2011年2月25日金曜日

 統一教会・霊感商法事件



 久しぶりに統一教会がらみの事件がきました。
 20年ぶりでしょうか。

 当時、霊感商法などとして社会問題化していました。

 被害者を「霊場」に連れて行き、「霊能者」が不幸の原因が先祖の因縁に
 あるなどと不安を煽り、法外な値段で壷などを買わせる手口でした。

 人間は過去・現在のみならず、将来への思いを胸に日々生きる存在
 将来を思うかぎり「不安」はさけられません。

 世の中にはこのような人間の弱みにつけ込む卑劣な行為が
 あとをたちません。霊感商法もその一つでした。

 福岡でも消費者問題委員会を中心に被害対策弁護団が結成され
 私も当時の若手委員の一人として参加しました。

 1993年福岡地裁は、実質上、統一教会の指揮監督によって
 霊感商法をはじめとした経済活動が組織的、計画的に行われたとして

 統一教会の使用者責任を認定し、損害賠償を命じました。
 (統一教会の責任を認めた初の判決)

 使用者責任は、ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の
 執行について第3者に加えた損害を賠償する責任を負うもの(民715条)。 

 関西弁でいえば「責任者でてこい!」という法律
 最近では、これに基づき暴力団の組長の責任追求などがなされています。

 公務員の不法行為に関する国家賠償法1条の責任もおなじ仕組み
 ただ国家の賠償責任は憲法17条に由来しています。

 リビアの治安部隊がおこなった殺戮行為についてカダフィ大佐に対して
 民事上の責任追求をされる日が来るのでしょうか? 

 それはともかく霊感商法事件では
 執行官を先頭にわれわれは教団の施設に強制執行をかけました。

 これに対して教団側は被害対策弁護団の所属弁護士の事務所のちかくで
 名誉・信用を毀損する中傷ビラをまく攻撃をしかけてきました。

 われわれは刑事告訴をおこない
 ビラを巻いた人間らは刑事責任を問われました。

 被疑者の調書を読んでいると、二日市の事務所だけは探したけれども
 見つかりませんでした…などと書いてありました。

 中傷ビラを巻かれるのは名誉毀損だけれども
 事務所がわかりにくいなどと公文書に書かれるのはさらなる名誉毀損だ!?
 と話が脱線した覚えがあります。

 それから20年、ニュースで耳にすることはあったものの依頼は久しぶり。
 いま事実関係を調査中。大過なく解決できそうな感じではあります。
 

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