写真の奥のギザギザは槍ヶ岳である。その手前の稜線、右(南)に登れば三俣蓮華岳、左(北)に登れば鷲羽岳である。
その稜線とこちら側の稜線の間は深い谷になっている。黒部川の源流が左(北)側から右(南)側へ流れている。あれ?と思うかもしれない。黒部川は日本海に注いでいるので、北へ向かうはずだから。じつは、このあと説明する雲の平をぐるっと半周して北へ向かうことになるのだ。
写真を拡大すれば分かるが、三俣蓮華岳と鷲羽岳をむすぶ稜線のやや右に三俣山荘が建っている。そこから、三俣山荘の中腹を右へトラバース(迂回)すると、黒部五郎岳へ向かうことになる。
三俣山荘から西、黒部源流へくだって徒渉し、ふたたび登りあがり祖父岳の中腹までくると、写真を撮影した場所に達する。さらに、西へ向かうと雲の平だ。新穗高温泉の登山口から三俣山荘まで2日かかっているので、黒部五郎岳や雲の平がいかに奥深いか実感できると思う。
お目当ての一つ、黒部五郎岳である。標高2840m。日本百名山。東側がスプーンで削ったように、大きな丸い谷になっている。カール地形である。とにかく美しい。長い長い稜線を歩いてきた甲斐があるというものだ。
お目当てのもう一つ、雲の平。日本最後の秘境と呼ばれる。美しい平原が広がっている。1枚目の写真は、黒部川・黒部峡谷越に薬師岳。
2枚目の写真は、雲の平の中央部に建てられた雲の平山荘。実に優美なデザイン。一度は泊まってみたいが、そうそう長く休んでいられないので、この日は双六小屋まで引き返し、翌日下山した。
いままでで一番のロングコース、最大の高低差だった。達成感がハンパない。
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