2022年1月11日火曜日

冬の旅(2)-谷汲山華厳寺

 







 大垣駅から樽見鉄道に乗る。1984年国鉄から三セクに移行。住友大阪セメントの輸送に使っていたらしい。途中、綾部駅から西に石灰岩の採掘跡が見えるが、あそこででセメントを作っていたのだろう。

いまはセメント輸送にも使用されず、客車が一両のみ。ご多分にもれず経営は苦しいようで、いろんな企画列車が走っている。一本前はプラレールのラッピングがしてあったが、これはどなたか社長の顔が標識板に掲げられている。

東大垣駅をすぎてしばらくすると、揖斐川を渡る。西側がおおきく開ける。前山の奥、冠雪した伊吹山が美しく輝いている(ワンクリックして拡大すると、11時の方角に)。

40分ほどで谷汲口駅。バスに乗り換え10分余。そこからまた10分ほど門前町を歩くと山門前に着く。途中、雪かきが精力的に行われていた。

谷汲寺は正式には谷汲山華厳寺。天台宗の寺院で、本尊は十一面観音。西国三十三所の三十三番目の札所である。三十三所のなかでは、唯一近畿地方以外にある。

ガイドブックによると、西国三十三所めぐりはどの寺からはじめてもよいとされている。しかし昔は1番から順番に徒歩にて巡礼したようである。そのため満願の寺とされている。

いまの世で1番から順番に巡礼しないといけないとなると、途中で挫折する人が続出してしまう。全集ものや、上中下三巻もののうち、最初だけ読んであとは読まないようなものだ。

そのためどこから初めてもよいことになっているのだろう。そうでなければ谷汲寺を参拝する人は半減してしまう。自身もいきなり最終回の本寺を参拝することはできなかった。

華厳とは、多くの修行・功徳を積んで徳果が円満にそなわり、仏になること。まさにこの寺の名にふさわしい。雪がふったあとであり、いつもとちがう風景に接することができた。ありがたい。


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