2023年7月24日月曜日

「想夫恋」と『黄金のアディーレ』

 

 週末はトム・クルーズ主演の映画『ミッションインポシブル デッドレコニング』を見た。

前週はハリソン・フォード主演の映画『インディージョーンズ 運命のダイヤル』を見ていた。インディージョーンズのほうはシリーズ最後の作品だったので、なんとなくMIのほうも最後かと思っていた。ところが、衝撃のラスト。次作へつづく-となったのでビックリした。

映画のあとは、「想夫恋」で焼きそばを食べた。「想夫恋」の焼きそばはおいしい。日田出身でチェーンになっており、九州人なら誰もが知っていると思う。

しかし店名については疑問がある。「想夫恋」というのは古来ゆかしき名前である。『平家物語』にでてくる。

高倉天皇の寵姫に小督がいた。清盛は娘を高倉天皇に嫁がせているので、ジャマでしょうがない。迫害を受け、小督はしかたなく身を隠した。

高倉天皇は小督を忘れがたく、源仲国に命じて探させた。仲国が嵐山の麓あたりを探していると、箏曲の音色が聞こえてきた。小督が高倉天皇を偲んで弾く「想夫恋」の曲だった・・。

この由緒ただしい「想夫恋」という名を、焼きそば屋の名前にするとはいかがなものであろうか(失礼)。おいしい焼きそばを食べながら、このギャップにいつも戸惑うのだった。

こう思うと、『黄金のアディーレ 名画の帰還』という映画に思いをはせてしまう。

映画は実話に基づく。「黄金のアディーレ」は、クリムトが描いた肖像画。正式名称は『アディーレ・ブロッホ=バウアーの肖像』である。

かつて、ブロッホ=バウアー夫婦はナチスに迫害され、この名画も略奪された。現代の米国で、迫害を逃れた姪がこの名画をとりかえすべく立ち上がる。

オーストリア政府を相手に敢然と立ち向かう依頼人と若手弁護士の姿が描かれる。若手弁護士はオーストリア生まれで米国に移住したユダヤ人、シェーンベルグ※の孫である。

運命の裁判の前日。かれは祖父が作曲した『浄められたる夜』をオーストリアのホールで聴く。重大判決の前夜。人権のために闘う弁護士はみな、このような願う気持ちになる。まことに感動的。

ここから先は非常に書きにくい。文脈で理解してくだされ。

※シェーンベルクとは、ドイツ語で「美しい山」という意味である。

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