2021年9月3日金曜日

風が吹いてもマチ弁は儲からない?

あてにならない期待をすることを、「風が吹けば桶屋が儲かる」などと申しますけれども、

 

当ブログでも話題に出ていますが、山浦善樹先生の書籍『お気の毒な弁護士』、私も読みました。「お気の毒に」と言われても、地域のみなさまのために身を粉にして働くマチ弁に、私もなりたいと思います。

 

ところで、冒頭の「風が吹けば桶屋が儲かる」の中身、ご存じでしょうか。

「風が吹けば砂ぼこりが舞う。

砂ぼこりが舞えば目に入って失明する人が増える。

失明した人は三味線を弾くようになる。

三味線がたくさん売れる。

三味線に張る猫の皮が必要になって猫の数が減る。

猫の数が減るとネズミの数が増える。

増えたネズミは風呂の桶をかじる。

桶が売れて、桶屋が儲かる。」

というものです。

随分と、あてにならない期待をする桶屋がいたものだと思いますね。

 

弁護士Ver.だと、こんな感じでしょうか。

「風が吹けば砂ぼこりが舞う。

砂ぼこりが舞えば目に入って失明する人が増える。

失明した人は、砂山を放置した事業者を訴える。

両眼の失明は後遺障害等級1級に該当するとして損害賠償請求する。

損害賠償請求のために弁護士を雇うから、弁護士が儲かる。」

 

いやいや、地域とともにあるマチ弁なら、きっとこう。

「風が吹けば砂ぼこりが舞う。

砂ぼこりが舞って困っている住民が相談に来る。

砂ぼこりが舞いやすい地域だとして、行政に砂塵防止措置をとらせるように住民運動をする。

恒久対策を実現して被害を回復する。

紛争を解決して、住民と三味線をたしなみつつ、ネズミに桶をかじられた話で盛り上がる。」

 

あれ、これだとあまり弁護士は儲からないなあ。お気の毒に。

 

何はともあれ、「風が吹いた」と思ったら、あてにならない期待などと思わず、早めにご相談ください。

 

富永

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