山旅をする際、天気がよくて体力があれば、テントを背負っていけばよい。しかしそうでないなら山小屋を利用するのがよい。
こんかいも、上から順に、鏡平山荘、双六小屋、三俣山荘を利用した。三俣山荘は小さくて分かりにくいけれども、手前の稜線の右側に写っている。
山小屋のサービスはさまざま。旅館に近いところもあれば、山小屋らしいシンプルなところもある。鏡平山荘と双六小屋はおなじグループ経営で旅館にちかく、三俣山荘は山小屋らしいところだ。
いちばんの問題は水だ。トイレ、洗面、食事、水分摂取など、われわれ(特に日本人)はすべての生活局面で水を必要としている。山小屋で水に不自由する生活を送ることを強いられると、普段いかに水にめぐまれた生活を送っていたのか実感できる。
山小屋は水をどうやって得るかを考えて立地している。湧水や沢のあるところ、雪渓がちかく雪解け水が得られるところが豊富でおいしい水が得られる。
鏡平山荘は見てのとおり、近くに池がある。三俣山荘は湧水がある。双六小屋は雪渓から導水している。こんかい泊まったところはどこも水は豊富なところだった。そうは言っても風呂はない。風呂や温泉がある小屋は限られている。
このようにして水が得られないところは天水といって、小屋の屋根に降った雨水を溜めておいて利用することになる。水は貴重だ。お金を出して買うことになる。
水の問題は、トイレの臭いや洗面などいろんな問題に波及する。小屋泊まりのクオリティはほぼ水にかかっているといっても過言ではない。
水のつぎは輸送だ。むかしは歩荷さんが担いで登っていた。いまはヘリコプターを利用しているところが多い。なので物価が高い。
ペットボトル飲料が鏡平山荘、双六小屋で500円、三俣山荘で700円だ。もちろん、体力に自信があれば、自分で担いで登ればよい。しかしそうでないなら、お金で問題を解決しよう。
その次は、いまなら携帯電話がつながるかどうかだろうか。小屋は水が得やすい山あいにあることが多い。つまり、携帯電話がつながらないところが多い。これはストレスだし、時間もつぶしにくい。
その後にくるのが、小屋のオーナーさんやスタッフさんのサービス。各小屋で、アルペンホルンの演奏やグッズの販売などに知恵をしぼっている。
夏山登山は朝4時くらいに行動を開始して昼前後には行動を終了している。あるいは、雨が降り行動を中止して、いわゆる沈殿することもある。そのため時間つぶしが必要となる。昼寝をしてもよいが、夜がつらくなる。そのために、小屋には山関係の本がそろえられている。ただし、読書をするためには照明がいまひとつ。
・・・というわけで、山小屋生活は、日頃われわれがどれだけめぐまれた生活を送ることができているかを実感する場になる。みなさんも、いちどいかが?
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