先日、いまさらというか、ようやくというか、鬼滅の刃(きめつのやいば)のアニメを見ました。
知らない方のためにざっくりと書くと、「鬼」に家族を殺された主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)が、鬼殺隊(きさつたい)という組織に入って鬼を倒す話です。
「最近の若い子の間で流行っているやつでしょ」と、おじさん的思考で距離を置いていましたが、巣籠もりのアマゾンプライムで一気に見てしまいました。
さて、今回は、契約書の話です。
法律の世界も、簡単に言えば「約束は守りましょう」の世界。どういう「約束」をしたのかを明確にする意味でも、契約書をつくることは大事です。
私は、契約書に関して、ずっと疑問に思っていることがあります。
●●●●(以下「甲」という。)と●●●●(以下「乙」という。)とは・・・
のように、契約の当事者をなぜか「甲」、「乙」と表記する慣例についてです。
契約書としては、契約の当事者が誰なのかを特定できてさえいればよく、別に「甲」、「乙」でないといけないという決まりはありません。
「乙さん」、なんて、「おっさん」みたいな響きで、なんか嫌です。
それこそ、水戸黄門好きの方であれば、
●●●●(以下「助」という。)と●●●●(以下「格」という。)とは・・・
にしたっていいはずです。
助さん格さんの方が、契約後も争わなさそうですし。
それなのに、なぜか「甲」、「乙」にすることが多いです。
そもそも「甲」、「乙」って何でしょうか。
「甲」、「乙」は、
「甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)」とつづきます。
「十干(じっかん)」という古代中国の陰陽五行説にのっとった観念なのだそうです。
世界が「木・火・土・金・水」の5つの要素からなり、それぞれ「陰」と「陽」に分かれるという考え方のことなのだとか。
十干も、訓読みすると、読み方が変わります。
甲(きのえ)
乙(きのと)
丙(ひのえ)
丁(ひのと)
戊(つちのえ)
己(つちのと)
庚(かのえ)
辛(かのと)
壬(みずのえ)
癸(みずのと)
これ、鬼滅の刃の、鬼殺隊(きさつたい)の中の階級に使われています。アニメを見ただけだと、音声でしか聞かないので、「十干」のこととは気付いていませんでした。
主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)も、最初は一番下の階級の癸(みずのと)から始まります。
と、いうことですので、慣例に従って契約書をつくる場合、10番目の当事者になれば、炭治郎と同じ、「癸(みずのと)」になれます。
10人も契約の当事者はおらん!という方は、契約書作成の際に「炭治郎と同じがいい!」と一言お声かけください。「癸(みずのと)」をサービスいたします。
富永
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