2021年9月15日水曜日

セブン・オブ・ナイン


 『スタートレック・ヴォイジャー』はシーズン4が終了し5に突入してしまった。シーズン7までなので、残り3シーズン。長大な宇宙の旅も残り少なくなってしまった。

シーズン4の特徴は、ヴォイジャーの美人クルーが交代したことだ。ケスというクルーが退場し、入れ替わりにセブン・オブ・ナインが搭乗(登場)した。

一つのドラマに美人は2人いらないのだろうか。ケスが退場した理由は、緊急救命室ERでジョージ・クルーニーの人気が上昇したため退場したのと同じ理由だと思っていた。

しかしどうもちがうらしい。セブンは元ボーグである。ボーグは進んだ知性とテクノロジーを持つ異星人で、ヴォイジャーと敵対する。かれらが強いのは全体主義による集合体だからである。個々人の個性を認めない。

対するヴォイジャーは個人主義であり、ボーグと対極にある。ヴォイジャー側は個人主義の限界をチームワークと仲間への愛で乗り越えていく。ここらあたりの設定と展開は、むかしむかしの『コンバット』と変わらず、いかにもアメリカのドラマだ。

ケスが退場し、セブンが搭乗したのは、このボーグとの闘争という世界観を導入するためだったらしい。ギャラが許せば両方出演してほしかったところだ。そうなれば、ケスファンとセブンファンとの間の闘争が勃発したかもしれないが。

ヴォイジャーの艦長はキャスリン・ジェインウェイ。スタートレックシリーズ初の女性艦長である。キャシャなファーストネームとは裏腹に骨太な役柄だ。

選択の場面ではいつもリスクをとり、物語の世界を広げていく役割をになっている。艦長がジェインウェイでなかったら、シーズン1の途中で物語は終わっていただろう。

セブンが登場したときも、ジェインウェイはやはりリスクをとった。他のメンバーの懸念や反対をおしきって、元ボーグのセブンを仲間として迎え入れたのである。

この決定が物語にさらなる広がりをもたらし、われわれの宇宙の旅をあいかわらずハラハラ・ドキドキさせてくれた。ありがとう、艦長。

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