あてにならない期待をすることを、「風が吹けば桶屋が儲かる」などと申しますけれども、
当ブログでも話題に出ていますが、山浦善樹先生の書籍『お気の毒な弁護士』、私も読みました。「お気の毒に」と言われても、地域のみなさまのために身を粉にして働くマチ弁に、私もなりたいと思います。
ところで、冒頭の「風が吹けば桶屋が儲かる」の中身、ご存じでしょうか。
「風が吹けば砂ぼこりが舞う。
砂ぼこりが舞えば目に入って失明する人が増える。
失明した人は三味線を弾くようになる。
三味線がたくさん売れる。
三味線に張る猫の皮が必要になって猫の数が減る。
猫の数が減るとネズミの数が増える。
増えたネズミは風呂の桶をかじる。
桶が売れて、桶屋が儲かる。」
というものです。
随分と、あてにならない期待をする桶屋がいたものだと思いますね。
弁護士Ver.だと、こんな感じでしょうか。
「風が吹けば砂ぼこりが舞う。
砂ぼこりが舞えば目に入って失明する人が増える。
失明した人は、砂山を放置した事業者を訴える。
両眼の失明は後遺障害等級1級に該当するとして損害賠償請求する。
損害賠償請求のために弁護士を雇うから、弁護士が儲かる。」
いやいや、地域とともにあるマチ弁なら、きっとこう。
「風が吹けば砂ぼこりが舞う。
砂ぼこりが舞って困っている住民が相談に来る。
砂ぼこりが舞いやすい地域だとして、行政に砂塵防止措置をとらせるように住民運動をする。
恒久対策を実現して被害を回復する。
紛争を解決して、住民と三味線をたしなみつつ、ネズミに桶をかじられた話で盛り上がる。」
あれ、これだとあまり弁護士は儲からないなあ。お気の毒に。
何はともあれ、「風が吹いた」と思ったら、あてにならない期待などと思わず、早めにご相談ください。
富永
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