2021年9月6日月曜日

アバウト・タイム~愛おしい時間について~



 タイムトラベルものはだいたい好きだ。ドラえもんから受けた教育のせいだろうか。グリムウッドの『リプレイ』はなんども読んだし、北村薫の『スキップ』『ターン』『リセット』三部作も大好きである。

映画『ミッドナイト・イン・パリ』が好きなのは、そのせいもあるかもしれない。1920年代のパリにタイムスリップして、ヘミングウェイやピカソと交流するという筋立てだけで引き込まれてしまう。

おなじころ、BSで『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』をやっていた。これも好きな映画だ。やはりタイムトラベルものだからか、それとも・・・

どちらも主人公の若者のお相手役はレイチェル・マクアダムス。『ミッドナイト・イン・パリ』ではイネス役で、主人公の若者と価値観があわず、ほかの男と浮気をし、別れてしまう。

『アバウト・タイム』では、メアリー役で、ケイト・モスのファンで、主人公ティムと結婚し、愛おしい時間をともに積み上げていく。一人の女優さんがまったく違う役をこなしているのにビックリしてしまう。

『アバウト・タイム』の主役ティムの仕事は法廷弁護士。ティムがそう言うと、メアリーは「キュート」、『法廷でスーツを着て人助けをするなんてキュート」なんて返す。そうかそうか。弁護士はキュートなんだ、知らなかった。よしよし(笑)。

ティムは弁護士なんだけど、女子とのトークが下手。そんなコミュニケーション能力で弁護士としてやっていけるのか・・・。

大事な場面でいつも言い間違える、言ってはならないことを言ってしまう。

ティムには特殊なタイムトラベル能力がある(一家の男だけに伝わる)。かれはそれで過去に戻り、失敗したセリフをなんどもやり直すなかで、なんとか課題をクリアしていく。

女性を口説くときは、もちろん上手くいかない。それだけじゃない。むかし好きだった女性に観劇場でバッタリ出会う。その際、向こうは女性二人連れ。もしかしてゲイかも?この場面では、言ってはいけない言葉がいくつかあるけれど、ついついそればかりを言ってしまう・・・。

こればかりは他人事ではない。弁護士会は4年に一度倫理研修を受けることを義務づけている。ことしのテーマは、法律事務所におけるセクハラ・パワハラの防止。その一貫としてアシュリー・マーデルの『13歳から知っておきたいLGBT+』(ダイアモンド社)を読んでおくよう指導がなされた。

読んでみた。面白く読むことができた。なるほど、人と人とのつきあいは実に多様で自由なんだ。

でも頭の固いわれわれがこの時代の流れにうまく適応できるのか心配にもなった。がんばろう。できることならばキュートに。

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