2021年12月7日火曜日

壺阪寺参拝記

 


 むかしユングを読んだ。シンクロニシティという言葉を提唱している。共時性と訳す。意味ある偶然の一致のこと。因果関係によることなく、複数の出来事が意味をもって同時に起こることをいう。

むずかしい話をした。言いたかったことは俗だ。山女日記に田中健がでてきて、いまだにしぶいということを書いた。

他方でこのところ、BS・NHK3チャンで『マー姉ちゃん』をやっている。1979年の連続テレビ小説の再放送である。40年以上前の作品。当時、大学2年だった。

マー姉ちゃんは、長谷川町子の姉のこと。長谷川町子は漫画「サザエさん」の作者である。冒頭は福岡での場面、最近は東京での場面になっている。

右脳にすぐれた姉妹である。長谷川町子は漫画家であるが、姉もあの菊池寛の小説の挿絵を頼まれ、売り出し中。

いろんな新聞、雑誌から仕事の注文が舞い込むようになった。その注文者の一人がなんと若き日の田中健である。男前は男前だが、いまのほうがよい。田中健に40年の月日が流れた。などと思うと、自分にも同じ時間が流れたことを実感する。

枕が長すぎた。本ブログとしては、京都・奈良ミッションのつづきである。河井寛次郎の翌日は奈良に行った。

まず訪れたのは壺坂寺である。近鉄で橿原神宮へ行き、そこから普通電車に乗り換えて3つ目の駅・壺坂山で降りる。そこからはバスで坂道をクネクネと登る。

清少納言の『枕草子』で、「寺は壺坂。笠置。法輪。」と筆頭に挙げられている。いまでいえば、才女おすすめの寺ランキングNo.1の寺である。

また『壺坂寺霊験記』で有名。浄瑠璃の演目で歌舞伎にもなっている。盲目の沢市が妻の不義を疑うが、妻のお里は夫の目が治るよう観音参りをしていた。お里の幸せを願って沢市は滝壺に身を投げ、お里もあとを追う。観音さまの霊験により、二人は助かり、沢市の目もなおるというストーリー。

子どものころ「妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ~」という名調子をよく聞いた。がさいきんはとんと聞かない。

壺坂寺はインドとの交流が深く、異国の雰囲気がする。本尊は十一面千手千眼観音。大陸的な考えなのか、撮影自由である。ありがたく撮影させていただく。カメラをむけると、ちょっと困ったようなお顔をされる。

寺内にはインドから運ばれてきた石像がたくさんある。ウルトラの母と見まごう巨大な観音像もたっている。ありがたや。

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