紛争を例にとって~」。

労働審判の概要と時間外労働賃金
の請求事例2件の報告でした。

うちわボメになりますが
とてもわかりやすい報告でした。


労働審判は,裁判に比べて
早期・簡便に権利の救済が図られる手続き。

制度ができてから
明らかに権利救済を求める機会がふえました。

全国的にみても
福岡では申立がダントツにおおい。

大阪328,名古屋181に対し
福岡245件です。

大阪,名古屋の労働事件は福岡の何倍も
あるでしょうから,福岡の多さは明らか。

245件のうちわけは
本庁208,小倉37。

これまた
本庁の活性を示しています。

福岡市民の権利意識の高さ
関係者の努力のたまものでしょう。


使用者側も労働者側もコンプライアンス意識
の向上が大事という結論になりました。

雇用契約書,就業規則,タイムカードなど
日ごろから注意をはらう必要がありそう。


2013年6月13日木曜日

ウツギ






週末は湯布院で
会議でした。

会場(宿)のほのぐらい庭に
白いものが輝いています。

ウツギ(空木)の花
ウノハナ(卯の花)でした。


オカラを卯の花と呼ぶのも
この花に似ているからだとか。


ユキノシタ,もしくは
アジサイの仲間だそう。

きのうの写真と
見比べてみてください。

ユキノシタの仲間だとすると
一族でもかなり違うものです。


ウツギ(空木)の名前の由来は
茎のなかが中空なため。

ためしに枯れ枝をポキンと折ると
中空でした。たしかに。


下手な写真ではわかりませんが
ほんとうに白く輝き,印象的。

古来,たくさんの歌に
詠まれています。

  卯の花の 咲き散る岳ゆ ほととぎす
            鳴きてさ渡る 君は聞きつや
                 万葉集 作者不詳

  卯の花を かざしに関の 晴れ着かな
                 曽良

  押しあうて 又卯の花の 咲きこぼれ
                 正岡子規


曽良の句は
「奥の細道」,「白河の関」を越える段から。

  卯の花の白妙に,茨の花の咲そひて
  雪にもこゆる心地ぞする。

 
  古人冠を正し,衣装を改し事など
 
  清輔の筆にもとどめ置かれしとぞ。

 
     卯の花を かざしに関の晴れ着かな
                      曽良


花言葉は,謙虚,秘密。
やはり中空からの想像でしょうか。

2013年6月12日水曜日

ユキノシタ



九重の麓,うたせ湯で有名な筋湯温泉街
薬師堂の階段に咲いていました。

いまどきに咲くのに
ユキノシタ(雪の下)。

名前は,雪が上につもっても
その下に緑の葉があることからだとか。

かわいい花です。
神さまも自慢の一品ではないでしょうか。

仲間の高山植物に
ダイモンジソウ(大文字草)があります。

見てのとおり
「大」の文字にみたてた名前です。

花言葉は,切実な愛情,恋心
と軽口。

そんな感じですね。



2013年6月11日火曜日

ボダイジュ





ボダイジュ。
太宰府・戒壇院に咲いています。

この木の下で
お釈迦さんは悟りをひらいたとか。

実際には,インド,中国,西洋など
種類があるらしい。

もちろんお釈迦さんが悟りをひらいたのは
インド種のものということになります。


戒壇院の説明によると
鑑真がもたらしたものだとか。

別の資料によると,ボダイジュを
日本にもたらしたのは栄西だとか。

戒壇院が鑑真説を支持したい気持ちはわかりますが
どうなんでしょう?


シューベルトの歌曲集「冬の旅」に
あるのは,西洋ボダイジュ。

  市門の前の 泉の側そこに
  一本の菩提樹が立っている。

   僕はその木陰で見たものだった
  とてもたくさんの甘い夢を。

  (中略)

  いま 僕は何時間も
  あの場所から離れたはず。

  けれど僕にはずっと ざわめきが聞こえたままだ
  「あなたはここで安らぎを得られたのに!」

失恋した若者が安らぎが得られたはずの
菩提樹の木蔭のある町を捨てて出ていく。

悲しい記憶とともに,故郷を離れる
後悔,迷いが強く表現されています。

おなじボダイジュなのに
東洋と西洋でえらい違いです。


いまオルブレヒトつながりでブルガーコフの
『巨匠とマルガリータ』を読んでいるのですが

そのオープニングの場所は
菩提樹の木蔭になっています。

作家2人に正体不明の男が語りかけ
なにやら不穏な空気がただよっています。

西洋のボダイジュは
悟りとは対照的な感情を喚起するものなのでしょうか?


古くから人類と関わりがあり,とくにゲルマン民族にとっては
自由の象徴として神聖視されてきたらしい。

シューベルトも,ブルガーコフも
このような意味をもたしているのでしょうか?


花言葉は
結婚,情熱の恋。

これまた自由とは対極にあるようで
よく分かりません。

2013年6月10日月曜日

『タイガーズ・ワイフ』



本を読んでいて
信じられない話がでてくると微妙。

なんか子どもだましに
あっているような気にさせられるから。

村上春樹の小説が好きになれない人は
その辺につまずいているのではないでしょうか。

科学的な事実に基づいて書くことだけが
小説ではないという立場に立てるかどうかですね。

なぜ小説を読むのか?
という点にかかわってきます。

魂を揺さぶられるためだ,とするならば
必ずしも科学的な事実に基づく必要はありません。


テア・オルブレヒトの『タイガーズ・ワイフ』
(新潮クレスト・ブック)を読みました。

「2013年本屋大賞」の
「翻訳小説部門」第1位。

著者テア・オブレヒトは,ベオグラード生まれの
セルビア系の女性作家。

よくぞ
選んでくれました。


はっきりとは書かれていませんが
舞台は,紛争・分裂前後のユーゴスラビア。

旧ユーゴは,民族,宗教,政治体制等が
モザイクのように入り交じっていた。

セルビアの首都ベオグラードは戦略的拠点として
古代から現代まで140回も戦いの場となったという。

物語中でもくり返し
紛争の舞台になっている。

人々の心も戦争で
キズだらけになっている。


また旧ユーゴは東隣が
ルーマニアである。

あのドラキュラで
有名なお国柄。

ふるくからの迷信や幻想のたぐいが
色濃く残っている。


旧ユーゴは文明の十字路であり
現実と幻想の十字路でもある。


そのような場所で,主人公の女医が
祖父の個人史をたどる。

それがそのままユーゴの現代史や
迷信・幻想の世界をたどることにもなる。


祖父の人生は
主に二つの物語で構成されている。

「不死身の男」と
「トラの嫁」の物語。

前者は祖父が大人→子どもに戻り
後者は子ども→大人になる物語。


読みながら,なんどもガルシア・マルケスの
『百年の孤独』に似ているなぁと思いました。

解説を読むと,案の定,オルブレヒトが
最も好きな作家のひとりはガルシア・マルケスだそう。


さて,ちょっと信じられない話がいっぱいでてきますが
いちばんは,オルブレヒトが1980年生まれだということ。

すごい。
天才ですね。

2013年6月6日木曜日

詐欺と悪徳商法(1)






きのうは月1度の事務所会議でした。
毎月の出来事や方針を話しあいます。

その席に,お客さまがこられました。
ブログの話題等について話してもらいました。


弁護士によるネットでの情報発信について
「読者の役に立った話題」を教えてもらいました。

ネットユーザーの関心を反映してか
ランキングの1位から50位まで男女関係の話題がずらり。

本ブログのモットーは明るく楽しくなのですが
読者の知りたいことも伝えなくてはなりませんね。

ランキングの話題を参考に
ときどき,解説していきたいと思います。


さっそくきょうは
「詐欺と悪徳商法」に関する話題から。

えっ,サドの悪徳の栄え?
ちがいます。

悪徳というと背徳が原義でしょうが
商道徳に反するという意味でしょうね。

悪徳商法とは,悪質な者が不当な利益を得るような
社会通念上問題がある商売方法とされています。


他方,詐欺は,他人をだまして
金品を奪ったり損害を与えたりすることです。

詐欺となれば犯罪で,刑法で処罰されますし
民法上も契約を取り消すことができます。

しかし実際問題,詐欺かどうかは
外側から判断がむずかしい。

ラーメン屋台での無銭飲食を例にとりましょう。
(悪用はしないでください。)

屋台に入る前,財布が空であることを知っているばあい
この無銭飲食は詐欺になります。

でも,ラーメンを注文した後,財布が空であることに気づいたら
詐欺にはなりません。

仮に,実際は前者であったとしても
それを法廷で立証することは困難です。


悪徳商法はたんてきに詐欺商法
といったほうがわかりやすいでしょう。

でも,詐欺というと上のような理由で
範囲がせばまってしまいます。

詐欺にはならないかもしれないが
かぎりなく詐欺的な商売もあるでしょう。

古典的な詐欺にはあたらないとしても
消費者を保護すべき場合があります。

このような理由で,詐欺商法と呼ばず
悪徳商法と呼んでいるんでしょうね。


さて,そうするとどこまでが
悪徳商法なのか線引きがむずかしい。

①「悪質な」者が②「不当な」利益を得るような
③「社会通念上問題がある」商売方法?

悪質かどうか,不当かどうか,社会通念上
問題があるかどうか?価値判断が3つも必要です。

なかなか難しい判断です。
どう考えたらよいのでしょう?

(続く)

2013年6月5日水曜日

トケイソウ





フェイスブックで話題になっていたので
トケイソウ(時計草)。

これまた通勤途上にあるお庭に
咲いていた花を写させてもらいました。

なんかプラスチックの
つくりもののようですね。


名前の由来は
まさしく見てのとおり。

いま10時10分30秒
でしょうか。


別名
パッションフラワー。

あーね,たしかに
情熱的な花ですね…。

って,ちがいます。
ここでパッションは「キリストの受難」の意味。

バッハの「マタイ受難曲」の原題が
Matthäus-Passionであるのと同じです。

その由来は
2とおりあるよう。

花の子房柱が十字架、3つの雌しべが釘、副冠が茨の冠
花弁と萼が10人の使途、巻きひげがムチ、葉が槍だとか。

あるいは,雌しべの柱頭がはりつけにされたキリスト
放射状にひろがる部分が後光なのだとか。


そうかそうか
パッションフルーツとはちがうわけね。

って,これもちがいます。
パッションフルーツはやはりトケイソウ科の果物のよう。


パッションフラワーはハーブとして
鎮痛・精神安定などの効能があるらしい。


花言葉は
信心,聖なる愛。

2013年6月4日火曜日

『オブリビオン(Oblivion)』





(スイカズラ,忍冬
 花言葉は愛のきずな)

王様のブランチの薦めでトム・クルーズ主演
『オブリビオン(Oblivion)』みました。


西暦2077年。
60年前に起きた宇宙人との戦争により地球は荒廃。

地球に残ったジャック(トム・クルーズ)とヴィクトリアは
地上をパトロールする平凡な日々を送っていた。

ジャックはある日,墜落した宇宙船から
謎の女性ジュリアを助け出す…。

そこから物語がものすごいドライブで発展していき
意外な方向へ。というあらすじ。


『オブリビオン(Oblivion)』という邦題
ピンとくる人はどのくらいいるのでしょう?

忘却の意味です。
これを知っててみるかどうか,大違い。


ま,いろいろツッコミどころはありましたが
おもしろかったです。

オブリビオン(Oblivion)を乗りこえる力は
やはりコレ。

2013年6月3日月曜日

梅雨の晴れ間






通勤途中のきょうの空
梅雨の晴れ間です。


先日,後輩と話をしていたら
「梅雨は降らなければいいのに」と。

たしかに,梅雨はうっとおしい
それは間違いない。

でも,やはり降るときには
降らないといけないとボクらは思います。

1978(昭和53)年に福岡大渇水を
経験していますから。

大学1年生のときで
六本松のキャンパスなどで苦労しました。

などと話すと,後輩たちは知らないらしい。
確かに35年も前の出来事です。

思えばいま40歳より年下の人たちにとっては
経験していないか覚えていないかなんですね。

35年といえば,1978(昭和53)年に
第2次世界大戦中の話を聞くのとおなじ。


導水事業など渇水対策もおこなわれてはいます。
でも福岡市の人口も1.5倍に膨れあがっています。

やはり多少うっとおしくても
梅雨には雨が降ってほしいです。


そうはいっても梅雨の晴れ間は
やはりほっとしますね。