2021年5月15日土曜日

信夫の里・しのぶもぢ摺りの石(2)

 

たとえ川柳じゃないと突っ込まれたっていいじゃない。柳に川、じゃくて柳に風としなやかにうけながしましょう。不易流行というぐらいだから、流れ流れて行きましょう。阿武隈川の流れに沿って。

えっと・・、河原の左大臣の

 みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに

の歌の話でしたね。

「もぢずり」とは信夫の里で作られていた、乱れ模様の摺り衣。摺り衣は忍草(しのぶぐさ)の汁をつかい、模様のある石の上に布を擦りつけて染める方法だそうです。

上の写真が忍草(シノブソウ)です。小倉百人一首にはもういちど出てきます。100番〆の順徳院の歌。

 ももしきや古き軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり

こちらの歌のほうが忍草のイメージにあいます。百人一首は、秋の田のの天智天皇、春過ぎての持統天皇の歌で幕があき、人もをしの後鳥羽院、ももしきやの順徳院で幕が閉じられます。

承久の変で武家に敗れ、後鳥羽院は隠岐へ、順徳院は佐渡へ流されます。御所や院の建物には忍草がさぞやたくさん生えたことでしょう。おくのほそ道の主題としても、こちらのほうがあっているようです。

下の写真はネジバナ。別名モジズリ。ネジバナがモジズリと呼ばれる由来は分かりません。またもぢずりの乱れ模様がどのようなものだったのかも分かりません。が、このような柄だったのかもしれませんね。

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