おくのほそ道の旅はつづきます。いわく。等窮が宅を出でて五里ばかり、檜皮の宿を離れて、浅香山あり・・・。ちょっと待ってください、芭蕉さん。飛ばしてしまっていますが、須賀川から檜皮(日和田)の宿へ行く途中には、郡山があります。
東北新幹線を郡山でおり、磐越西線で西に向かうと40分ほどで猪苗代駅。同駅の手前から左手に猪苗代湖が見え、右手には磐梯山が聳えています。
猪苗代駅でおりないでさらに行くと、綾瀬はるかが主演した『八重の桜』の舞台である会津若松に着きます。
先に紹介したとおり、芭蕉らも会津根を見ています。しかし、芭蕉らが見た会津根とこんにちの磐梯山は少なくとも北半分が違っているはずです。なぜなら明治21年に水蒸気爆発をおこし、北半分は山体崩壊をおこしているからです。
大惨事だったのですが、いまではそのおかげで裏磐梯という美しい湖沼群を形成しています。秋などお奨めです。
猪苗代駅でおりると、車で10分ほどで猪苗代スキー場に着きます。ここが磐梯山の登山口。スキー場の上部が1合目です。山の南東側になっています。
ここから磐梯山を中心に反時計まわりに進みます。東側の赤埴山、北東側の沼の平を経て、北側の噴火口上部につきます。すこし迂回すると弘法清水に着き、そこから直登すると磐梯山の山頂1819メートルです。山頂から南をのぞむと、猪苗代湖が広がっています。
猪苗代湖の向こうは那須岳、朝日連邦、北を振り返ると、安達太良山や吾妻山をのぞむことができます。
これまで夏に2度、春1度、冬1度登りました。この写真は春にのぼったときのものです。赤埴山をすぎ、裏側にまわったところからみた磐梯山です。まだ大量の雪が残っています。
このときは、帰りがけ、噴火口上部あたりで雷に見舞われました。閃光が光るのと雷鳴が轟くのが同時で、いつ雷にうたれてもおかしくない状況でした。低木のあるところまで、背をひくくするため這ってくだりました。10分ほどだったでしょうか、生きた心地がしませんでした。
古人が神の存在を感じたのはやはり雷によってはないでしょうか。旧約聖書の神の怒りは雷のイメージです。数ある死に方のなかでも雷にうたれて死ぬのだけはご免こうむりたいです。
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