2021年12月2日木曜日

河井寛次郎記念館

 


 先週末は京都・奈良だった。単なる観光ではなく、あるミッションを携えていた。ただし、そのミッションがなにかは言えない。信じてもらえないのはしかたがない。

京都駅の雑踏はすごく、三密をこえて団子状態になっていた。ダン密だ。駅のロッカーもすべて満室。満室御礼の看板をはじめて見た。

観光寺院を避けて、さきのミッションを遂行した。それは山の中腹にあり、予想外に体力を消耗した。

京阪で五条に戻り、河井寛次郎記念館を訪ねた。河合は陶芸家である。陶芸家は土から美を創造する。美はさまざまだ。華麗な作風から出発し、日用の美、より奔放な作風へと変化した。柳宗悦、濱田庄司らとともに民芸運動にも関与した。

記念館は彼の住まい兼仕事場の跡。居住空間、作品のほか、裏側には作陶にもちいた登り窯が残されている。観光客でごったがえす清水寺にほど近いと思えぬ静謐な空間である。

いくつかの場所は立入禁止になっている。しかし、そこへ傍若無人に立ち入り、居眠りしているやつがいる。猫である。

あの岩合光昭さんも3日滞在して撮影したそうだ。「ねこの京都」(岩合光昭著・クレヴィス刊)という写真集の表紙を飾っている。4年以上前の写真であるから、まだ若い。機会があれば、いちどご覧あれ。

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