2011年10月27日木曜日

 ムラサキシキブ



 きのうは女性のお客さま(と後輩)から
 本ブログを読んでいるとお声かけいただきました。

 「お気に入り」に入れていただいているそうです。
 まいどありがとうございます。

 女性読者からのお声がけは、ほんに励ましになります。
 男性のはまぁないよりましぐらいでしょうか(失礼)。

 これで
 またしばらく書きつづける意欲がわいてきました!

 さて、今週はなんとなく花木シリーズになっているので
 きょう、あすと、あと2つ見つくろいましょう。

 京都つながりで、ムラサキシキブはいかがでしょう?
 いまの季節、花木というより実木ですが。

 もちろんムササキシキブ=紫式部ですが
 もとは紫の「シキミ」=重る実=実がたくさんなるという意味だとか。

 「日本人なら知っておきたい日本文学」の紹介により
 『堤中納言物語』のアンチョコを読んだことはまえに書きました。

 このつながりでいま読んでいるのが
 ビギナーズ・クラッシクス『源氏物語』(角川書店=編・角川文庫)。

 むかしむかし与謝野晶子の訳で読んだのですが
 細部はまったく記憶にございません。

 いまの年齢になって読むと
 すごく感慨深い。

 こんな高貴なイケメンの女性遍歴の話を中宮をはじめ宮中の女性たちが
 きゃあきゃあいいながら読んでいたのですから。

 その盛名は上総(千葉県)の田舎(失礼!)まで鳴り響き
 夢おおき少女・菅原孝標の娘の心までわしづかみにしたのですから。

 そして『更級日記』を書かしめ
 ふしぎちゃん一家の生態をわれわれに伝えてくれているのですから。

 各帖のタイトルがそれぞれ深い意味や象徴性をもっていることも
 当然といえば当然でしょうが、トリビア満載。

 「帚木」=遠くからは箒を立てたように見えるが、近づくと見えなくなる
 信濃国の伝説の木=求愛にこたえるように見せかけて、実は冷淡な人。

 同名の作家がおられますが、やはり実は冷淡なのでしょうか?
 「葵」=「あふひ」=「逢う日」。

 「賢木(さかき)」=「榊」(神事に用いる神木)
 =嵯峨野にある「野の宮」。

 「須磨」=罪・けがれを除く意味の「澄ま(す)」
 =源氏が禊ぎをする地。
 
 「明石」=「明かし」(明るくするとの祝意)
 =源氏の運命を向上させる、いわゆる「あげまん」な女性。

 ダジャレ好きにとっては
 たまりません。

 源氏は、政敵・右大臣一派の圧迫が強まるなか
 朧月夜との密会をフライデーされ、やむなく須磨へ下る。

 そして須磨で罪・けがれを澄ませ
 明石で運気を向上させて京都中央政界への復帰をはたします。

 この話
 現代政界の誰かさんに似てません?

 ところで、むかしむかし読んだ本の訳者・与謝野晶子の
 お孫さんが与謝野馨さん。

 薬害肝炎事件における福田総裁の政治決断に際しては
 ご尽力をいただきました。

 源氏を読んだむかしむかしに
 そのような数奇なめぐり合わせになるとは夢にも思いません。

 さすがのムラサキシキブも
 ビックリされたことでしょう。
 

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