2010年12月18日土曜日

 ケヤキ~宝満山の樹~



 宝満山の筑紫野市側に大石というところがあり
 その名の由来となった大石があります。

 大石の村には高木神社があり
 その名の由来になったのか
 神社にむかって左にはケヤキの高木がそびえ立っています。
 (右にはカツラ)

 なぜ、ケヤキなのでしょうか?

 ケヤキは「けやけき木」であり
 けやけしの意味は
 1 普通とは著しく異なるさま。異様である。
 2 異様で不快に感じられるさま。
 3 他にぬきんでて優れているさま。
 4 非常にはっきりしているさま。

 ケヤキは、他にぬきんでて美しい樹形から街路樹として植えられ
 福岡では、けやき通りとして知られています。

 ケヤキはまた昔、槻と呼ばれ
 強き木の意味。

 つまり、ケヤキは他にぬきんでて美しく・強い木です。

 「ノルウェイの森」の僕が住んでいた学生寮の門をくぐると
 正面には巨大なケヤキの木がそびえ立っています。
 
 樹齢は少なくとも150年。根もとに立って上をみあげると
 空はその緑の葉にすっぽりと覆い隠されてしまいます。

 この寮の唯一の問題点はその根本的なうさん臭さ 
 その寮になぜ、ケヤキの巨木がそびえ立っているのでしょうか?

 秋がやってくれば寮の中庭はケヤキの葉で覆い尽くされます。

  僕は手すりにもたれかかったまま、そんな蛍の姿を眺めていた。
  僕の方も蛍の方も長いあいだ身動きひとつせずにそこにいた。
  風だけが我々のまわりを吹きすぎて行った。
  闇の中でけやきの木がその無数の葉をこすりあわせていた。…
 
 「樹影譚」のラストで小説中、小説中の主人公の作家・古屋が
 出生の秘密に関する啓示を受ける樹影もケヤキでした。

 ケヤキには闇のなかで真実を照らす・強いなにかが存するのでしょうか
 それとも、なにか死者の言葉をはなすのでしょうか?
 

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