2021年5月21日金曜日

吾妻山・登山記

 


信夫の里から、芭蕉一行は北へむかい、月の輪の渡しで阿武隈川を越えて、瀬の上方面へ向かわれました。われわれは、一度福島駅へ戻り、そこから福島・山形県境に連なる吾妻山に登りましょう。

おくのほそ道の旅なのに、途中で山登りが多いなぁとお思いのみなさん、話は逆です。実際は、日本百名山を踏破するついでに、おくのほそ道の足跡を尋ねたのですから。

吾妻山は福島駅から西方にのぞむことのできる百名山、山形まで複数の山が連なる連峰。西吾妻山が最高峰で、2035メートル。火山、峰、沼、湿地といろいろな顔が楽しめるのが魅力です。

10年以上まえに1度だけ登っています。その後、夏に1度、冬に1度計画しましたが、前者は火山情報のため、後者は悪天のため中止になりました。

駅から車を利用して1時間で登山口の浄土平に着きます。名前からして火山ぽい。そこから一切経山に登り、魔女の瞳と呼ばれるコバルトブルーの五色沼を望んで、縦走となります。

家形山のあたりは笹がはえ藪漕ぎ、烏帽子山、昭元山、東大嶺といくと湿原となります。全行程のコースタイムは10時間40分なので、山と渓谷社のガイドブックはその先にある弥衛平小屋で一泊することを奨めています。

でも当時は元気だったのでしょうね、西吾妻山まで全行程を1日で踏破しました。最高峰は西吾妻山なのですが、樹林となっていて展望はききません。登った回数が少ないのはそのせいですかね。ただ最近は冬期のスノーモンスターの美しさが人気で、わたくしも一度見てみたいと思っています。

西吾妻山頂から少し戻って、下りはリフト、ロープウェイを利用して天元台、白布温泉に着きます。そこから車で30分で米沢です。米沢はNHK大河ドラマ『天地人』で、妻夫木くんが北村一輝とともに転封を余儀なくされたところです。経営者には、上杉鷹山も人気があります。

米沢からは新幹線で北上すれば、まもなく山形です。山形から東へ向かえば蔵王、仙山線で仙台方面に向かえばほどなく山寺(立石寺)に着きます。蝉の声が岩にしみ入る、あの寺です。でもあまり先回りすると師匠に叱られますから、福島に戻りましょう。

福島まで新幹線で30分ほどです。左手は蔵王連峰、右手は吾妻連邦という樹林の谷を通って、山形県から福島県に戻ることになります。

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