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2021年1月26日火曜日

オンライン集会

 コロナ禍で、多くの裁判でもTeamsによるWEB会議が利用されるようになり、全国規模の大きな裁判でも影響があります。


HPVワクチン薬害訴訟でも、公開法廷での口頭弁論ではなく、WEB会議による手続が続いており、先日、1月18日(月)に福岡地方裁判所で行われた期日もWEB会議でした。


期日後の報告集会も、今はZoomを利用したオンライン集会で行われています。福岡以外の方も福岡に来ることなく報告集会に参加できるなどのメリットがある一方、意識して声をかけていかないと、学生などに来てもらって社会問題として関心をもってもらい、支援を広げていくことが難しくなっていると感じます。


そこで、報告集会への参加について、今年3月31日から司法修習に行く予定の方に声をかけてみると、弁護士として働くなら社会的に問題となっている事柄に関わってみたいとの嬉しい返事が。報告集会、ぜひ参加してください!いつか同じ弁護団で一緒に仕事ができるといいな~と思ったのでした。


富永


2013年2月14日木曜日

最近の振り込め詐欺






30年弱ほど前
司法修習を受けた。

司法試験合格後
弁護士になるまでの2年間だ。

最初の4か月と最後の4か月は
東京・湯島にあった司法研修所での研修。

その間の16か月間は
現場で研修する実務修習。

民事裁判,刑事裁判,検察修習,弁護修習が
各4か月ずつ。

司法試験の合格者が500人の時代で
わりとゆったりした研修期間だった。


検察修習時代には
犯罪の手口の講習も受けた。

たとえば
スリ。

ふつうに財布をとったのでは
簡単にバレてしまう。

そこでどうするかだけれども
目くらましを使う。

ドンと肩をぶつけるだけでも
人間の注意をそちらにひきつけることができる。

フランスの地下鉄で財布をすられたが
あまりにあざやかでしばらく気づかなかった。


人間心理は
意外ともろい。

すこし揺さぶられるだけで
ふだんと違う対応をしてしまう。

脅したり,すかしたり
あなただけに儲け話をもちかけたり。

すると,ふだんは冷静なのに
急に視野がせばまり,まわりが見えなくなってしまう。


振り込め詐欺も
たくみに,人間心理の弱いところをついてくる。

子どもが事故にあった!
エッチなインターネットサイトをみた!

きょうかぎり,あなたかぎりの,儲け話!
などなど。


最近の振り込め詐欺は
手が込んでいる。

劇場型というものだ。
ま,ひと芝居うつ,というぐらいだから。

登場人物は複数だ。
わるい人間役とよい人間役が交互に電話をかけてくる。

わるい役のやつが脅したりすかしたりしたあと
よい役のやつが親身になって話を聴いたりする。

道具立てもとても複雑だ。
預金だとか株だとか,わかりやすい商品はつかわない。

外貨だとか新株引受権だとか
しろうとにはむずかしげな商品がつかわれる。

会社も複数で
A,B,C,D…。

Aは倒産して,BとCが合併して
Dがその業務を引き継いで…。


こう複雑になると
法律相談もやっかいだ。

全部詐欺ですよ!
と説明するも,信じてもらえない。

わるい役はそうだろうけれども
よい役の人がそんな人のはずはない,とか。

B,C,Dはそうかもしれないが
A社はたしかに存在していました,とか。

詐欺師より信じてもらえないとは
不徳の致すところだ。

2011年12月20日火曜日

『クライマーズ・ハイ』(5) by.山歩きの好きな福岡の弁護士



 ジョギングをすると最初は苦しいばかりですが
 慣れると途中からふっと幸福感が訪れます。

 ランナーズ・ハイの状態ですね。
 むかし先祖が狩りをしながら幸せだったころの名残りでしょうか?

 これに対しクライマーズ・ハイは、登山者の興奮状態が極限まで達し
 恐怖感が麻痺してしまう状態のこと。

 大きなヤマ(困難)にぶちあたると、火事場のバカヂカラを出す必要からか
 われわれは興奮するように設計されているようです。

 しかし他方で、山は危険がいっぱいですから
 判断を誤りやすい危険な状態でもあります。

 クライマーズ・ハイは、登山家たちがそういう状態にあるのではないかと
 自分を戒めるための言葉のようです。

 司法修習の2年目の夏(弁護修習中、お盆直前)、1985年8月12日
 日本航空123便が墜落事故を起こしました。

 東京・羽田から大阪へ向かうジャンボジェットで
 群馬県の御巣鷹山の尾根に墜落。 

 乗員乗客524人のうち死亡者数は520人
 死者数は当時国内で最多、単独機では世界最多。

 亡くなった方が残した家族へのメッセージに
 涙しました。

 墜落までの恐怖の時間であってさえも
 家族への愛を表現する勇気をおしえられました。

 この事故がわれわれにさらに鮮烈な印象を残したのは
 奇跡的に4人の生存者がいたことでしょう。

 少女が救出された際の映像が
 いまも想起されます。

 事故以降、なんども福岡と東京を飛行機で往復しましたが、その都度
 たとえ墜落しようと人間らしく生き、あるいは死にたいと願いました。

 この事故に遭遇した群馬県の地方紙の記者・悠木とまわりの群像を描いたのが
 横山秀夫さんの『クライマーズ・ハイ』(文藝春秋 2003年)。
 単行本が出版されたのが薬害肝炎事件を提訴した年の夏です。
 もちろん読みました。

 薬害肝炎救済法が成立した2008年
 夏に谷川岳に登り、その際にも文庫で再読しました。 

 佐藤浩一さんでテレビ・ドラマ(NHK 2005)
 堤真一さんで映画(2007)にもなりました。

 このキャスティングだけで
 観てみたくなったでしょ?

                   ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳

2011年3月4日金曜日

 JR博多シティ走りぬけ


 
 きのうは東区で医師に対する出張尋問がダブルでありました。
 チームH江弁護士でY尋(光)さんと私がバックアップ。

 攻める材料に乏しい困難な尋問でしたが
 4回におよぶ会議の成果か、なんとか獲得目標をクリア。

 博多駅で待ち合わせたので、ちょっと待ち時間が生じ
 やむなく?新しい駅ビルJR博多シティを見学。

 ちょうどグランドオープン初日、22万2千人が訪れたとか。
 ひるどきだったけれど、それほど並ばずに入れました。

 どこからでも入れるわけではなく、TDLのアトラクションのように
 博多口前をぐるっと1周並びエスカレーターで2階へ上がってから入場。

 すぐ左手に東急ハンズがあります。
 東急ハンズといえばほろにがい思い出が。

 司法修習生は実務修習を、出身地にかかわらず各地でおこないます。
 福岡修習は当時20数人でした。

 修習終了にあたり、福岡で修習した友人に福岡で一緒に弁護士をやろうよ
 と声をかけたところ、「福岡には東急ハンズがないからなぁ」との回答。

 非常にくやしい思いをしました。
 それから25年、やや遅きに失した感はありますが、とりあえず歓迎。

 H江さんは地下1階に出店した、明太子屋さんの話をされていました。
 時間がなかったので寄ることができませんでした。確認してまた書きます。

 人生さまざま、人さまざま。Y尋さんは東急ハンズにはまったく興味がなく
 加賀屋の若女将がなんたらの話題に熱中。

 なにはともあれ、天神だ博多だと狭い商圏での客の取り合いに終わらず
 広くアジアからおおくの顧客を呼び込んでほしいと思います。
 

2010年11月17日水曜日

 事件は会議室で起きてるんだ!いや、寝てるんだ↘



 きのうから今年の司法試験合格者のかたが
 事前修習にこられています。

 事前修習は修習がはじまるまえの修習。
 われわれのころはありませんでした。

 われわれのころの合格者は年間500人で
 2年間の修習期間があり
 東京湯島にあった研修所で4か月(前期修習)
 福岡地裁民事部、福岡家裁で4か月
 福岡地検捜査・公判部で4か月
 福岡地裁刑事部で4か月
 弁護士会、法律事務所で4か月
 の実務修習を経て
 ふたたび研修所で4か月(後期修習)でした。

 それがいまは法曹増員の要請から
 合格者2000人で
 修習期間は1年間となり
 前期修習がなくなったうえ
 実務修習期間も短縮されてしまっています。

 このような現状をふまえて
 すこしでも修習の実をあげようと
 手弁当で事前修習にとりくまれています。

 世のなかから余裕が失われているなか
 法律家だけがのんびり修習するわけにもいかないのでしょうが
 それにより大切なものも失われているようにも思います。

 さて昨今の報道から
 このところよく思いかえすのは検察修習でのこと。
 (以下の話は匿名希望)

 当時、福岡での実務修習は全員で20余名程度
 3班にわかれて7~8人で
 裁判所民事・刑事部、検察庁をローテーションし
 最後が法律事務所にわかれての弁護修習でした。

 検察庁では実際に取調べを担当したり
 公判担当検事に同行して法廷を傍聴するのが主な修習でした。

 座学もあり
 覚えているのは検事正講話と検事長講話。

 検事正は福岡県で一番えらい検事
 検事長は九州で一番えらい検事です。

 なぜ覚えているかというと
 検事長講話で寝てしまい
 指導担当検事から「ぼくの首をとばす気か!」と叱られたから。

 指導担当検事は捜査や公判実務からはなれ
 修習生の指導をもっぱらにする検事のこと。

 会議室で
 検事長の前方の席左右に3~4人で座り
 私は左側の一番前(検事長より)の席でした。

 この席で寝てしまったのですから
 50人や100人の講演で寝たのとはわけが違います。
 大事件でした!

 修習担当検事に激しく叱られたのもむべなるかな。
 ごめんなさい。
 (さいわい、検事はその後も順調に出世されています。)

 私なりに弁解させていただくと
 検事正のお話に比べて検事長講話がつまらなかったのは
 否めません。

 検事正はたたきあげ
 実際に捜査を担当し現場を知っています。
 そのような体験に根ざしたお話だったので
 とても興味深く拝聴しました。

 これに対し
 検事長は試験の成績が優秀だったであろう官僚タイプです。
 制度や人事にくわしい、行政の専門家。
 当時の私にとって興味がもてる講話ではありませんでした。

 このような事情は裁判所もおなじ。
 矢口洪一さんが最高裁長官になったときと記憶していますが
 新聞の人物欄に
 「裁判官としての力量は未知数」と紹介されていました。

 その意味は、裁判官といっても
 それまでの経歴が司法行政畑ばかりで
 普通の意味での裁判をした経験が乏しいということ。

 最高裁の判断が庶民感覚からズレて
 官僚的だったりするのはこの辺に原因があります。

 (話を戻して)
 大阪地検特捜部の証拠改ざん(罪証隠滅)事件では
 最高検が前特捜部長らを犯人隠避の容疑で検挙しました。

 この判断は適切であったと思います。
 是非とも有罪にもちこんでほしいとエールを送っています。

 そんなときに頭をよぎるのが検事正vs.検事長講話体験。
 たたきあげの前特捜部長らに
 官僚タイプの最高検検事は対抗できるのか?
 ちょと心配…。
 

2010年8月26日木曜日

 狭き門、貧しくとも入れますか?



 狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は広く、之より入る者多し。


 そうはいっても狭すぎます!

 法律家になるための門の話です。


 私が司法試験に合格したのは1983(昭和58)年秋。翌春から2年間、司法修習をしました。裁判所、検察庁、法律事務所、司法研修所などで法律実務を、給費で学ばせていてだきました。おかげさまで、こんにちまで25年間、弁護士活動をすることができています。

 そのころ、合格率は2%弱、合格者の平均は28歳くらいでした。大学を卒業して6年以上浪人することになるわけです。平均ですから、もっと長い人も少なくありません。

 ほとんどの受験生は、家庭教師や夜警のバイトをしながら苦学していました。苦学されていた人ほど、心優しい法律家になっているような気がします。

 現在ではさらに法科大学院(ロースクール)で2~3年学ぶ必要があります。私はサラリーマン家庭に育ちましたがロースクールに通うだけの経済的ゆとりはなく、現行制度のもとでは法律家になれなかったと思います。


 ところが、本年11月から司法修習生に対する給費支給が打ち切られようとしています。経済的にめぐまれない環境にある者にとって、法律家を志すことは絶望的に困難になってしまいます。

 「貧乏人は麦を食え」
 池田勇人首相が蔵相時代に述べた暴言として有名ですが、これに倣えば、
 「貧乏人は法律家になるな!」ということでしょうか?
 
 精神世界ならぬ現実世界において、法律家になるためのあまりに狭き門は「滅にいたる門」のように思います。
                                                                                               やま