『スタートレック・ヴォイジャー』をみおえた。1995年から2001年まで米国で放映されたテレビドラマだ。
7年間におよぶことからわかるとおり、人気シリーズだ。シーズン7まである。1シーズン26話。連ドラを7本みたようなものだ。長いような、短いような宇宙航海だった。
宇宙船ヴォイジャーは、キャサリン・ジェインウェイ艦長がひきいている。地球まで70年以上かかるデルタ宇宙域に飛ばされてしまったため、そこから地球帰還をめざしている。途中、無法者のエイリアンたちに遭遇したり、襲撃されたりする。
無法な連中とたたかう際も、宇宙艦隊規約を遵守しなければならない。宇宙艦隊規約は米国憲法のようなものだ。諸々の困難に抗し、ジェインウェイ艦長は、コンプライアンスを遵守して自由と正義を希求する。
後半は、全体主義エイリアンであるボーグ集合体とのたたかいである。こちらには、ボーグに同化されていたものの、奪回した魅力的な元地球人セブンが味方に加わる。
(以下、ネタバレ)
いきなり最終回。最終回は、ボーグ集合体との決戦である。地球に帰れるかどうかの瀬戸際でもある。そこに未来から、未来のジェインウェイ艦長がやってくる。
未来のジェインウェイ艦長は、現在のジェインウェイ艦長の味方かというとそうでもない。彼女は自分たちの宇宙航海を後悔している。宇宙に自由と正義をもたらすべく行動したけれども、そのために地球への帰還が大幅に遅くなり、家族同様の部下たちの多くを失ってしまったからだ。
未来のジェインウェイ艦長は、現在のジェインウェイ艦長に対し、耳の痛い忠告をする。そんなに理想ばかり追求していないで、早く地球に向かった方がよいと。
理想と現実との葛藤をうまく描いていると思う。ハムレットのように、1人の人物が「to be or not to be」なんてやっていると辛気くさい。が、激しい性格のジェインウェイ艦長が2人で、あーでもない、こーでもないと激論をかわすのだから、わかりやすいし、ハラハラドキドキする。
ボーグをたおし、数百万人の宇宙人の命を救うといっても、そのような目に見えない抽象的な人命救助のために、いま・ここにいる家族同様のクルーたちの人生を犠牲にしてよいのだろうか。これは自由と正義を追求する人にとって、永遠の設問だろう。
そして最後は・・・。2001年のテレビドラマとも思えぬ、まことに今日的な決着がまっている。ご覧あれ。
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