2023年7月19日水曜日

【事件報告】ある交通事故の件(417万円→1320万円)

70代女性が道路横断中に自動車にはねられた交通事故。事故当日の救急外来では「腰椎捻挫」との診断。事故から3か月後に足にしびれが出て、腰の痛みも改善せず、MRI撮影で「腰椎圧迫骨折」と診断。通院を続けてこられましたが、保険会社から治療費の支払を打ち切られて相談に来られました。


保険会社からの当初の提案では後遺障害なしの賠償。それはおかしいということで、後遺障害の診断書を取得しました。事前認定は11級7号。「せき柱に変形を残す」との判定。保険会社からの提案は約417万円でした。


納得できず提訴。後遺障害については「せき柱に中程度の変形を残す」として8級相当と主張しました。被告の主張は大きく2つ。①後遺障害等級は11級。②事故発生は日没後で暗く、歩行者にも過失がある。


①のポイントは、腰椎が圧迫骨折によってどれくらい減少したか。地域で活躍される画像診断の専門医に協力をあおぎ、画像診断書を作成。数値基準を満たすとして、自賠責保険に裁判外で請求を行いました。



②のポイントは、事故現場の明るさをどう裁判官に理解してもらうか。現場の日没前後の状況をビデオ撮影し、照度計で測定。日没後であっても「物の色と形がはっきり分かる」照度であることを明らかにしました。


裁判所からの和解案は、後遺障害等級8級相当を前提とするもの。自賠責保険金とあわせて1320万円を受領する内容。交渉時の提案額から3倍増で和解することができました。


その賠償提案、適正ですか。お困りの際はお気軽にご相談ください。


富永


 

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