2011年10月6日木曜日
肺炎・多臓器不全で亡くなった事案で和解
入院中の母親が肺炎による多臓器不全で亡くなったとされ
原告はその子どもたち、被告は入院先の医療機関。
診療義務違反があったとして損害賠償を請求していたところ
昨日、和解が成立しました。
咳症状がつづき、胸の痛み、食欲なし、倦怠感、黄色の痰が出ていて
死亡診断書には肺炎→多臓器不全→死亡という機序が記載されていました。
他方、剖検がされず、レントゲン検査等の結果によれば
重症の肺炎像が見られなかったことなどから、機序が争点になりました。
この点、故人にはコントロール不良の糖尿病が基礎疾患としてあり
後医に転送されたさい重度のアシドーシスになっていました。
糖尿病患者は、感染症(肺炎を含む)が重症化する危険があり
糖尿病の悪化はアシドーシス、昏睡、多臓器不全になる可能性があります。
こうしたことから
裁判所は和解案において当方の主張する機序を支持しました。
進行がはやかったことから
診療義務違反と死亡との間の因果関係も争点になりました。
喀痰細胞診検査で強い炎症背景が認められた時点で、血液検査を実施し
抗菌剤投与、インスリン療法を開始すれば死亡が回避できたはず。
この点も裁判所はわれわれの見解を支持しました。
こうしてわれわれの請求を基本的に認める和解案が示されました。
これを医療機関側も受け入れ
昨日の和解成立となりました。
医療過誤裁判は人の生命、医療という専門分野にわけいって
真相をさがし、あきらかにするという非常に困難な訴訟です。
でもご遺族たちの和解後のお顔を拝見すると
取り組んでほんとうに良かったなと思いました。
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