(窓開けて田園を聞かねば)
みちのくのしのぶもぢずりの模様のように忍び心が乱れはじめたのは誰のせい?(私のせいではないよね)
河原左大臣がこう詠みかけた相手はだれでしょう?その答えのひとつとして虎女伝説があります。
みちのくに赴任した際、融は虎女さんという美人とふかい仲になりました。それなのに任期を終えた融はひとり都へ帰ってしまいます。
虎女は融が忘れられません。ある時、かの女がもぢ摺り石に麦をこすりつけると、あら不思議、石が鏡のようになって、融の面影が浮かび上がりました。とさ。(あれ?石に擦りつけるのは忍草じゃなかったっけ?ま、いいか)
この話をきいた若い男女は、誰もかれも、畑から麦をとってきてこの石に摺りつけ、遠くにいる恋人を偲びました。とさ(九州弁だと「げな」となります。げなげな話)。
福岡にも似たような名所があります。宝満山のキャンプセンターから女道をすこし下がったところです。サイカチの木が生えています(竈門神社境内にも生えています)。
この木に向かい、愛する人との再会を願うと、あら不思議、願いはかなえられるのだそうです。なぜなら、サイカチの木→再会の木だから。・・・けっして、駄洒落ではありません。はい。
いまならラインで、京都だろうとイタリアだろうと、動画つきで会話ができます。いわばスマホの「しのぶもぢ摺り石」機能、あるいは「サイカチの木」機能です。
ですが、虎女さんといまの若い男女のどちらが幸せなのでしょう。その判定がむずかしいところが人間の愛、人間の幸せの一筋縄でいかないところでしょうか。
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